百瀬

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6/7/2024, 3:07:48 PM

競技騎士としての終わりは経験したが、そんなことは考えたこともなかった。垣間見える死よりも、苦楽を共にした彼の事が頭を過ぎっていた。別れを告げることもできず、恩を返すために戦っていたが──。
「嬉しいです……今度こそ、一緒に」
互いに姿は変われども、想いは変わらぬまま。
来たる終焉の前に、深く溺れてしまおうではないか。


『夢の続き』
世界の終わりを君と

※二次

6/6/2024, 10:27:19 AM

あぁ、いけない。私は教授であり、生徒には平等に接するべきなのに。湧き上がるこの怒りをどう抑えようか。
冷静になるために、冒涜的な量の角砂糖とミルクを淹れる。健康に良くないのはわかっているが、我慢ならなかった。
「すまないね。大人として恥ずかしいところを見せてしまったよ」

Title「侵緑」
Theme「最悪」

6/5/2024, 11:39:05 AM

「姉に怪我を負わせ、殺したのは私です」
何かをしないと出られない部屋の類で、どちらかの秘密を話さねばならないというもの。しかし、私には秘密なんてものはないから強引に突破するつもりだった。それなのに、彼女は早々に語り、扉を開けてしまった。
「私なんかより、きっと良い人がいますから」

Title「黒猫の贖罪」
Theme「誰にも言えない秘密」

6/5/2024, 5:59:53 AM

本棚には講義のテキストだけでなく、興味のある本が並び始めた。友人が色鉛筆で描いた絵も吊るした。クローゼットの中の服も少しずつ色味を増やしている。
弓毛を緩め、本体を拭き上げる。これのおかげで毎日食べていけるし、教授と二人で演奏することが決まった。
記憶は無いけど、今が幸せだから。

Title「1Kの中身」
Theme「狭い部屋」

6/3/2024, 1:31:39 PM

濡羽色の髪は華やかに飾り立てられ、細い肩口は足先まで深緋に包まれている。東洋の若き奏者、それだけで位有る者は惹き寄せられるが、影に潜む紳士の存在に気付いた瞬間に邪な心は恐れを抱くだろう。
だがしかし、若気の至りで弄んだ相手が、高嶺の花となるなんて誰が考えたのだろうか?

Title「オペラグラスの向こう側」
Theme「失恋」

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