Ryu

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10/2/2025, 9:54:03 PM

聞こえますか?
あの、遠い足音。
ゆっくりと近付いてくる、不穏な足音。
砂利を踏むような、アスファルトを擦るような。
それは着実にあなたへと向かってきている。
目的はあなたなんだ。
早く逃げた方がいい。

まだまだ遠いと高を括っていた。
まだしばらくは捕まることもないと。
だって、走れるし、闘える。
負ける気もしなかった。
だけど、それは思いのほか早く、抵抗を許さぬ強さでこの身に迫ってきていた。
まずは、足元に。そして、脳に忍び込む。

気付けば、「老い」はすぐそこに。
今でも抗ってはいるが、もうかなり侵食されている。
歩くことが少しシンドくなってきた。
芸能人の名前が思い出せない。
まずはそんなところから。
もはやそれは、遠い未来の話ではない。
恐れおののけ。

これは、何人たりとも逃れることの出来ない運命。
この世に生を受けたその時から、課せられた悲しい運命。
だから、まだそれが遠い足音であるうちに、やるべきことをやっておけ。
恐れおののきながらも、耳を塞がずにその音を聞き漏らすことなく、いつか追いつかれた時には、「待っていたよ」と受け入れて。

10/1/2025, 9:46:18 PM

まさに、喉元過ぎれば何とやらで、とっても過ごしやすい秋の夜。
執筆も捗る。
良し悪しは変わらないが。

これからしばらくは、暑さを言い訳には出来なくなる。
熱中症が怖くてサボっていたウォーキングも復活させよう。
とにかく、まずは動くことを心掛けて、夏の間にやらなかったことを全部やってやる…くらいの気持ちで。

美味いもんも食おう。
綺麗な景色も見たい。
会いたい人だっている。
秋の訪れとともに、生きてることを実感するほどに。
ホント、秋ってイイ季節だ。

だけど悲しいかな、
すぐに終わってしまう。
ハロウィンを過ぎたら、クリスマスやお正月は冬真っ只中。
日々満喫しないとな。

朝が来た。
秋の訪れを肌で感じながら、さあ、仕事に向かおう。

9/30/2025, 10:01:39 PM

バスに乗って、終点まで。
そこには、思い出のカレー屋さんがあって、あの頃と同じ匂いを辺りに漂わせている。
あの頃、この店のカレーライスが大好きで、毎日のように通っていたのに、いつのまにか来なくなった。
家からの距離が遠いのもあったし、近所に新しく美味しい店がいくつか出来たことも理由か。

…いや、一番の理由は、あの娘と別れたショックだったのかもしれない。
しばらく出歩けない日々が続き、食事のために終点までバスに乗る気力が無くなったというか。
二人で食べに来たことはない。
彼女がそんなにカレー好きでもなかったし、心のどこかで、この店は自分のお気に入りとしてしまっておきたかった。
だから、彼女との思い出が邪魔をしていたというわけではない。

店の扉を開けると、懐かしい光景が広がっていた。
あの、一番奥の窓際の席、いつも自分が座っていた席。
今日も空いている。
まるで自分待っていてくれたかのように。
…まあ、そんな訳はないのだが、引き込まれるようにその席へと向かう。
腰を下ろすと、そこからはもっと懐かしい景色が見えた。
この景色の中で、大好きなカレーライスを食べている自分がいた、あの頃。

あの頃は還らないが、自分はこの場所に帰ってきた。
何かを失ったりもしたが、まだここに、大好きなものがある。
いつか、この場所を失う日だって来るかもしれないが、きっと自分の旅は続く。
落ち込む日々もあるだろうが、立ち直れる時間や場所や好きなものがある限り、何度だって立ち向かうのだろう。
この旅を続けるために。

懐かしいカレーの匂い。
テーブルの上に、あの頃大好きだったカレーライスが運ばれてくる。
あの娘のことも大好きだったけど、彼女は僕の旅の途中で、あのバスを降りていった。
終点まで一緒にいられることはなかった。
カレーライスを口に運ぶ。
…やっぱり美味い!
これを味わうためなら、バスを終点まで乗り続けることも苦じゃないな、と素直に思えた。

僕の旅のキャラバンが、ゆっくりと前進を始めた。
ラクダの背の荷物に、この店のカレーライスを旅のお供として追加して。

9/29/2025, 10:14:23 PM

実家の押し入れにあった古いアルバムに、私が生まれる前に亡くなった祖父の写真を見つけた。
もちろんモノクロ。
当然私は、会ったこともない。
だから、その存在をリアルに感じることは出来ない。
でも、その存在があったからこそ、自分はこの世界に生まれ落ちることが出来たわけであり、色の無いモノクロで表現されたその人が、自分にとっていかに大切な人であったかを教えてくれる。

その人が、今の自分と同じように、家族に囲まれ、父親として君臨していた時代があったのだろう。
その時代の彼らは、決して白黒ではなかった。
今の私達と同じように、様々な色を身にまとい、様々な色に囲まれて生きていたはずだ。
でも、今を生きる私は、その姿を目にすることが出来ない。
モノクロの世界の人達。
もう決して、会うことも出来ない。

最近は、AIの技術で、白黒写真をカラー化することが出来るとか。
でもそれは、AIが推定した彩色であって、本物ではない。
そしてその推定が正しいかどうかの判断も出来ない。
それならば、その推定は自分の想像の中で行ってもいいんじゃないだろうか。
モノクロの写真に色彩を足してゆく。
そして、今は亡き祖父に当時の面影を蘇らせる。

未来はこれからやって来るが、過去はもう二度と訪れない。
そう考えると、実家に保管されたモノクロの写真達は、あの当時を記録する唯一の物証となる。
そして、それがモノクロであることもまた、その当時を表現するのにふさわしい配色となるのだろう。
まあ、そもそもモノクロームとは、単色を表す言葉であって、白黒写真は含まれないらしいが。

それはさておき、モノクロ写真、味があって好きだ。
色彩が足りない分、言葉で説明したくなるきらいがあるが。
本来は、静かに、アーティスティックに眺めるものなのかもしれない。

9/28/2025, 9:52:47 PM

永遠なんて、ないのかな?
どっちかってゆーと、これは永遠だよと判断する手段が無いだけな気がする。
実際のところが確かめられないってゆーか。
永遠はあるのかもしれない。
だけど、どの時点でも、これはこの先も永遠です、とは断定出来ないもんな。
なんかワケワカランくなってきた。

まあ単純に、永遠の愛とか永遠の友情、なんてものはない。
人が消えるのに感情が残るはずはなく。
だから、永遠なんて、ないけれど、今の自分の感情としては、これは永遠に続くものだと信じたいって気持ちはある。
まあ、自分が永遠じゃないんだから、信じたところでそれまた限りある話なんだけど。
うわ、もっとワケワカランくなってきた。

要するに、永遠の話なんか始めたら、永遠に終わらないってことだよな。
結論は永遠に出ない。
これは永遠だって判断するためには永遠に確認しなくちゃならないから。
あー、もうやめとこう。
やっぱり有限でいいや。
限りがあるからこそ、終わりがある。
イイことも悪いことも。
そして終わりがあるからこそ、今を頑張ろうと思える。

…そーゆーことだろ?

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