私はたまに小説を書いたりする。
もう仕事も定年退職したしやることがないとなんとなく始めたものだ。
でも…割と続いているし楽しい。
いい暇つぶしにもなる。
そして、あのときの夢を登場人物に叶えさせている。
あの頃はどんな夢を語っても可能性があったものだ。
――少年時代。
戻りたい。夢を自由に描けたあの頃に。
テーマ:誰もがみんな
「はぁ…」
ほんとに私は自分の中に溜め込みすぎている。
責任とかも勝手に抱え込んでなんとかしようとしちゃうし思ったこともその場で言わなかったりしている。
溜め込んだのが爆発しそうだったがこれでなんとかやっていけてる。
―――ノート。
ここにとにかく思ったことを書きなぐる。
書かない日とかあるだろうと最初は思っていたけど結局毎日なんかは書いている。
このノートはいわゆる―――
『どこにも書けないこと』用のノート。
愚痴ノートのほうが正しいかな…
テーマ:どこにも書けないこと
時計ってずっと動いてるよね。
まあ電池がある限りだけど。
時計の針を止めたら時間が止まるとかあったら面白いなぁー
――なんて。
テーマ:時計の針
なぜだろう、涙が止まらない。
この涙はなに…?
死んだはずのあなたに会えた感動の嬉し涙?
あのとき私が何かできたら、という後悔?
それとも空気がただ乾燥してるから?
―――あなたの墓石の前で幻覚を見た。
それはあのときのあなたそのものだった。
気持ちが溢れて涙しかでない。言いたいことはたくさんあるのに。
――ハンカチで涙を拭ったとき、もう彼はいなくなっていた。
テーマ:溢れる気持ち
「あー、うまくいかねぇ…」
俺は小説の続きについて長いこと悩んでいた。
―俺は恋という恋をしてこなかった。
なのに恋愛がテーマで書き始めてしまった。
そして小説の中の二人は―キスをしようとしているところまで進展してしまった。
俺をさしおいて…
「ははっ…」
なんで俺はこの年まで恋という恋をしてこなかったのだろう。後悔と共に乾いた笑いがこみ上げる。
―――恋ってなんだろう。その先にあるキスをするって?それ以上は?
もうよく分からんくなってきた。この作品はもうやめよう。
俺は机の上にある構想をまとめたものを容赦なく破り捨てようとした、
――途端に愛着が湧いてきた。
ああ、こんな感じなのかな、恋って。
これまで一緒にいて当たり前だと思っていたものがなくなろうとした途端に離したくなくなる、みたいな。
恋をしたことなかったのに勝手に恋を理解したときだった。キスってのもその内理解できるんかね…
テーマ:Kiss