好きなことをできるときって一番楽しいよね。
そう思わない?
私、このバンド活動が好きなの。
歌を歌ってキーボードを演奏する。
ここまで来るのに随分と時間がかかったけど今は単純に楽しい。
そして長い時間をかけて一曲書き上げた。
では聞いてください―
"I Love it forever"
テーマ:I Love…
あの街へ行きたいと思って私は必死に勉強しあの街に位置する大学に合格した。
―そして明日から一人暮らし。
一人暮らしならなんでもできる。
私のやりたかったこと。
高校では禁止だったバイト。
あらゆる可能性が私を待っている。
さあ、この一歩を踏み出そう。
あの街へ―
新しい、世界へ―
テーマ:街へ
私はいわゆるお嬢様として生活してきた。
欲しいものはだいたい手に入ったし、質の良い教育も受けてきて楽しい人生を送っていた。
―そのつもりだった。
確かに私は満たされていた。が、どこかにぽっかりと穴が空いている。それの正体がなんなのか長いこと分からずにいた。
それが最近ようやく分かった。
―"優しさ"
たったそれだけのことだったのだ。私は幼い頃から使用人に教育してもらい親との関わりが少なかった。
両親は共働きで常に忙しく私との関わる時間が取れなかったのだろう。
それでも、もっと早く知りたかった。
"本当の優しさ"
というものを。
テーマ:優しさ
いつもはこんなことしないのに。
なんとも言えない背徳感が私を襲う。
冬を感じさせる風が私の頬を伝う。
外ははく息を白に染め、月明かりは孤独な私を照らす。
これが私の見たかった―夜の景色。
にぎやかな街は昼間とは違うにぎやかさを見せている。
――さあ、繰り出そう――
深夜の、ミッドナイトの街へ
テーマ:ミッドナイト
私は沈みゆく夕日を眺めていた。
ここからの景色を何度眺めたことだろうか。
だけどそれももう今日でおさらばだ。
今日私はこの世から開放されようとしていた。
あのもう見たくもない顔。聞きたくない言葉。
それを聞かなくて良くなることは私を安心させた。
しかし、それと同時にこの世からいなくなる恐怖―不安にも襲われていた。
この恐怖にいつも負けて最後の一歩を踏み出せずにいた。
だけど今日は違う。
…さっさといなくなってしまおう。そして一泡吹かせてやろう。
まあ私の死がどこまで奴らを変えるかは分からないが。
私は―いや、もう考えることはやめよう。この世の執着はなるべく減らそう。
そう思い、私はこの場所―屋上のフェンスに手をかけた。
―もう迷わない。
―さよなら。
テーマ:安心と不安