ゆかぽんたす

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8/26/2025, 1:57:17 PM

「海に行かない?」と言うから、お望み通り連れてきてやった。なのに彼女はいつまで経っても浮かない顔をしている。寂しげな顔で、膝を抱えて砂浜に座ったまま、地平線のほうを見つめている。
「振られちゃったんだ」
「そっか」
そうとしか、答えようがなかった。悲しげに俯く彼女の肩を抱き寄せる権利は、まだ僕にはない。だけど、傷心している時に呼ばれたという点に関して考えるならば、まだ僕には救いがあるのかもしれない。
それでも、いろいろ考えを巡らせど、今は彼女が静かに頬を濡らす様子を見守ることしか出来ない。もどかしい。何か言葉をかけるくらいは、許されるだろうか。
「冷たいかなあ」
不意に、彼女はそう言って立ち上がるとその場でサンダルを脱ぎだした。そのまま真っ直ぐ前進してゆく。爪先に波が触れたのか、「つめたぁい」とはしゃいだ。
冷たければやめればいいのに。思ったけど、僕は口には出さなかった。今彼女は色んな思いを頭の中に広げている。その叶わなかった思いたちを、波に流してもらうつもりなのかまでは分からないけれど、彼女は素足のままどんどん海に向かって進んでゆく。やがて膝付近まで浸かる程になった時、僕はとうとう彼女の肩に手を置いた。
「風邪引くよ」
「そうだね」
予想外にも、彼女は素直に僕の言う通りに海に進むのをやめてくれた。そして再び砂浜の上に座り込んだ。僕も隣に腰掛ける。濡れようが汚れようがどうでもよかった。今は何を考えても無駄みたいだ。彼女の涙が止まった時、初めてこの海の広さとか水の冷たさを感じるのだろう。それまでは、こうして静かに、君の隣でじっとしているよ。

8/26/2025, 4:38:35 AM

きっと駄目だろう。
ほらまた、そんなふうに周りは私のこと見てる。
結果が出せなきゃ価値はないの?
過程は、評価してくれないの?

そんなんなら、いいよもう。
誰から認められなくたっていい。
私が納得すればそれでいい。
私は、私を辞めない。
だからもう一歩だけ進むから。
後押しも応援も無くたってまだ足は動けるから。

12/30/2024, 11:30:10 AM

去年とくらべて現状維持、でも願わくば去年よりしあわせになれ……!

ってひっそり思ってたら、総合的に見て◎な1年でした。来年はもっと花丸に近くなればいいな、まずは体調回復しないとな。

8/1/2024, 6:59:16 AM

傷つくことないし傷つけることもない。
話を聞いてあげなきゃとか、何か話題をふってあげなきゃとか、そういう気を回す必要もない。
だから一人でいたいのよ。楽だから。それに尽きる。なのに君は。
「これから帰るの?んじゃ、駅まで行こうよ」
どういうつもりか、あたしのことを見つけてはすぐさま寄ってくる。なんなの、もう。まさかあたし見張られてるの?断ったっていいけどさ、どうせあたしの後ろをついてくるんでしょ?それはそれでなんかウザい。だから、“勝手にすれば”だけ言ってあたしはさっさと歩き出した。わざと速歩きしてんのに、君は爽やかに笑いながらあたしの隣を歩く。ちょっと感心した、でもやっぱ、ムカつく
「……そろそろ言ったら」
「なにが?」
「なんで毎回あたしに絡むわけ?うちら大して仲良くないはずだけど」
「えー、そんなこと言わないでよ。寂しいなあ」
相変わらずのヘラヘラ顔で言ってきた。これはもしかしてはぐらかされたのか。どっちでもいいけど、もう駅だ。これでやっとまたひとりになれる。じゃあね、と言って改札を抜けようとするあたしの背後から弾んだ声が飛んできた。
「また明日!」
「……は」
振り向くと、彼はもう自分の乗るホームへ走り出していた。どうやらちょうど電車がきたらしい。アナウンスで『駆け込み乗車はおやめください』と言われていた。絶対にアイツだ、と思った。
よく、分からないけど。
明日もまた、あたしに会いにくるという意味なのだろうか。冗談やめてよ。また一人の時間をとるつもり?ならば明日こそは、放っておいてよとでも言いすててやろう。絶対に言うんだ。そしたら彼はどんな顔するだろうか。またヘラヘラ顔を見せてくるか、驚くか、悲しむか――
「まあ、いいや」
言うかどうかはまた、明日考えよう。あたしも早くしないと電車がきちゃう。彼は無事に乗れたのかな。それもまた、明日聞いてみるか。気が向いたら。

7/13/2024, 1:58:14 AM

あんまりだ。

きっと君には僕の気持ちなんて1ミリも分からないんだろう。だからあんなことが言えたんだろうな。そうとしか思えない。
もう、今さら何言ったって遅いけどさ。少しくらいは僕のこと見てほしかった。気にかけろとか、そういうんじゃない。“僕自身”を見てほしかったんだ。これまでずっと、僕が君のことを思ってきたように、君も僕のこと大切に思ってくれてるって信じてた。けどどうやらそうじゃなかった。それが事実ってだけ。

どうしてだろう。思った以上に落ち込んでる。多分、僕はそれだけ君のこと愛してたんだな。
報われない思いって、つらいよな。

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