Ryu

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10/2/2024, 12:04:11 PM

我が家で起きた奇跡。
娘がまだ小学生の頃だったか、ショッピングモールの雑貨屋で、当時好きだった「おそ松さん」のフィギュア入りのお菓子を買いたいと言い出した。
それは箱に入れられていて、ひとつの箱に一人のキャラクターが入っているが、六つ子の誰が出るかは開けてみるまで分からないというシロモノ。

勘のイイ方はもうすでに気付かれていることと思うが、そう、そのお菓子を無造作に六つ選び、家に帰ってひとつずつ開けてみると、六つ子全員が揃ったという…まあ、改めて書くとそんなに大したことでもないんだが、いや、でも、これを達成できる確率はどれくらいだろう。
お店に箱は数十個あった。
その中から六個だけランダムに選んだ。
箱の外にヒントはない。

…数学は苦手です。とゆーか、確率計算を披露して、頭っから間違ってたら赤っ恥だ。やめとこう。
ただただ、我が家にとっては奇跡だった。
子供も大喜びだったし、六人全員を並べて飾るのは感慨深いものがあった。
ほんの少しだけ、我が子はツキに恵まれてるんじゃないか、今後も万事において上手くいくんじゃないか、なんて親バカを発動したことも否めない。

その後、娘が取り立てて運が良かった訳でもない。
いや、可哀想になるくらいツイてないこともあったような…まあ、それが人生ってやつだな。
あの奇跡をもう一度とは思わないが、あの夜の興奮は今思い出しても特別だった。
人は、どんな些細なことでも、暮らしの中に小さな奇跡を生み出して、それを心の糧にすることだって出来るんだと教えてくれた。

そして、おそ松さん、第4期制作決定おめでとう!

10/1/2024, 12:04:34 PM

今日も一日が終わる。
黄昏れ時、仕事帰りの電車に乗って、一日の疲れを感じるとともに、終わりゆく今日という日を想う。

どんな日だったかな。
いくつかの失敗もした。
誰かに喜んでもらえる行動も取れた。
でも、あの言葉は無意識で、彼を困らせたんじゃないだろうか。
今になってそんなことを思う。
何も覆せやしないのに。

電車の窓の外のたそがれは、
「それでも、今日一日頑張ったんだよ」
と、伝えてくれる。
こんなにきれいで、こんなに優しくて。
スマホを見る目を上げて、遠くのビルの背景を染める夕焼けを眺めた。
たくさんの人達の営みが作り上げた世界を、暖かいオレンジ色が照らしている。
この世界に生きていて良かった。そう思える時間だ。

気持ちもたそがれて、でも悪い気分じゃない。
明日への希望さえも感じながら、今日の疲れを癒すべく、家に帰ってゆっくり休もう。
黄昏れ時。誰そ彼時。
彼だけじゃなく、自分が誰であったかも忘れて、ぐっすり眠りたい。
そして、明日はまた新しい自分で。

9/30/2024, 12:02:04 PM

きっと明日も、何かを書き残す。
スマホなんて便利なものが出来てから、毎日何かを書き残してる。
何の意味もない、思いの垂れ流しだったりもするけど、それはそれで、自分を正直に表現したものとも言えるし、発散にもなってストレスが解消される…こともある。

人は日々、いろんな思いを心に生み出して、きっとどこかでそれを吐き出す必要があるんだと思う。
言葉にして誰かに話すのもいいけど、相手と場所が必要な訳で、相手を間違えたり、場所を確保出来なかったりすれば、それはさらにストレスを溜める事態にもなりかねない。

それならば、書こう。ただ、書き残そう。
別に、誰かに話して明確なアンサーをもらいたい訳じゃない。
答えなんてないような戯言ばかりだし。
一方通行だっていいんだ。ただ、伝えたいんだ。
地球の片隅に、こんなどーでもいいことをぼんやり考えている男がいるということを。

だから、きっと明日も、私は何かを書き残す。
このアプリに。
採点されることも、酷評されることもない。
書きたいことを書いたら「OK」をクリックして、あとは野となれ山となれ、だ。
もしも誰かの目に留まれば、❤のご褒美だってある。
好き勝手書いただけなのに、世の中には奇特な人がいるもんだ。

いつか、もしかすると思いのほか早く、この習慣に飽きる、もしくは音を上げる日が来るかもしれない。
そんな日が来たとしても、誰かに咎められることもなく、生活に困窮することもなく、きっとひっそりとここから消えていくのみ。
今日も明日も、私達は自由なんだ。
スマホとアプリ、これがあるだけで、どんな思いだって吐き出して誰かに伝えることができる。

でもだからこそ、他人を傷付けるようなことがないように、自分が発信する内容には十分気を付けなきゃいけないんだな。
奇特って表現は…褒め言葉だよな?

9/29/2024, 3:54:16 PM

目を覚ますと、見覚えのない部屋。
何もない床の上に横たわっていた。
確か…パチンコの帰り道、負けてイライラしながら、地下鉄の階段を降りていたところまでは覚えてる。
電車には乗っただろうか。
そこの記憶はない。

静寂に包まれた部屋。
誰もいない。
壁は白く、窓も…扉もない。
そんな馬鹿な。
どこから入ってきたというのか。

天井の片隅に、小さなスピーカーがあるのに気付いた。
突然、静寂を切り裂くように、聞き覚えのない男の声が響き渡る。

「どーですか。少しは反省しましたか?」
「反省…?何の話だ?」
「困るんですよね。好き勝手やられちゃ」
「だから何の話だよ。お前は誰なんだ」
「私ですか?私は、あなたの…」
ザザザ…ガガガ…ノイズが混じり、聞き取れない。
「おい、どーでもいいからここから出せ!」
「…ご自由に、どうぞ」

見ると、部屋の片隅に、いつの間にか扉が出現していた。
立ち上がり、扉に向かって走り出す。
とにかく、ここを出ることしか頭になかった。

扉を開け外に走り出ると、そこは線路の上。
すぐ目の前に電車が迫っていた。
振り返って目にしたその扉には、
「リトライ待機部屋」
と書かれたプレートが。
そうか…あいつは俺の…プレイヤー…
そこまで考えたところで、眩い光とともに、かつてない衝撃が体に降り注いだ。

9/28/2024, 12:02:20 PM

別れ際に、大きく手を振った。
遠く離れてゆくあなたに、いつまでも見えるように。
バスの後部座席で振り返るあなたの淋しそうな顔。
きっとまた会えるから、涙は見せないで。
きっとまた会えるから、サヨナラは言わないで。

今頃どうしているかな。
向こうで、友達は出来たかな。
美味しいご飯を食べてるかな。
また今度あなたに会う時は、きっと少し大人になっているはず。
それでも、私の知っているあなたでいて欲しい。

「ただいま!」
あなたの元気な声。
幼稚園バスを降りて、私のもとへ走ってくる。
今日一日、楽しかったみたいだ。
明日の別れ際には、淋しい顔は見せないで行けるかな。

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