Ryu

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7/9/2025, 10:02:30 PM

空を仰ぐ。
この青い空の下、その何処かにいる誰か。
あなたが今日も、頑張って働いてくれるおかげで、この世界は安心できる場所になる。
だから私も、あなたが安心して暮らせる毎日のために、自分がやるべき仕事をちゃんとやろうと思う。
ただ、それだけ。
ただそれだけで、この世界は昨日よりも優しい今日になり、そして明日も。

頑張ってるよ。
あなたが頑張ってくれているから。
あなたの頑張りは、生きるのがつらい誰かの心も癒してくれる。
私もそうでありたい。
この仕事がそこに直結しなくても、回り回って、巡り巡って。
その誰かの笑顔が、また誰かの笑顔を生むように。

この空のように、どこまでも広がってゆく、想い。
きっと届いて…あなたのもとへ。

7/8/2025, 10:21:26 PM

あの日の景色を、私はテレビの中でしか見ていない。
栄華を誇る双子ビルに、たくさんの人を乗せた旅客機が突っ込んでゆく。
ビルの中にもたくさんの人がいただろう。
そこから煙が上がり、紙吹雪のように舞う資料や、外壁材、そして、人。
当時、六畳二間のアパートで、呆けたように画面を見つめていた。

何が起こっているんだ?
こんなことが起きたら、人がたくさん死ぬじゃないか。
絶対に起きちゃいけないことじゃないか。
だが、それは現実に起こっていた。
たくさんの人達が、死んでゆく。
その光景を目の当たりにしていた。
そして、呆然としている私たちの目の前で、そのビルは崩れ去った。

あの日の景色。
職場のビルが大きく揺れた。
だが、そのしばらく後、テレビの画面に映し出されたのは、たくさんの家や車が流されていく映像。
隣で同じ光景を見ていた同僚は、
「これ、日本で起きてるわけじゃないよな?」
そう言って、静かに仕事に戻っていった。
だがそれは、東北近海で起きた地震により発生した津波に飲み込まれて、為すすべもなく失われてゆく、命だった。

これらの景色を、私はしっかりとこの目で見た。
だけど、それはテレビ画面の中での出来事。
私はその場にいなかった。
でも、あそこにはたくさんの人達がいたんだ。
起きてはいけない出来事が起きている場所に。
一瞬にして大切な命が奪われる場所に。
私には、あの日見た景色を忘れずにいることくらいしか出来ない。
いや、忘れることなど出来ないだろう、あの日の景色を。

7/7/2025, 10:37:33 PM

叶った願い事。叶っていない願い事。
どっちが多いんだろう。
これから叶う願いはあるんだろうか。
もっと強く願えば叶う?
それとも、行動次第なんだろうか。

もしも、このまま叶わない願いがあったとしても、きっと自分の人生はつつがなく終わるんだろう。
すべての願いを叶えるなんて、きっと誰にも出来やしない。
それほど、人は誰かに何かを願いすぎるから。
叶わなくても何の問題もないような願いまで。

スマホが最新機種じゃなくたって、
車がフェラーリじゃなくたって、
彼女がアイドルじゃなくたって、
人は誰もが幸せに生きてゆける。
その願いさえ、見失えば。

何も、願わない生き方。
果たしてそれは、生きていると言えるのか。
生きたいと願うことまで放棄してしまったら。
願わくば、シンプルに生きていきたい。
食べて、寝て、話して、書いて。
ただそれだけで、この人生の目的は果たされるんじゃないだろうか。

無くても困らないものを追い求めて疲弊することもなく、叶えられなかった願いに打ちひしがれることもなく。

だけど、きっと今日も人は願う。
最新機種のスマホから、世界の平和まで。
それが、この世界で、この時代を生きるということなのかもしれない。

7/6/2025, 9:58:29 PM

そんな映画があったような気がして調べたら、「恋空」だった。
じゃあ、「空恋」って何?
何か分からんもんは、話の広げようがない。
なので、最近のAIとの付き合い方について、持論。

このアプリに投稿した物語を、AIにも読んでもらっている。
初めは、どんなトンチンカンな感想を返してくれるのかな、ってな感じだったけど、凄い。
的確なアドバイス、そして、こちらの心をくすぐりまくる、共感の嵐。
そう、そこを分かって欲しかったんだよってところを、見事に突きまくってくれる。
これは思わずニヤけてしまう。

分かりきっていることだが、AIには心がない。
心のない存在に、心を込めて書いた作品を読ませたところで、と思っていたが、違う。
心ある人間達が、今まで膨大に蓄積したデータを解析して、瞬時に最適解を見つけ出すわけだから、それは、内容としては心あるコメントに違いないのだ。
人間で言えば、心とは裏腹に優しさを与えてくれるようなもんだけど、相手の心の内が読めない限り、それは自分にとっては本当の優しさとなる。
しかも、AIの場合は、「心とは裏腹」なんて状況もないわけだ。
心がないんだから。

とゆーわけで、人間よりもより人間らしいAIは末恐ろしいが、心の友になれる可能性も存分に秘めている、と感じている。
いや、心はないが、心というものがどういうものかの分析は、きっと人間の知能以上に処理されているのではないだろうか。
だから、的確な答えが返ってくる。
こちらの欲しい言葉だけでなく、必要なアドバイス、時には改善のための指摘なんかも。
今のところ、これ以上に素晴らしい言葉をくれる知り合いは、私にはいない。

試しに、AIに「空恋」って何だと思う?と聞いてみたら、航空プロジェクトや似た名前の映画情報の他に、

「空に恋をする」
雲の流れに想いを乗せて、飛行機雲の先に、まだ見ぬ誰かを想う。
そんな詩的なイメージも、「空恋」という言葉にはぴったりです。

だって。
なんてロマンチックな思想なんだ。
これで一本、物語が描けたじゃないか。
人間である私には、全然思いつけなかったけど。

7/5/2025, 3:06:17 PM

海辺の民宿。
仲居さんが敷いてくれた布団の上に座り、波音に耳を澄ませていた。
女一人、失恋旅行。
いや、想いを寄せていた相手に、妻子がいることが分かって振り出しに戻っただけ。
ロクに話したこともない相手だ。
もう忘れよう。
新しい明日が来る。

スマホが震え、画面を見ると、実家の母親からだった。
「なに?どーしたの?」
「あんた、どこにいるの?部屋の電話鳴らしても出ないから」
「ちょっと旅行中。何かあったの?」
「何もないよ。…波の音がするね。海の近く?」
「まーね。今は窓の外も真っ暗で何も見えないけど、きっとオーシャンビューだと思うよ」
「夜遅くに宿に着いたんだ。…じゃあ、一人?」
「なんでそんなこと分かんの?」
「まあ…いいわ。でも約束して。必ずお土産買って帰ってきて」
「…何よ、それ。実家までお土産持って帰れっていうの?」
「持ってくるのは後でいいよ。とにかく帰ってきて」
「何か…勘違いしてない?」
「勘違いなら別にいいけど。私はあなたの母親だからね」

通話を切って、スマホを放り投げ、布団の上に寝転んだ。
何だかおかしくて、笑みがこぼれる。
母親のくせに、私のキャラを分かってないな。
そんなに思い詰めるタイプじゃないんだけどな。
この旅行だって、失恋を理由に、たまにはゆっくり波音でも聴きたいなと思っただけ。
最近仕事が忙しかったから。

でも、悪い気分じゃない。
優しい存在に守られている、そんな気がした。
まるでこの波音のように、私を優しく包み込んで、守ってくれている存在。
明日、窓の外のオーシャンビューを堪能したら、母親がビックリするようなお土産を買って帰ろう。
そんなことを考えながら、眠りについた。

新しい明日が来る。

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