最近、AIに俄然興味が湧いてきた。
質問に答えたり、文章を作成したり、絵を描いてくれるのは知っていたが、音楽まで作ってしまうとは。
このアプリ上にも、今まで自分なりの歌詞っぽいものを投稿してきたつもりだが、それをAIに投入するだけで、耳障りのイイ素敵な曲を作り出してくれる。
そして、AIがちゃんとした人の声で歌ってくれる。
素晴らしい。
なんか、長年の夢が叶った気持ち。
ますます、作成意欲が湧いてくるってもんだ。
次は動画かな。
これから、このAIワールドはどうなっていくんだろう。
たくさんの人の夢を叶えてくれるのだろうか。
それとも、人の存在意義を脅かし始めるのだろうか。
もう、アーティストなんて不必要な時代が来るのでは?
…なんて疑問を口にしたところ、美大に通う娘が、
「AIの作品なんて、心に響いても、刺さらないんだよ」
と、芸術評論家っぽいことを言っていた。
頼もしい。
まだまだ、知らない世界はやって来る。
知らないからこそ人は、不安とともに期待に胸を膨らませる。
そーいえば昨日、「侍タイムスリッパー」という映画を観た。
その名の通り、侍が現代にタイムスリップして、殺陣を習って斬られ役をやっていた。
未来の世界に突然放り込まれ、大きな不安を抱えながらも、豊かで便利なこの時代に感激していた。
そういう時代に自分が生きていることに、感謝したくなった。
AIとともに未来は変わっていくのだろうか。
AIはその可能性を秘めている。
そこに少し触れてみただけで、こんなにワクワクする。
きっと今後も、新たな技術に出会い、胸躍らせる瞬間があるのだろう。
あって欲しい。
そんな未来を失うことなく、このまま迎えられることを心から願う。
まだ知らない世界だからこそ、何が起こるのか、不安と期待を抱えて、受け入れ立ち向かっていきたい。
たとえいくつになっても。
あーこれ分かる。
手放すのって勇気いるよね。
モノによるけど。
あとで後悔しないか不安になる。
かと言って、エイヤッ!で手放さないと、いつまでもズルズルと引きずることになったり。
手放してしまえば、それはそれでスッキリするんだけどね。
三ヶ月くらい前かな、お気に入りの模型を処分した。
かなり大きくて持て余したのもあるけど、遊び飽きたってのが本音かな。
でも、いざ手放すとなると躊躇しちゃうもんで、なんせ、模型と一緒に生き物も飼ってたからね。
うん、その模型で生活してた生き物がいてさ、それをペットとして飼ってた。
え?何の模型かって?
んーとね、確か、チキュウって星の惑星模型。
うん、パパが持ってきてくれたんだ。
家のガレージに置いてあったんだけど、さっき言ったように大きいし、その生き物達の中に、ミサイルなんかを飛ばす奴が出てきてさ、ガレージの扉に傷作って、パパがカンカンに怒っちゃって。
そう、それで、ガレージセールの時に売っちゃったの。
まあ、二束三文だったけどね。
ああ、でも、生き物は売れそうになかったから、うん、まあ…処分したよ、別の方法でね。
どういう方法かは、パパがちゃんと教えてくれないんだ。
でもまあ、たぶん、焼却じゃないかな。
なんせ、80億匹くらいいたからね。
まとめて処理できるのは…ねえ?
それを手放すのには、ホント勇気が必要だったよ。
パパと相談して、ちゃんと意見を聞いてくれた。
もう少し持っていたかったけど、パパが言ったんだ。
「この星の生き物達は、きっとこれからもっと悪くなる」って。
それで決断したってわけ。
確かに、模型のいたるところで喧嘩が起きててね。
仲良く出来ないんなら、ペットとして観察しててもあんまり面白くないかなって。
自分達で殺し合ったりもしてたし。
模型を壊そうとする奴もいたしね。
さっきも言ったようにミサイルで。
ホント、困った生き物達だったな。
それで、手放すことに決めたわけ。
暗闇で輝いていたからこそ、やらかして消えていく時の落差が激しくて、悲惨極まりないこともある。
例えば、人気絶頂アイドルのスキャンダルとか、人気絶頂俳優の不倫とか。
まるで、天国から地獄へ。
もちろん、それはこっちからの見え方で、実際にはもともと天国なんかじゃなかったのかもしれない。
彼らは彼らで、それなりに大変な日々を送っていたのかもしれない。
でも、何かと話題の暗いこの世の中で、画面の向こう側はいつも輝いていた。
そしてその世界にいる彼らの姿も。
羨望や妬ましさがあるからこそ、世間からの風当たりは強い。
自分達が同様のことをしたとしても、自分達の話し合いや金銭のやり取りだけで終わるようなものを、見も知らぬ相手からの誹謗中傷の嵐。
彼らはまた、暗闇を照らす光となり得るのだろうか。
世間はそう簡単に忘れてくれはしない。
だけどきっと彼らは、輝ける何かを持って生まれた存在なのだろう。
その明かりで、この世界の暗闇を照らしてくれていたことも事実。
自分達も含めて、イイ感じで明かりを灯していけばいいんじゃないかと思う。
輝きすぎるのも、人からの関心を集めすぎて、それだけ過度の期待や理想を押し付けられることになる。
彼らだって同じ人間だ。
きっと自分達と同じことをする。する時もある。
消灯してしまっても、誰もがまた、ゆっくりと明かりを灯せる世界であって欲しい。
光輝かなくていい。
皆で暗闇をぼんやり照らせば、それはきっと、世界の優しい一面を浮かび上がらせる。
今朝も、通勤電車の中で深呼吸。
最近平気だったのに、昨日の朝、突然不安に襲われた。
まだこんなことやってるんだと自分に呆れたけど、こればっかりは仕方がない。
大丈夫だ、と言い聞かせても、大丈夫じゃないかも、と心の奥がつぶやく。
どちらの自分も自分を守ろうとしてるから、聞き捨てることが出来ない。
喉元に不快感が立ちのぼってきて、何だか酸素が足りない気がしてくる。
これはやっぱり、ずっと付き合っていくもんなのかな。
頻度とか、程度の面では良くなってきてると思うけど、今回のように、不意にその時はやってくる。
終わりなんてないのかもしれない。
まあそれでも、全盛期だったあの頃に比べれば、ホントに生きやすくなったと思う。
仕事を辞めるしかないのか、とまで思い悩んだあの頃に比べれば。
ここまで頑張れて良かった。
これからも頑張れる自分でいて欲しい。
この世界に酸素があれば、呼吸が出来る。
呼吸が出来れば、人は今を生きられる。
たかだか満員電車の中で、酸素を失う心配をする必要なんてない。
そうだろ?と自分に言い聞かせて、今日もまた通勤電車に揺られている。
深呼吸とともに、消えない不安を感じながら。
こうして波に漂っていると、幼い頃のこと、思い出すんだよな。
幼い頃って、いくつくらいのこと?
さあ…でも俺、家族で海に来たことなんて無かったし、海を初めて見たの、大学生ん時だから。
…じゃあ、その思い出は何なの?
…何なんだろ?それこそ、母親のお腹の中にいた時の記憶だったりして。羊水の中でたゆたう赤ん坊、みたいな。
そんな頃のこと、覚えてるもんかな?
どーだろ?…ああ、でも俺、難産だったらしいから、母親への罪悪感で記憶してんのかも。こっちの世界に来たら、居心地が良かったこと伝えようと思って。
…何それ?こっちの世界って…気付いてるの?
気付く?何を?
昨日は波が荒かったからね。泳ぐのは危険だって言われたのに。
…そーだったね。言われた。でも、彼女にイイとこ見せたくてさ。…そーいえば、俺の彼女は?一緒に泳いでたはずなんだけど。
彼女は無事だよ。一命を取り留めたの。良かったね。
…え?彼女、何かあったの?なんで俺がそれ知らないの?
知ってるはずだけどね。知らないままでいたいのかもね。
どーゆーことだよ。てゆーか、お前、誰?なんで俺の手を引っ張って沖の方へ連れて行くの?
…覚えてない?あなたが生まれる時も、私が案内したんだよ。
生まれる時って…さっき言った難産の時?あの時の看護師さん?
違う。母親のお腹から出る時じゃなくて、母親のお腹の中に生まれた時。あっちの世界に、あなたの存在が芽生えた時。
…えーと、俺は…死んだの?
どうして分かったの?今の言葉に何かヒントがあった?
いや…こんな異常な状況、それくらいしか思いつかないよ。それにお前、天使ヅラしてるもんな…羽はないけど。
どうして私が天使に見えるの?羽もないのに。私はただ、あなたを案内する役を頼まれただけ。生まれた時と、死んだ時のね。
俺の人生の始まりと終わりを?確かに短い人生だったけど、なんでまたそこまで。
こうやってね、生まれ変わりを待ってるんだよ。私はあなたのお世話をして、そしてあなたの近しい存在として生まれ変わるの。
俺の…近しい存在?それって…。
あなたの彼女、妊娠してるでしょ。ホント、助かって良かったね。
…え?嘘だろ…?
まだ、あなたのことをお父さんとは呼べないけど、きっとこれからそうなるの。あなたから見たら天使みたいな赤ちゃんが生まれるよ。…そう見えたんでしょ?
俺は…会えないのか?
会えたじゃん。でもどうせあなたも私も、それぞれの世界に行ったらすべて忘れるんだよ。思い出は、この記憶の海に沈んでゆくの。だからお母さんのこと、思い出したのかもね。
ちょっと…待ってくれ。
…ごめんね。もうすぐあなたのことも忘れるよ。そうしないと、次の人生を生きていけないから。あなたも向こうで生まれ変わりを待って、またどこかで、どんな形か分からないけど、会えるかもしれない。
…分かった。幸せになれよ。俺、見守ってるから。きっとまた会いに行くから。
ありがとう。じゃあ、次の波が来たら、さよならね。待ってるからね…お父さん。