次郎

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7/20/2025, 3:37:59 PM

『今を生きる』

もう、過去の事は忘れて

今を確実に生きていられたのなら

私は、この世に居なくたって良い。


もし、私が産まれなかったとしても

それは、あなたには分からない事。

だって、それは

出会わなかった事と同じだから。


だから、私と出会わない道があったとしても

もう、振り返らないで


私の目線の先を、どうかもう気にしないで


過去は、やり直せないなんて分かりきった事で

もう、悩まないで

あなたが進むその道筋を見て欲しい


ねえ、あなたの心に照らす光が無くなるのなら

『ごめん』って

もう、思わなくてたっていいんだよ


あなたには

『幸せが何処かにあるはずだから、

振り返らずにただ生きてほしい』

7/8/2025, 3:06:46 PM

『あの日の景色』

小さい時、母が漕ぐ自転車の

後ろに乗っていた景色の中で、

夜風共に揺れながら

いつまでも追いかけてくる月を

不思議に思いながら

見ているのが好きだった。


私の家族は大人数で

母はいつもいつも忙しそうに

目まぐるしく動いていた。


その上、兄弟が年子だったから

一番下の私の相手をしている余裕もなくて

唯一、買い物に行く時にだけ母と二人。



自転車に夜風に揺られながら、

今日の月はどこまで追ってくるんだろうと

母の背中にしがみつきながら考える時間が

小さな私の思い出。














4/4/2025, 6:10:54 PM

『桜』

桜の花びらが舞い上がり

ふと見上げると

あなたの何処か寂しそうな表情が見えた

あの時は分からなかったけれど

今、思うと

寂しそうな表情は、

これからを憂いていたように思う


来年の春には、この景色が見れないかも知れないと

心の何処かで気付いていたのだろう

なのに、どうして、私は、

あなたのその気持ちに

気付いてあげられなかったのかと

桜が舞う季節には思い出しては苦しい


いつかはと分かっていたのに、

私は、目先の事に囚われて

舞い上がった桜の花びらが

地に落ちて行くのをただ見ていただけ


せめて、あなたの手のひらに

舞い降りたのなら

思い出すあなたの顔は

どんなだったのだろう

2/20/2025, 3:54:28 PM

『ひそかな想い』

私が何故、一人で居るのが好きなのか理由がある。


友達や好きな人は居るけれど

その人達には

私の側にいて欲しいとは思わない。



生きてるものにはいつか終わりが来るように

私の人生もいつかは終わりが来る。


それがいつかなんて分からないのは

誰もが同じ事だけれど


私は、私が居なくなった時の事を考えてしまう

誰かが居なくなった寂しさや苦しさを

知っているからこそ

特別な誰かには隣に居て欲しくない。


思い出が沢山ある程辛くて苦しい

その思い出の中の私には

元気だった私で居てくれる方が

私が居なくなったとしても

すぐに、ただの思い出になってくれるから


人の本当に死ぬ時は

忘れられる時と良く言われるけれど


私は、ずっと、誰かの心の中に

居続ける方が苦しいと思っている。


それに、心に居続けるのは

辛い思い出の方がずっと長い。


もし誰かが、

ふと思い出してくれた時の私は

暗い顔で居るより

元気な私で居たいのだ。

12/23/2024, 2:52:28 PM

『第三話』


二人で借りていたアパートから

引っ越し準備をしていると

あの人の荷物は、ほぼ無かった事に気付いた。

私が気付かないように少しずつ

減らしていたのだと今頃知った。


私は、いつからか変わって行っている事にも

気付かないふりをして

あの人の方を見ないようにしていた。

私の心を見透かされている

真っ直ぐの視線に

あの人と目線を合わせているふりを

ずっとして居たのだ。


悪いのは私の方だった。


『愛情や友情、恋情』

どれにも当てはまらない

あの人への感情は何と呼べば良いのか分からない。


でも、私の心の中には

情はあった事は確かなのだ。

あの人が居ない部屋は寂しいとも

悲しいとも思っている。

何と呼べば良いかは分からないけれど

決して、『嫌い』ではなかった。

あの人が悲しいと私も一緒に

泣ける位の感情は心にはあったのだ。


私は、あの人に置いて行かれた

あの人専用のマグカップを手に取ると

廃棄のダンボールに入れた。

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