まにこ

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11/20/2024, 10:27:42 PM

誰にも見せないよ、あなたが僕から離れて行かない限りは
僕のとっておきの宝物
おいそれと誰かに見せるのは勿体ないからね
僕にしか見せないあなたの顔は他の奴らには絶対に見せたくない
だからどうか僕から離れていかないで
この宝物はあなたと僕を結ぶ唯一無二の約束事

11/19/2024, 8:52:13 PM

ゆらゆら揺れる目前の灯火。
ほんの少し息を吹きかけただけでも消えてしまいそう。
もしこれが私の寿命だったらば。
確かそんな昔話を聞いたことがあったっけ。
大切に守り抜くのだろうか、果たしてそれとも。
フーっと勢いよく息を吹く。
途端に湧く歓声。
「誕生日おめでとう!」
鳴り響くクラッカー音。
そうか、これは祝福の炎なのだ。
今こうしている間もどこかで命の灯火は消えてゆく。
何だかとっても皮肉めいていて、私は一人ほくそ笑んだ。

11/17/2024, 9:15:05 PM

朝起きて新聞を取りに行く時の空気の冷たさとか、しんと静まり返った朝の静けさとか。
そういったものを含めて私は冬が好きだ。
夜は星の光が真っ直ぐに届く。
全ての雑味を削ぎ落としてくれているようで嬉しくなる。
吐く息の白さ、耳朶の痛さ、嗚呼もうすぐ大好きな冬がやって来る。

11/16/2024, 11:47:26 PM

この身を八つ裂きにしようか。
ぴり ぴりり ぴりぴり
身体なんてあっという間にはなればなれ。
身を引き裂くことはできても、心を引き裂くことはできない。
ぴり ぴりり ぴりぴり
せめて身体だけでも引き裂こうかしゃん

11/15/2024, 9:06:00 PM

うちには大きな子猫がいる。
それも二匹。
いや、正確に言えば猫耳と尾をを生やした人間のそれ、なのだが。
人の言葉は話せず、あくまでも猫として一日を過ごしている。
服は着ているし食事も人と同じ物を食べる。風呂やトイレも問題なく使える。
しかし、一番厄介なのは彼らに発情期が来たときだ。
何度俺の貞操が狙われたか分からない。
その都度家を出て、しばらくは外泊するなどしてやり過ごしていた。
頃合を見計らって帰宅し、これまでと何一つ変わらない生活を続けていたというのに。
「にゃーお、」「にゃっ」
どうも今回は見込みが甘かったらしい。
帰宅した途端、獲物を捕える狩人の如く二人に捕まってしまった。
そろそろ年貢の納め時らしい。
否、いつかこの時が来るのは早かれ遅かれ分かっていたことだ。
……猫のソレ、は棘が生えていると聞く。
嗚呼、せめて痛みは最小限で済みますように。
神に儚く無駄な祈りを捧げ、俺はゆっくり目を閉じた。

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