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 ショッピングモールの中は穏やかな音楽が流れていて、映画館みたいだね、映画館、苦手だから、覚えていないくせに考えてみる。刺々しい気持ちにはあんまりなりたくないし、凪いだまんまでたまに喜びの波を乗り越えるようなふうにやりたいな。
 子どもたちが歩いているのはもう放課後だからかな。小さい頃好きだったものをいくつ覚えてる?ね、なかなかうまくいかないね。どうして生きてやろうかな。自意識に溺れてあとから恥じらいたくはないと思っていたけど、あれが本当だとしたらさ。
 今更とは言うけれど、身長があと二十センチ伸びたらいいんだけど。それか、小さいときの気持ちをそのまんま思い出せたらいいのかもしれない。無謀なことばかり考えたって埒が明かないね。あんまり苦しくなりたくないし、あんまり醜くなりたくないし、なんにも変わらなくたって受け取り方次第だと思っている、つもりでは、ある。
 物語は溢れる気持ちを描くけれど、とにかく手に入れたくないな。認めたくないから足元を見て歩いているの?見たことのあるものばかりでさみしいね。瓶から中身をこぼさないように、よく気を配ってやらなくちゃ。

2/6/2024, 8:49:16 AM