あーやっちゃったやっちゃった
やっちまったなー
わたしはたまに、まこっちゃんになる。
しってる?まこっちゃん。
銀魂でお馴染みのまこっちゃんよ。
胴体が馬で、銀髪で顔がオッちゃんで上半身裸の
『まこっちゃん』
人生で困っちゃった時とか確実に困っちゃった時とかどうすることもできなくなっちゃった時とか足掻いても無駄な時とかに、よく出てくる。わたしの空っぽの脳内。
この書くアプリの名前、単純に決めちゃったけど、
実は候補があってさ。
名前、『おぱんちゅ』にすれば良かったって後悔してる。
おぱんちゅうさぎが好きなわけではない。寧ろ全く知らないんだ。ちいかわみたいにね。
あれでしょ、あの白いくまも実は名前、くまじゃなくて、『だいこん』なんでしょ。だって相棒『かいわれ』だもんね。…わたしは、騙されない!
わたしの名前はちゃんとあるんだけど、
母からはこう言われたよ。
『あんたは、"置物"だよね。』って。
普段あんまり動かないから、だって。
あんまりだよね。自分の娘を置物に例えるなんてさ。
でも姉のことも言ってたよ。
『"豆"だね。』って。
顔が豆っぽいんだって。
でもわたしには、米に見えるよ
だってあの人、近づくと米びつの中の匂いがするよ。
豆と置物。
両方とも人じゃなかった…びっくりだったよ。
母、あんたはいったい何を産んだんだ?
お題: 私の名前
カーテンの隙間から垣間見える陽の光が、一本の線となって入り込むだけの薄暗い部屋。
狭い通路の奥へと続く、本棚の部屋があった。
もう長い事使われてはいない閉め切ったその部屋には、誰に言われるでもなく子供ながらに其処には立ち入ってはいけない気がしていた。
"父の書斎"となっていたその部屋は、長きに渡り埃を被った得体の知れないモノ達がひっそりと息を潜め、その部屋の主を待っているような気がしてならない。
その主人とは、最初は父だと思っていた。
何度か入ろうとは試みてはいたが、昔入ろうとして母に『入ってはいけない』と固く口止めされていた。
何故母が、そう言ったのかわからなかった。
きっと父の部屋だからという意味だと、その頃は純粋ながらそれ以上の疑いもしなかった。
その後、その部屋を見るたびに気にかけていたものの、母の厳しい目が浮かぶ度、入ろうと言う意思は欠け、その部屋自体無いものとして過ごしていた。
それから数日経った日のことだ。
心を痛める要因は何だったのかは忘れたが、悔しさと悲痛な感情があったのだと、思う。
泣いて、泣いた卑屈さを、自らに宥めたその安堵から、どうやら深く眠ってしまったらしい。
目を覚まして辺りを見回すと、薄暗い自分の部屋にいるのだと意識が戻る。
自分の部屋のドアが開いていた。きっと感情のそのままに開けっ放しにしてしまったのだろう。
泣き腫らした目を凝らし、そのまま狭い通路の奥へと何気に目を向けた時、ふいに何かを感じた。
あの部屋だ…。
恐怖が混じる興味が沸々と湧き上がる。ふいに立ち上がると、引き寄せられるままに奥の部屋の廊下へと足を踏み出していた。
忍ばせた足先に、陰る廊下の冷たさが妙に生々しかった。
母の目を盗み、何度かは入ろうとして思い留まった場所。まだ一度も踏み入れたこともない道の境域だった。
(…大丈夫。)
胸を少し締め付けるような重い気を無理に押し込めて、自分に何度も言い聞かせる。
近づいてわかったことだが、奥の部屋のドアが少し空いているのに気づいた。
母が閉め忘れたのだろうか…?
自分が見るときはいつも閉められたままだったが、なぜ今日になって空いていたのか。
少し開いたそれをそっ、と押して目に映ったそれは
何かとてつもない威圧感を抱いた。
もう何十年もの間、そこに息を潜めまるでその中で生きているかのような奇妙な恐怖を。
自分がこの場に居合わせてしまったことに恐怖した。
そのときやっと母が入ってはいけない、と言っていたことがわかった。
幾つも山積みされた書籍と、そっと寄り添うようにして置かれた額縁の中に、こちらに嗤いかけているかのような奇妙な男の絵が描かれていて、口と首からは血が垂れていた。
描かれたのは作った色ではない、恐らく時が経ち少し錆びた赤黒さを感じた。
…本当の血で描いたような色だ。…何故か理解していた。
乱雑に置かれた壺が行手を阻み、それ以上は奥へと進めなかったが、進むこともしなかった。
自分の何かが、警告していた。
自分の今まで見てきた世界とは、また別の空間で繋がっていたことと、すぐ近くにそれは存在していたことの恐怖が一気に襲って、暫くその場から動けなかった。
…からん。
ふいに音がして、背筋が凍る。
重い音と共に花瓶が足元に転がって来たのを見て、
ようやく我に返る事が出来た。
慌ててその場を、後にする。
廊下に出た筈なのに、走っても自分の部屋まで辿り着けない。自分の部屋までそんなに距離はない筈なのだ。
ふと気づけば、片手に刀を握っている。
あの部屋から逃げる時に勝手に持ち出してしまったのだろうか………?
慌ててはいたが、自分が物を持ったという記憶はなかったのだが…。
声を掛けられ振り向くと、
首から顔まで白粉で塗り、乱れ髪にやつれ顔の女が立っている。気持ち悪いくらいにやにやとお歯黒を見せながら嗤っていた。
「逃げ道はないよ。」
嗤った口から見える黒い歯に、一瞬ぎょっとして怯んだが、無性と言われた事に沸々と怒りが込み上げ、片手に持った刀で斬り殺してやろうと刀を振り上げると、少し女は身を縮めさせながらも、ひっひっひっ、と薄気味悪い声で笑った。
その振り上げた腕に一筋、冷たいものが垂れてくる。
怪訝そうにわたしは、それを見る。
その先には今しがた見たことのある色が垂れていた。
あの部屋で見た、奇妙な男が描かれた額縁に塗られた色だった。
しかしわたしはそれを見ても焦燥するどころか、心は無の境地にあった。腕に垂れる一筋の冷たさは、もう生温かく感じていた。
…ひどく懐かしく思う。
これをよく知っている。
この錆びついた赤黒い色を。
この刀で、わたしが殺したのだから。
お題: 視線の先には
会社の休憩時間、何気なくトゥイッターを見ていたら友人の投稿に「いいね」がいつもより多めについていた。
へぇ、と思いながら内容を確認すると、小さな生命たちが保護田さんに纏わりついていた。
(あ、ほごたさん…)
保護田さんは横に伸びる形で横たわっていて、蠢く生命たちはその腹にうずくまる形で並んでいる。
友人の投稿文は『子猫、産まれました!』と書かれていた。
『わぁぁぁ!やったじゃん!』
私は咄嗟に歓喜の声をあげ、同時にいいねを押していた。保護田さん…がんばったのね。
安堵の中、友人にLINEをする。
すると、早くも『今度の週末見に来なよ!』というお誘いが来た。
週末になり、私は友人宅にお邪魔した。
保護田さんは私が唯一、触れる猫だ。
手洗った?触った後も、手を洗ってね。
友人は、気を遣ってそう言ってくれる。
部屋の中に通されると隅に置かれた囲いの中に、保護田さんはいた。トゥイッターに投稿された時の写真と同じ態勢だった。保護田さんは私を見ると、「にゃ」と一声鳴いた。
「保護田さぁん!頑張ったねぇ〜」
私は体に触れずに声だけを掛ける。
母体の周りには小さな保護田さん似のJr.保護田さんがミィ、ミィとしきりに鳴いて存在をアピールしていた。
保護田さんは、薄い虎柄の茶トラ猫だ。
猫のことはよくわからないが、友人曰く、茶トラとは本来オスが生まれる傾向にあるとかで、メスの茶トラは珍しいのだとか。なんとか。
ーー触っても、いいのかぃ?
友人を横に、保護田さんにも語りかけるように言うと、友人からは「いいよぉ」という返事と、保護田さんも気にしない風な顔をしたので、私は、「じゃ、失敬」と一声かけながら、そっと保護田さんの背に触れた。
いくら慣れているからといっても、今は少しだけ過敏になっているかもしれないし、、、と思いつつ、撫でながら背から徐々に喉の位置に持っていく。
保護田さんは、私の手を快く迎え入れてくれた。自らに、頭をスリスリして挨拶してくれる。
(くうぅっ…!)
可愛い奴め…!昔はあんなに小さかった保護田さんも、今や立派なお母さん猫かぁぁ。
保護田さんは名前の通り、保護猫である。
だが、保護田さんとはまた別にちゃんとした名前があるのだが、私が勝手にそう呼んでいるのだ。
***
『…吾輩は、猫である。』
そう言って友人が私の前で両手を突き出した。
…は?
私は怪訝そうに聞き返す。
友人は、ニヤリと笑うと両手で覆った掌の中を私に見せた。
…はっ?!!!え????
『名前はまだ、ない。』
いやいや、何だこれ!ちっさッッ!え、え、え、?
どゆこと?どこで…
『拾った!』
いやいやいや、拾ったって…!
そんなにあっけらんかんと言うなよッッ!!
『飼うっ!』
え、え、え、あんたが????!
***
…と言うことで、今現在に至る。。。
しっかし、時が経つのは本当に早いものだ。
あの時の友人の即決力は、実際に大したものだったのだ。
ずぼらな性格の友人だが、まさかこんな才能があったとはまさに正直、驚き桃の木樹木希林だった。
ーー何?褒めてんの?
嬉しそうに友人は笑った。
うーん、別に褒めてやらないことはないけど…。と私が言うと、「そっかぁ、嬉しいなぁ」と何処までもポジティブシンキングな奴だった。そんな性格が感染った(うつった)のかもしれない。
保護田さんも人懐っこく、たいていのことでは驚かない猫になっていた。おおらかさと毛並みの上品さから、周りのオスネコからの目線もきっと美人に写っていたに違いない。友人曰く、野良猫が庭に、遊びと言う名のナンパしによく来ていたようだ。
『で、肝心のお相手は?』
私は保護田さんの久しぶりの毛並みに癒されながら聞くと、友人は首を傾げた。
うーん、どうだったかなぁ…。
友人は私を見ることなく、語尾を濁らせた。
「…ちょっと?ねぇ、私の目を見て言いなよ。この菩薩ような目を…!」私は友人に詰め寄ったが、うーん…とか、はーん…とか唸って、私の菩薩のような目にも目配せしながら、ずっと返事をはぐらかしていた。
…結局、旦那になる猫は未だ、謎のままだ。
でもその証拠なのか、保護田さんの毛色からでは産まれないであろう黒毛色が1匹、、、今私の左腕に巻きついている。そう、今日の朝、私の左腕に巻きついて離れようとしなかった黒トラJr.である。
この子もまた、唯一私が触れる猫である。
如何してこの黒トラが私の家に来たのか、
如何して私が唯一触れる猫なのか、、、
それは話はまた別の機会に。。
お題: 遠い日の記憶
【ちいかわの事を何も知らないわたしが本気になって、ちいかわの事を考えてみた。】
わたしは、ちいかわのことを知っている。
知っているけれど、知らない。
なので、本気になったらもっと知れるんじゃないかと思って考えてみた。
わたしが知っている範囲のちいかわの登場キャラを述べていく。
①頭の模様が八三になってるメタ発言喋る猫
……名前は『かいわれ』
②なんか白いくま
……名前は『くま』
③いつでもはっぴーはっぴーハピハピハピなピンクのうさぎ
……名前は『うさぎ』
④鎧の人。自分で作ったポーチとか売ってる。中身は杉田智和。
……名前は『鎧の人。』または『杉田』
え……あと、居る?わからねぇ……
でもここで①が主役だと疑ってなかったのに、
最近②が主役で、しかも名前もくま、、じゃないかもしれない疑惑浮かんできている。
※ちなみにこれでも、一応ちいかわ全話Amazon primeで観ている。(…なのに理解できなかった。)
え、もしかして、もしかして、、、
この白いくまが……「ちいかわ」……???
『え、ちいかわって名前だったの?????』
お題: 空を見上げて心に浮かんだ事
2024年7月現在のちいかわに関するわたし認知度(20%)
あるところに自慢が大変に大好きな指がいた。
連日連夜自分たちの自慢を何度も何度も繰り返しても、全く飽きは来ず、寧ろ5本の指の中で、自分が如何に必要な存在なのかを連日連夜日中問わずとも、言い聞かせるのである。指たちはそれが生き甲斐でもあった。
今日も今日とて、自慢ばかりする親指がこう言った。
「オレはいつも使われている指だ。オレが1番なのさ」
すると隣で聞いていた人差し指が、親指を指してこう言った。
「ちがうわぃね、あたしの方が役に立ってるさね。いろんなものを指し示して表現するのに」
「やめろ、オレを指差すな」
「なぁに、それがあたしの役割さね」
すると、横で聞いていた中指が怪訝な顔をして言う。
「オイオイなんだ、仲間割れかい?あんたらよりもおれっちのほうが背が高いじゃねぇか。力もあんたらより強い。物を押さえつけたりするのに1番役に立ってる」
えっへん、と顔で表現するあたり、中指の主張はごもっともだと少し思うところがある親指と人差し指。
(だけど、まだうちらの指はある……)
そうして、3本の指は横に目をやると、4番目の薬指に注視した。
「ねぇ、今の話聞いてた…?お宅らはどうなのさ?」
人差し指が聞く。
薬指は、少しはにかみながら歯切れ悪くこう答えた。
「あはは……。私は別に大したことないよ…。あんまり私はみんなよりも使われることはないしね…」
そうして、小指も小さく答えた。
「そうだね、ボクらはあまり使えないかもしれない。ボクはみんなより体が小さいから」
その小さな体に比例した、か弱くしょげた声だった。
「ほらな!だったら少し自粛するべきじゃないか?お前らが働かなくてもお前らの分をオレがいればいい!」中指が主張した。
「そうさね、あたしらに任せなよ」と、賛同する人差し指。すると親指も、
「フン、使えない指は出番を控えるべきだな。そうだ君たち、次の体力テストは俺達にまかせたまえ。」
そう言ってまた自慢を繰り返す3本の指。
「そ、そうだね…じ、じゃあ任すとするよ…」
そう言って薬指と小指は、それ以降口を開くことはなかった。
数日して、体力テストの一環とし、握力測定が実施される事になった。
前回の数値は特に3本の指たちにとっても、毎日繰り広げる自分の自慢大会のネタとされる程、高成績だった。
『じゃあ、今回も良い点数期待してるぞ!』
握力測定器を握る。
3本の指たちは今日も自分の自慢大会の事しか頭になかった。
力を込める。…いつもなら測定器の針が思うように動くはず、だった。
……いつもなら。
…あれ…?
おかしい。いつもならここまでは針が動くはずなのに。
そんなはずはない…、と3本の指たちも、其々に力を込める。普段は軽い気持ちで動く針も、今回は不思議と重く、ギュッと顔を赤くしながら再び力を込める。
しかし、何故かいつもの力が入らない。
『なんだ、どうした?』
『うーん、なんだかいつもの力が出ないっす』
3本の指たちも首を傾げ、その中でも1番力が強いと自慢の中指は汗ばみながらも目一杯の力で頑張っていた。
力を込めるたびに、指と指の間隔がおかしくなり、汗が吹き出して、握った測定器が滑る。
『うーん、なんだか可笑しいンっすよねー。特に薬指と小指の感覚が…ねぇっす』
3本の指たちは、3本とも顔を見合わせた。
指たちの世界ではこんなことわざがある。
『優越感は、指をも殺す。』
優越感が強すぎると同属の指を滅ぼすことになりかねない、という意味を持つ。
お題: 優越感、劣等感