9.11 同時多発テロの追悼集会で朗読された詩、『最後だとわかっていたなら』。
これを聞いて、涙が止まらなかったことを覚えている。
あなたがドアを出て行くのを見るのが
最後だとわかっていたら
わたしは あなたを抱きしめて キスをして
そしてまたもう一度呼び寄せて
抱きしめただろう
その詩の一節だが、これは、いつの日も忘れてはいけない想いだなと改めて思った。
家族として暮らしていれば、そりゃあ喧嘩だってする。
だけど、険悪なまま言葉も交わさずに送り出して、そのまま帰って来なかったら?
どれだけ後悔してもしきれないだろう。
もちろん、言葉を交わしていれば平気という訳ではないが、私達は何が起きてもおかしくない世界で生きている。
いつ突然の別れが訪れても、精一杯の自分で接していたと言えるようでありたい。
運命を前に、私達の出来ることはそれくらいだから。
スティーブ・ジョブズは言った。
「今日が人生最後の日だったら、今日やろうとしていることをやりたいと思うか」
ジョブズは仕事も含めて話したのかもしれないが、私が人生最後の日にやりたいことは仕事なんかじゃない。
真っ先に家に帰って、家族との精一杯の時間を過ごすだろう。
普段の生活では、頭を過ぎらない突然の別れ。
だがそれはいずれ、必ずやって来る。
それを見据えて、どう生きるか。
私はただ、自分という人間を偽りなく表現して人と接していこうと思う。
それしか出来ない。
5/19/2024, 9:48:08 PM