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2/22/2025, 9:04:10 AM

『夜空を駆ける』

「銀河経由臨時便が増便されました。ご利用の方は、搭乗口へお向かいください」

疲れ切った耳に、どこか気怠げなアナウンスが聞こえた。
――増便?この時期に?
訝しく思ったがそんなことは後で考えるとして、先の便に乗りそびれていた私は、これ幸いと搭乗口へ向かった。

搭乗口では私と同じように先ほどまで途方に暮れていたらしき者たちが、ちらほらと集まっていた。
これといった混乱もなく、全員が乗り込み終えて出発する。
窓の外に広がる光のない景色。

「どうやらオールトの雲で新たな彗星が生まれたようですよ」
「なるほど、それで」
近くの席の者たちの会話に耳を傾ける。
――そういうことか。

しばらくすると、炎を上げて燃え盛る赤い恒星が見えてきた。
他の乗客たちも、なんとなく身を乗り出して眺めている。

第三惑星の付近を通り過ぎた時、少し違和感を覚えた。
以前通った時は、もっと青かったように思うのだが、だいぶ色合いが変わっていたような。

「あの星も変わりましたわね」
「ええ、本当に。少し残念ね」
やはり気の所為ではないらしい。

そういえば、あの星の主要生物はこの便を「流れ星」と呼んでいるのだと同僚に聞いたことがある。
あの星から見ると、ほんの一瞬美しい光跡を描いて見えるそうだ。

2/21/2025, 9:45:17 AM

『ひそかな想い』

とても、とても、後悔していることがある。

酷いことをした。
当時の私は、それをわかっていなかった。
何年も何十年も経って、ある日ハッと気がついた。
きっとあの時、私はあの人を傷つけた。
しかも無自覚に。
どうして今の今までそれに気づかなかったのだろう。

私が未熟だったから?
周りが見えていなかったから?
あの人の事情を知らなかったから?

でも、そんなことは言い訳にならない。
没交渉となった今では謝ることもできない。
蒸し返されても嫌な思いをさせるだけだろう。

だから、ひそかに想うだけだ。
かつての友が、幸せであるように。
私のことなど忘れて、笑顔でいるように。

2/20/2025, 9:58:12 AM

『あなたは誰』

友人が自分探しの旅に出たいと言う。

え? じゃあ、今私と喋っているあなたは誰なの?

2/19/2025, 9:43:20 AM

『手紙の行方』

日記でも随筆でも小説でも。
私が書く文章は、多かれ少なかれ誰かへ宛てた手紙のようなものだと思っている。

日記なら、いつか読み返すであろう未来の自分へ。
随筆なら、日常のふとしたことで広がる想像や感受性を楽しむ誰かへ。
小説なら、血湧き肉躍る……ようなものは書けないので、異質な世界への好奇心や、仄暗いなにかに惹かれる誰かへ。

私が出した手紙の行方は知れないが、きっとどこかへ届いているのだろうと、今日も文章を紡ぐのだ。

2/18/2025, 6:03:53 AM

『輝き』

そういえば、
ミャクミャク様って最初は
「いのちの輝きくん」て呼ばれてたよね。

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