なるせ

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あの日も雨の日だった。


忘れもしない、俺が貴方を失った日。


あの日は俺の誕生日で2人でお祝いしようと話していた。


夜になっても貴方は帰ってこなくて、
外を見ると酷い雨で。


何だか胸騒ぎがして貴方を探しに外へ出た。


近くの交差点がやけに騒がしく、救急車のサイレンが
鳴り響いていた。


近づいてみると見覚えのあるワンピースの女性が
丁度担架にのせられている所で。


嘘だ。

嘘だ!!

嘘だ!!!


あの日は俺の誕生日で。
俺の大好きなハンバーグを作ってくれると
約束してくれた。それなのに、どうして。


俺は人目も気にせずに泣き叫んだ。信じられなかった。

……信じたくなかった。



彼女は即死だったらしい。
現場には買い物袋の中身が散乱していて、
玉ねぎ、ひき肉などが入っていた。



あぁ…俺の為のハンバーグの材料を買った帰りに
事故にあったんだとすぐにわかった。


あの時俺がついていっていれば
彼女を失うことはなかったのに!!!


彼女は俺の全てだった。誰も認めてくれなかった俺に
初めて認めてくれた時から彼女が俺の中心だった。


彼女がいない世界なんて生きている価値がない。


この場に彼女がいれば私なんか忘れて
他に大事な人を作れって言うかもしれないけど。


貴方以外に大事な人なんている訳がない。
作れる筈がないんだ。


傍にいてあげられなくてごめん。

守ってあげられなくてごめん。

痛かったよな、辛かったよな。








今、会いにいきます。





5/25/2024, 5:00:46 PM