こんなはずじゃなかったと思う一日だったけど、
そんな一日ももうすぐ終わるから。
美味しい夕飯食べて、
軽くお酒とか飲んで、
ゆったりとお風呂に浸かって、
のんびりYouTubeでも見て、
ぐっすり眠ろーか。
今日辛いことがあった分だけ、
明日はきっとイイ日になるよ。
だから大丈夫。
今だけはそう信じよう。
幸せな眠りにつくために。
それではまた明日。
このフレーズを使うなら今しかない。
明日になる前に、それではまた明日。
ドラえもんが透明マントをくれた。
背中に羽織ったら、周りの誰にも気付かれない存在になれた。
いや、存在すらしていないのかもしれない。
「これで…どうしろと?」
ドラえもんは寝転がった三日月のような口で笑いながら、
「君の好きなようにしたらいいよ」
まずは、男の憧れを現実に。
詳細は省く。
でも、誰にも気付かれないから虚しさの方が強くなってくる。
しずかちゃんなら悲鳴を上げてくれるだろうか。
「キャー!のび太さんのエッチー!」って。
それが男の憧れだったりもする。
お金を手に入れるあれやこれやも考えた。
でも、所詮は小学生だ。
親の財布からお金を抜くとか、駄菓子屋のレジからお金を盗むとか。
「小学生だろうが、それ立派な犯罪だからな」
三日月の口が言う。
「分かってるよ。たとえバレなくたって、僕の良心が許さないからね」
男の憧れは満たそうとしたくせに…と言いたげな三日月。
「で、どーするんだ?」
「そーだな、ジャイアンとスネ夫にいつもの仕返しかな」
「セコいな。透明にならなきゃ勝てないのか?」
「だって僕はのび太だよ」
「だから何だ。自分に自信を持てよ」
そして、ボコボコにされた。
透明マントを羽織って、誰にも知られずに咽び泣く。
「そこにいるのは分かってるよ。戦えたじゃないか」
「ほっといてくれよ。僕なんか存在してないんだ」
「君ほど世話が焼けて、存在感のある人間はいないよ」
「褒めてるのか貶してるのか、よく分かんないよ」
青い満月に赤い三日月。未来の世界の猫型ロボット。
「そんなもん、いる訳ないか」
部屋に閉じ籠もって、周りの誰にも気付かれない存在になる。
どんなもんだい僕、透明人間。
マントなんてなくたって、ひみつ道具がなくたって。
夜空には黄色いお月様。明日は晴れるかな。
しずかちゃんからのLINE。
「明日こそ、学校に来てね」
さすが未来の僕の奥さん。こんな僕に気付いてくれた。
彼女に会いに、学校に行ってみようかな。
ジャイアンやスネ夫にも、リベンジがしたいし。
赤いお鼻の猫型ロボットは、僕達の未来は透明だって教えてくれた。
何の色にも染まらず、白いキャンバスに描いていくようなもんだって。
そうかもしれないな。
僕がしっかりしなきゃ、未来の奥さんだって失いかねない。
そして、僕達の努力次第で未来は変わっていく。
ありがとう、ドラえもん。夢は叶うと教えてくれて。
理想は理想であって、現実とはかけ離れていて、手が届かない。
だから追い求めるけど、手に入れたと思っても、より高みの理想が現れて、結局永遠に追い求め続けることになる。
気付けば、最初の理想だった存在を自分が追い越してたりするけど、もうすでにそれは今の自分の理想ではなく、どれだけ頑張ったって理想の自分にはなれない。
まあ、なれてしまったら、すでにそれは理想ではないもんな。
つまりこれは、人間の欲が生み出す存在ってこと。
理想の相手を作った時点で、ありのままの自分を否定することになる。
いや…理想を抱く自分が、ありのままの自分なのか…。
いずれにせよ、ありのままの自分とは程遠い場所にいるのが、理想のあなたということ。
個人的には、理想は手に入れるものじゃなく、高みに置いて憧れるものであって、理想はいつまでも理想のままであることが理想なんだと思う。
…ヤバイ、よく分かんなくなってきた。
いつも行き当たりばったりで書き始めるから、だいたい途中で収拾がつかなくなる。
これじゃホント、理想には程遠いな。
通勤の電車には様々な人達が乗っていて、この中には、自分が理想とすべき存在がいるのかもしれない。
だけど、ホントの他人の心の内なんて分からないし、上辺だけ繕ってる人だってきっといる。
それならばもう、今の自分がいつだって理想の姿だと刷り込んで、より高みを目指すことだけ考えればいいのかも。
追い求めても手に入らないんであれば、もうすでに我がものにしてますよ作戦で。
アラを探せば矛盾だらけの文章だけど、まあ、大きすぎる欲を持つのも理想的とは言えないから、足るを知って尚且つ向上心があるくらいがベストかな、と。
ほら、高すぎる理想を持つと、虚しくなったりするし…身のほどを知ることも大切だよね。
…とか、アユネクを見て励まされてる人間が言うことじゃないな。
矛盾が過ぎる。
こんな矛盾のない、理想的なあなたになりたい。
9.11 同時多発テロの追悼集会で朗読された詩、『最後だとわかっていたなら』。
これを聞いて、涙が止まらなかったことを覚えている。
あなたがドアを出て行くのを見るのが
最後だとわかっていたら
わたしは あなたを抱きしめて キスをして
そしてまたもう一度呼び寄せて
抱きしめただろう
その詩の一節だが、これは、いつの日も忘れてはいけない想いだなと改めて思った。
家族として暮らしていれば、そりゃあ喧嘩だってする。
だけど、険悪なまま言葉も交わさずに送り出して、そのまま帰って来なかったら?
どれだけ後悔してもしきれないだろう。
もちろん、言葉を交わしていれば平気という訳ではないが、私達は何が起きてもおかしくない世界で生きている。
いつ突然の別れが訪れても、精一杯の自分で接していたと言えるようでありたい。
運命を前に、私達の出来ることはそれくらいだから。
スティーブ・ジョブズは言った。
「今日が人生最後の日だったら、今日やろうとしていることをやりたいと思うか」
ジョブズは仕事も含めて話したのかもしれないが、私が人生最後の日にやりたいことは仕事なんかじゃない。
真っ先に家に帰って、家族との精一杯の時間を過ごすだろう。
普段の生活では、頭を過ぎらない突然の別れ。
だがそれはいずれ、必ずやって来る。
それを見据えて、どう生きるか。
私はただ、自分という人間を偽りなく表現して人と接していこうと思う。
それしか出来ない。
恋をすると生きるのが楽しくなる。
そして時には生きるのが辛くなる。
そのために他人に危害を加える人もいるし、
自分の命を絶ってしまう人だっている。
恋なんてしなけりゃのんびり生きられるのにな、そう思っても人は恋をする。
不意に人を好きになってしまうんだから仕方がない。
あの人が自分の隣で微笑んでくれて、個人的な話や悩み事なんかも相談してくれて、好きだよって言ってくれて、体を寄せ合って唇で触れ合って、その先を想像なんかしたらもういても立ってもいられない。
バカみたいだね。
発情期の猫と一緒。
もうそれしか考えられなくなって、猪突猛進の日々。
後から考えれば赤面するしかない黒歴史にもなり得るが、その時の自分はそんな未来を微塵たりとも思い描かない。
しゃーないね。男も女も、そーなるように出来ている。
そんな黒歴史を美化するために、数多ある恋物語が作られるんだと思う。
恋に恋い焦がれるようなストーリー。
そんな訳あるかい!とツッコミを入れたくなるようなストーリー。
そんなもんで溢れ返る世界。お金がどんどん流れてゆく。
バレンタインやクリスマスは、格好の稼ぎ場。
少なくとも、我々日本人には単なる平日でしかないはずの一日が、何か特別なものであるかように思い込まされる。
昔、クリスマスの夜に友達と街を歩いていたら、彼が目の前にあるホテルを見上げながら言った。
「なんか、建物全体が揺れてるように見える」
何も悪いことじゃない。
愛で遊ぶのはどーかと思うけど、人は、いや生き物はそーやって命を繋げてきたんじゃないだろうか。
だから、本来の恋物語は、決して二人だけの世界ではなく、そこから広がっていく人間の繋がりを描くべきなんじゃないかと思う。
赤面するような黒歴史はたくさんあるけど、そのおかげで今があるんだろうな。
猪突猛進の日々が、少しでも未来への存続に貢献してるなら、まあ、人間として生き物としての本懐には違いない。
人に話せるような美しい恋物語はなくとも、ここまで積み上げてきた人生の物語は、胸を張って話せる自分でありたい。