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3/29/2026, 12:13:21 AM

"見つめられると"

学校の最上階、角の教室で私を表す番号が呼ばれた

私は返事をした、なんでもないように平常心を保って。
そのまま足が震えていないか気にしながら教壇を目指す

タンッと私の心と真逆な軽やかな音を出しながら足をかける

一際高い机の上に端末を置いて、隅から隅まで確認してミスや誤字がないことを確かめたスライドを出す

前のスクリーンに接続を行うが、手が震えていてうまくできない

この学校に入ってから、人の前に立つということは何度も繰り返しているはずなのに
なんでこんなことになっているのか、何かトラウマがあるというわけでもない

けれど人の前に立った時、私を見定めるような
針のように私を突き刺す視線はまるで針山にでもなってしまったような気分にさせる

頭から血の気が引いて、つま先から感覚がなくなっていく
誰にも気付かれないように素早く深呼吸をする

私の全てが固まってしまう前に、用意していたカンペをただひたすらに読み上げて
想定しているスライドが表示されているかを度々確認する

最後まで読み切ることができたら、終了であることを告げて静聴してくれたことに感謝を述べる

淡々とした拍手の中をするする抜けて自分の席に座れば、安堵から体の力が抜けて、冷えた体に熱い血液が回るのを感じた

3/27/2026, 2:15:42 AM

"ないものねだり"

あの子のように、周りに頼る力が欲しい

あの子のように、一人でなんでもできる力が欲しい

あの子のように、努力できる力が欲しい

あの子のように、才能で周りを黙らせる力が欲しい

あの子のように、何か秀でた自慢できるものが欲しい

あの子のように、文武両道なんでも器用にこなす力が欲しい


もし、私が他の人のように嫉妬の目を向けているように。
私が持っているものを誰かが見つけ出して私に嫉妬してくれる誰かがいるのなら。

何もできない役立たずな私なんかに思考のリソースを割いても時間の無駄だと教えてあげたい。

けど、そんな人は絶対にいないのだろうなぁと我に返って酷く虚しくなるから

今日はもうお休み。明日から頑張っちゃおう

3/25/2026, 1:17:44 PM

※やや強い表現があります
すみません🙇





"好きじゃないのに"

「尊敬してる」

ペラペラと御託のようにそんな言葉を繰り返すその口をホチキスで止める夢を見た

よく見る二つ折りになっているものを広げて、目の前で動き続ける口を無理矢理閉じて押し当てる


バツン


バツン 


バツン


バツン


たくさんたくさん打ち込んだ

抵抗するものの痛みと恐怖でろくに動かない
まるで赤子の手を捻っているよう

それは咄嗟に叫ぼうとする

口を動かすたび打たれたものが食い込んで、口元を赤く染め上げる

加えて暴れるものだから顔中が濡れていた

私の肩を押しやって、その爪で私の腕を何度も引っ掻いて
必死に逃げようとする

私の拘束から外れた左腕が
力任せに私の右頬を殴って来たところで、目が覚めた


悪い悪い夢
ストレスでも溜め込み過ぎたのだろうか

外からは雨粒が壁を打ちつけることが聞こえている
時計の針は縦一直線に並んで2つの半円を作り出していた


思考に隙ができ、先ほどの夢を反芻する

やけに現実味を帯びた夢。

くだらない


心から私を信頼していたのだろうに。それが打ち砕かれた
そのせいで濡れた瞳が私を捉えた時、恍惚としてしまった

私は全く、あなたのことなんて見てなかったのにね
片想いだなんて可哀想!


ふうっと一息ついて、思考を捨て置く
飲みかけのペットボトルに入った水を一気に飲み下す
そのおかげか今にも沸騰しそうな頭は落ち着いて、今度は眠気が襲ってくる。

のそのそとベッドの隙間に体を滑り込ませ
痛む気がする頬を押さえて、私は再び沈み込んだ

3/24/2026, 1:48:42 PM

"ところにより雨"

ある日の昼下がり
なんだか怪しげな空をしているとは思っていた


清々しい雨の匂いを連れた風が私をくすぐる
足元に視線を落とすと、雲り空に当てられて影が消えている

影を伴わない足元は全く見慣れず、地から浮いた私は作りかけのゲームのNPCのよう


そんな様子を見つめていれば突然冷たい水滴で頭を叩かれる
咄嗟に抑えて顔を上げれば、運悪く雨が目の中を濡らした


びくっと体が反応して、突然洗われた目を擦り上げる
カバンに突っ込まれた手の先は、小さく畳まれた傘に触れた

けれども遅く、瞬きの間に悪戯な雨は強くなる
通り雨、数年前にも同じ状況にあったことがある

あの日の冷たい雨と思い出をなぞる。
楽しかったような切なかったような、ふるふると頭を揺すって思い出すのをやめた。

パチンッとボタンを外して傘を広げる
やっと降る雨から逃げ出したことに安堵する

傘の下で水滴の付いた髪や服を叩いて
どこからか来た雨を、どこかへ向かう雨の声を聞いていた

3/24/2026, 2:31:39 AM

"特別な存在"

別れの季節。春
突然のことだった

「4月からはもう会えないね」

その一言は私を動揺させて、悲しくさせるには十分すぎる

わあきゃあ精一杯に騒いで
感謝を告げて
迷惑をかけていたことを謝罪して
別れを告げた。

大事なものはなんとやら
けれど、大切にするよりも楽しんだ方がなんかいいでしょ

きゅうと泣きだした心を抱える

さようなら!!!!!元気でいてくださいねー!!!!































でも少しだけ、


嘘、すっごくいや

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