夢の断片
断片と聞いて、パズルみたいなものを連想した。夢がバラバラになって、それを探し当てて組み合わせていくとその形が明らかになる。
ここでいう夢というのが理想という意味の夢なのか、夜に見る夢のことなのか。理想の意味のほうがロマンティックだろうけど、後者でも面白そう。
物語の演出としてよくある、予知夢のような夢を見て、その後「あなたは夢で見た……!」ってなるやつ。これとパズルの要素を組み合わせたら面白そうってね。
皆寝ている時に見た夢は忘れてしまう。そうして零れ落ちた夢の断片は世界中に散らばっている。それらは支離滅裂でありながらいずれも同じ方向へと向かっていた。夢の断片をすべて集めて繋ぎ合わせたとき、世界の真相が明かされ、異世界への扉が開かれる――。
――面白いんじゃない? でもこれだと異世界への扉を開くまでがピークになってしまう。そして地味に長い話になりそう。きっと実際作品にできる日は来ないんだろうなぁ。このアイデアこそ夢の断片として零れ落ちていくんだ。
祈りの果て
祈りの果て、とな。こういうタイトルを見たとき、まずハッピーエンドにするかバッドエンドにするかを考えてしまう。
ハッピーエンドにするなら、神社でお参りをした人の話になるかな。例えば、受験生がお祈りを続けた結果として当日実力以上の力を発揮し、無事に合格するとか。あるいは、良い人に出会わせてほしいと願った人がその神社で運命の人と出会うとか。
反対にバッドエンドにするなら祈祷師の話にするだろう。分不相応な祈りをした祈祷師は力を奪われ仕事をなくすが、その代償によって世界の平和は守られる。もしくは祈りが曲解されて意図しない形で叶い、世界はかえって危機に陥る。――そのせいで祈祷師は魔王と呼ばれるようになり皆から疎まれるとか、いいんじゃない?(?)
個人的にはやっぱりバッドエンドの方が納得感がある。ハッピーエンドを書こうとするとどうしても大衆的になってしまうのは私の経験値が足りないせいだろうか。
今回数パターンの物語を挙げてみて気付いたことがある。私、ハッピーエンドは現実的で、バッドエンドはファンタジーになりがちだ。無意識に現実はハッピーであってほしいと願っているんだろうか。私が描くものは現実賛歌だったのだろうか。……そうやって表現の幅が狭まっては勿体ないのでいずれは現実的で不幸な話も書きたいなと思う天邪鬼な私である。
私は祈りの果てはバッドエンドが相応しいと思ってる。それでも色々祈ってみたい。そう思ってしまうのは、やっぱり私の軸にあるのが現実賛歌だからでしょうか。
ティーカップ
遊園地でティーカップがモチーフの施設あるよなぁ。名前なんだっけ?と思って調べたら「ティーカップ」(※あるいはコーヒーカップ)がそのまま施設の名前になるらしい。……ややこしくないか? せめてメリーゴーランドに倣って「ティーカップラウンド」みたいな名前にするとかさぁ。と、今さら言っても仕方がないのですが。
改めて考えるとティーカップって変なアトラクションだ。回転を楽しむというのはまだわかるとして、その乗り物に食器が選ばれているのがまず不思議。ティーカップって本来回すものじゃないのに。そしてメリーゴーランドは王子やお姫様気分を味わえるけど、ティーカップは何? 撹拌されるカフェオレ?
……重箱の隅をつつくようなことばかり言っているのには理由があります。ネタが無いのです。頭も働かないのです。何か投稿しなきゃと思って思いつくままに書いている。着地点がわからず眠気が強まっていく。
ティーカップ関連の物語を考えようとしているけど、これというものが出てこない。例えば食器と遊具で同じ名前が使われている裏の理由とか、ティーカップ(食器)を回す伝統的な儀式とか、カフェオレとしてティーカップ(遊具)を回す人の話とか……。
何を言ってるのかわからないと思いますが、えぇ、私もわかりません。こんなのしか思いつかないのだ。これ以上何を書いたらいいのやら。
あ、こんなのはどうだろう。一般的なティーカップ(遊具)だと思って乗り込んだら本物のティーカップで、熱々の紅茶が降ってくる――。……。
……すみません、もう寝た方がいいな。
行かないでと、願ったのに
神様なんて信じない。行かないでと、願ったのに。彼を向こうの世界に連れて行ってしまった。
容態が急変したのは明け方で、柔らかな朝日に照らされながら段々と脈が弱まっていった。そのまま為す術なく息を引き取った。穏やかな最期だったと思う。
それで私が昼夜問わず泣いていたから、神様が情けをかけてくれた。顔を上げるとそこに愛しい彼の姿があった。私は彼に泣きついた。彼は驚きながらも優しく私の頭に手を添えてくれた。
いつまでも一緒にいたいと願った。行かないでほしいと願った。たったそれだけの願いが叶わないらしい。
別れは無情に訪れる。翌日に漕手が突然やってきて、有無を言わさず彼の手を引いた。彼はどこか安心したような表情をしていた。
そうしてその数分後には彼は三途の川に揺られていった。もちろん私は引き留めようとしたけれど、死者はもう乗り込むことができないらしい。舟は私の手をすり抜けてどんどん遠くに離れていく。
行かないで。私をこの知らない地に、一人にしないで。
私はあの世にひとりぼっち。行かないでと、願ったのに。彼は一人で現世に戻ってしまった。
tiny love
ちっぽけな愛。それが英語で表記されていることに何か意味を持たせたい。でもtinyで調べても「ちっぽけな」以上の意味が出てこない。「物理的に小さい」と「取るに足らない」という2つの意味に大別することはできるか。
例文見ると子供の形容詞としてしばしば使われてそうなので、子供の可愛らしい愛♥みたいな話を考えようかな。いや、もっと小さく、手のひらサイズの妖精にするか。
こんなのどうだろう。ある日枕元に小さな花が置かれていた。道端に生えてたら一切躊躇せず踏みつけてしまえるような、雑草にしか見えない花だ。それは妖精からしたら最上級の愛情表現だったけど、人間からしてみれば気味の悪い迷惑行動でしか無かった。
それで、紆余曲折を経て(そこを考えろと言われたらそれはそう)、人間は妖精の居場所を奪うか、あるいは命を奪う行動を取ってしまう。取り返しがつかなくなってから人間は妖精の愛に気づく――某名著の「お前だったのか」ルート。
……「小さな存在の取るに足らない愛」という設定から一番に思いついたのが例のキツネのお話だった。そこから着想を得たのだけれど……ダメか。パクリになっちゃうか。
オリジナルを考えるって難しい。どうすれば胸を張ってオリジナルと言えるのか、ね。