〈お題:やさしい嘘〉
「悪くない」
鏡を見てそんな感想を残す。かなり適当な感想だ。改善点すら言わないこの手の言葉の内側は"普通"という、感情の起伏が起こり得ない感想に占められる。
「無難が一番」
鏡に映るその姿に1度目の感想で気を悪くした可能性を憂慮して付け加える。
しかし、それこそが悪手。
「無難か…」
おそらくは…きっと、それなりに時間を掛けて決めた服なのだろう。この言葉を聞いて悪手を打ったことを知った。気の利いた言葉は今や後手でしかない。
ならばやる事は一つ。
“無難な服"が輝ける場所へエスコートする事だ。出掛け先はこちらが決める事。
服に似合う場所は何処だったか。着こなし具合を改めて見る。似合ってるよ。
心に秘めた感想はまた次の機会に落ち込んだ時にでも言おう。
〈お題:瞳を閉じて〉
そう、これは瞳を閉じてしまった結末である。
私の日常は驚きを齎してくれることはない。
仕事へ向かう途中、電車に揺られる。
これは。文章を長く書きたい時の表現。
眠い。
↓
瞼が落ちる
↓
時間がゆったりと過ぎるのを瞬きの速度が物語る。
感情!
私は怒っていることを表現するために、あえてソレとわかる様に「私は怒っている」と書く。
感情!
「鈍感系の視点」怒り
彼女の足音が心なしか大きく聞こえる。
ジッーとその眼が私を映す。
「察しのいい視点」怒り
彼女の身体がわなわなと震えている。
事実を主観にすると文章が物語になる。
例ー眠い→酷く退屈だ。
感情のない視点。
箇条書き。
視点にどれくらい感情を込めるかで、文章の個性が決まると私は思います。
客観的なのは読者と書き終わった後の筆者(推敲する時)。
文脈も必要。
緩急を付ける。
↓例
『
「あっははは」
声を張り上げて笑った私が、造った笑顔で彼を見つめる。彼は一瞬の間を置いて「失格」の二文字を放った。彼の興味も無さげな目を見て小さく笑った。(嗤ったが伝わればいいな)』
感情の出発点が違う。
「プライドからくる」薄ら笑い。
「劣等感からくる」嘲笑。
「愉快」で高笑いする。
すべて笑い。
目を閉じて…書く技術を高める方法を考える。
〈お題:あなたへの贈り物〉
この人生でアナタに捧げられる唯一のモノ。
それは、今この瞬間。時間である。
私はアナタに私の時間を贈ろうと想う。
贈り物は時として傍迷惑な物であるけれど、アナタは私の贈り物を無碍にはしないはず。
だから、私が私でいられる唯一のモノをアナタに。チープな贈り物かしら。物質でないことが明らかなモノは捨てるに困るわね。
でも、捨ててほしく無いから…だから物質には頼らないのよ。時間。覚えている限り私が私である限り残り続けるモノ。
アナタは後悔するかしら、私の贈り物を受け取ってしまう事に。
でもね、私の贈り物はとても心が籠ってます
希望と期待に満ちているでしょう?
ね?素敵な時間だったでしょう?
〈お題:羅針盤〉(複数人との合作
君を想う。
それまでの私の目に映る光景に君が現れるまで、無機物が世界の中心だった。
グルグルまわる羅針、その先が定まらない恐怖が瞳を覆う。
寝室の扉を閉める。
高鳴る鼓動。月の光が胸を刺す。
目に映る全てが眩くて。
君が転校してきた時から幾度となく考えてきた。君の自由な振る舞いが私には輝いてみえた。君に会いたい。君は今、何をしているのだろう。きっと寝ているのかな、どんな夢を見てるの。
未来を描いた先に君がいる方角を探しているよ。もう当てにならないけれど、それでも私は君と歩みたい。月が綺麗だなぁ…。
あぁ、ふクロウが鳴いている。
〈お題:明日に向かって歩く、でも〉
私の場合、寝たら治る。
嫌な事があっても、大抵寝たら治る。
睡眠の質は誇れるほど高くはないが、それでも寝れば大抵はその日の朝を迎えられる。
だから、嫌な事があったらふて寝します。
でも、朝起きて昨日の事を引き摺っていたら?
そりなぁ…弱ったなぁ。
少し脱線するわ。
心の私が言いたい事を言います。
いつもの私なんて、今日の私が決める事。
過去の私の積み重ねも大切よ?
でもねぇ…他の誰でも無い自分が文句を言わなけりゃ過去の研鑽に終止符を打てるのよ。
過去の私が惜しむなら、それは未来の私に一旦預けるの。今の私は引き摺って、未来の私に預ければいいのよ。
後から思えば…なんて後悔をするかも?
過去の私が過去から学ばなかったこと。
今の私なら学べるんじゃないかしら?
取り返し、つくんでしょ?
なら、未来の私と相談しながら決めなさい。
閑話休題。
そしたら今日もふて寝します。