『桜』
桜の花びらが舞い上がり
ふと見上げると
あなたの何処か寂しそうな表情が見えた
あの時は分からなかったけれど
今、思うと
寂しそうな表情は、
これからを憂いていたように思う
来年の春には、この景色が見れないかも知れないと
心の何処かで気付いていたのだろう
なのに、どうして、私は、
あなたのその気持ちに
気付いてあげられなかったのかと
桜が舞う季節には思い出しては苦しい
いつかはと分かっていたのに、
私は、目先の事に囚われて
舞い上がった桜の花びらが
地に落ちて行くのをただ見ていただけ
せめて、あなたの手のひらに
舞い降りたのなら
思い出すあなたの顔は
どんなだったのだろう
4/4/2025, 6:10:54 PM