砂浜に書いた夢という字はあっという間に波に攫われていった。嗚呼、かくも儚いものなのか夢というやつは。それまでの私を築いていった夢の欠片は無残に砕け散った。途端に今まで生きてきた足取り全てが無になったような気がして。波はそのまま引いては寄せてを繰り返す。あまりに心地の良い波の音。私はいつまでもいつまでも水平線を見つめていた。
4/11/2025, 1:46:36 AM