小さい頃親と一緒に行ったお祭り。
僕はそこで見る花火がすごい好きで、でも嫌いだった。
空に花が咲いているみたいで綺麗だけれど、
その花が咲いたあとにキラキラと崩れ落ちて
夏が終わってしまうような気がしたから。
だから毎年少しでも長く感じたくて、
目に焼き付けたくて花火が終わっても空を眺めてた。
今年も家のベランダから遠くで
打ち上げられる花火を見る。
夏が終わる音がする。時の流れを感じて怖くなる。
けれどやっぱり綺麗だ。
夏が終わる気がして怖くてたまらないけれど
花火は残らないからこそいいんじゃないか。
キラキラと崩れ落ちるその様が、儚く思えるからこそ
僕は花火が好きなのだ。
残ってしまったらつまらないだろう?
形に残らないから怖くなる。
だけどそれがいいんじゃないか。
あの日も雨の日だった。
忘れもしない、俺が貴方を失った日。
あの日は俺の誕生日で2人でお祝いしようと話していた。
夜になっても貴方は帰ってこなくて、
外を見ると酷い雨で。
何だか胸騒ぎがして貴方を探しに外へ出た。
近くの交差点がやけに騒がしく、救急車のサイレンが
鳴り響いていた。
近づいてみると見覚えのあるワンピースの女性が
丁度担架にのせられている所で。
嘘だ。
嘘だ!!
嘘だ!!!
あの日は俺の誕生日で。
俺の大好きなハンバーグを作ってくれると
約束してくれた。それなのに、どうして。
俺は人目も気にせずに泣き叫んだ。信じられなかった。
……信じたくなかった。
彼女は即死だったらしい。
現場には買い物袋の中身が散乱していて、
玉ねぎ、ひき肉などが入っていた。
あぁ…俺の為のハンバーグの材料を買った帰りに
事故にあったんだとすぐにわかった。
あの時俺がついていっていれば
彼女を失うことはなかったのに!!!
彼女は俺の全てだった。誰も認めてくれなかった俺に
初めて認めてくれた時から彼女が俺の中心だった。
彼女がいない世界なんて生きている価値がない。
この場に彼女がいれば私なんか忘れて
他に大事な人を作れって言うかもしれないけど。
貴方以外に大事な人なんている訳がない。
作れる筈がないんだ。
傍にいてあげられなくてごめん。
守ってあげられなくてごめん。
痛かったよな、辛かったよな。
今、会いにいきます。
シャボン玉がすき。
昔あの子とやった時から大好きなの。
透明なのにどこか虹色に光って。
キラキラして、ふわふわ飛んで。
触ったらパッと消えて。
シャボン玉を隣で吹くあの子が儚くて。
シャボン玉みたいにパッと消えてしまいそうで
慌てて手を掴んだ。
そしたらあの子はなにもかもわかってるみたいに
ふわっと笑って、
「どこにもいかないよ。そばにいる。」
って僕に言う。
ほんとうにあの子には敵わないなとつくづく思った。
僕はあの子がいないと生きていけないんだ。
あの子も僕がいないと生きていけない。
離れるなんて許さない。
僕達はずっと一緒だ。二人でひとつ。
離さない。永遠に離すものか。
明日世界が終わるなら、何をしようか。
いつも通り過ごす?やってみたかったことを
全てやってみる?
私はどうせ死ぬなら貴方と思い出を
振り返りながら貴方と死にたい。
初デートで行った水族館、誕生日にくれたお揃いの
ネックレス、プロポーズの時の貴方の面白いぐらい
緊張していた顔。
どれもこれもが幸せな思い出で、忘れたくない
私の大事な宝物。
これからもっと貴方との思い出を写真に残して、
最後に2人でその写真を見ながら、
こんなことあったねって2人笑って死ねたら
最高に幸せだと思う。
だから、明日世界が終わってもいいように。
貴方と沢山愛を紡ごう。
君と出逢ってから何年経ったんだろう。
保育園から一緒で僕が必死で話しかけて仲良くなって
付き合って、結婚した。何度も喧嘩して
辛いこともあったけど、僕は君と結婚して
心の底から良かったと思ってる。
よく笑うとこや、ご飯を口いっぱいに詰めて
リスみたいに食べてるところが好きだ。
パッチリした目も、シュッと通った鼻筋も、
ぷっくりとした唇も。
僕が好きだって言った長い髪も、毎日手入れして
綺麗にしてくれているところが好きだ。
君以外の人を好きになるなんて今までも、
これから先も絶対にないだろう。
歳をとっても仲良く2人で歩んでいこう。
愛してる。