「なんなのよ、ここは…」
私は森に迷って彷徨っていたはずだった。なのに気づいたら開けた場所に出ていた。
そこでは祭が開かれていた。
呆気に取られている私に声をかける人がいた。
「さては君、『迷い人』だね?ここでは君みたいな人がわんさかいるよ。その内お家へ帰してあげるから今はここで楽しんでいったら?」
突然の誘い。危険な気配を感じ、断り踵を返そうとしたところ、
「多分君一人では帰れないよ」
―――私は恐怖を感じた。ここを離れることは得策ではない。とりあえず従うしかないようだ。
「じゃあ、ここで少し楽しませてもらえませんかね…?」
「もちろん、さあ、『永い夜』の始まりだよ、ふふっ」
私は普通に楽しんでいた。この『永い夜』を。ああ、1000年先もこのままがいい。
いやもっと先もこのままで――
―――その後とある森で女性の遺体が発見されたという報道があった。
テーマ:1000年先も
――「ねえ、これってなんて読むの?」
「それはね、わすれなぐさ、っていうの。」
俺は幼いころの記憶をふと思い出していた。
あのときはただきれいな花だなと思っていた。
だけどそれが今や仕事になっている。
―――植物学者。
あのときの勿忘草との出会いが確実に俺を変えてくれた。
テーマ:勿忘草
「はぁ…」
俺は深夜の公園で一人ブランコに座り、うなだれていた。
まさか会社をクビにされるとは。
ため息しか出ない。何も考えたくない。
無心でブランコを漕いでいた。大の大人が。
しかし、不思議なものでブランコを漕いでいると童心に帰れたように感じしばらく夢中になって漕いでいた。
傍から見たら頭のおかしいやつだろう。
そんなことはどうでも良かった。
ブランコに振られるごとに遠心力で負の感情が吹き飛ばされている…ように感じた。
―――大丈夫。
俺はまだ頑張れる。
テーマ:ブランコ
僕はトンネルをずっと突き進んでいた。
いつまで続くだろうか。
これも何度思っただろうか。
もはやいつからこれをしているのか。
―この先に何があるのか
―――もともとこれは何だったのか
テーマ:旅路の果てに
私はこれまでにないぐらいの速さで走っていた。
――たった一つの手紙の為に
この街は田舎過ぎて郵便が本当にたまにしか来ない。
だからすぐに返事がほしいときには郵便が来る日に必ず間に合わせなければならない。
しかし私は一通の手紙の返事に考えあぐねていたのでぎりぎりで逃してしまった。
だから今全力で郵便バイクを追いかけている。
絶対にあの人に―想いを伝えたい…
私を突き動かすのは彼への想いだけだった。
絶対に間に合わせる。
そして届けさせる――!!
テーマ:あなたに届けたい