"見つめられると"
学校の最上階、角の教室で私を表す番号が呼ばれた
私は返事をした、なんでもないように平常心を保って。
そのまま足が震えていないか気にしながら教壇を目指す
タンッと私の心と真逆な軽やかな音を出しながら足をかける
一際高い机の上に端末を置いて、隅から隅まで確認してミスや誤字がないことを確かめたスライドを出す
前のスクリーンに接続を行うが、手が震えていてうまくできない
この学校に入ってから、人の前に立つということは何度も繰り返しているはずなのに
なんでこんなことになっているのか、何かトラウマがあるというわけでもない
けれど人の前に立った時、私を見定めるような
針のように私を突き刺す視線はまるで針山にでもなってしまったような気分にさせる
頭から血の気が引いて、つま先から感覚がなくなっていく
誰にも気付かれないように素早く深呼吸をする
私の全てが固まってしまう前に、用意していたカンペをただひたすらに読み上げて
想定しているスライドが表示されているかを度々確認する
最後まで読み切ることができたら、終了であることを告げて静聴してくれたことに感謝を述べる
淡々とした拍手の中をするする抜けて自分の席に座れば、安堵から体の力が抜けて、冷えた体に熱い血液が回るのを感じた
3/29/2026, 12:13:21 AM