バスクララ

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10/30/2024, 12:36:40 PM

例えば小学校の通学路を歩いてみたり。

例えば昔好きだったアニメの主題歌やアイドルの歌を聴いてみたり。

例えば子どもの頃やりこんだゲームを起動ないし実況動画を見てみたり。

例えばかつて自分が考えた最強のキャラクターの物語を思い起こしてみたり。

例えば砂糖がかかった揚げパンに思いっきりかぶりついてみたり。

例えば暗記するほど大好きだったあの呪文やおまじないを空で言えるかチャレンジしてみたり。

例えば卒業アルバムを開いてみたり。

例えば自分が子どもの時にやっていたcmを探して視聴してみたり。

例えば思い出話に花を咲かせてみたり。

例えば……懐かしく思うこと、あなたなら他に何を思いつく?

10/29/2024, 12:40:29 PM

とある洋館で事件が起きた。
被害者は館の主人。頭から血を流して死んでいた。
犯人は長年仕えていた執事。主人の最近の金遣いの荒さを指摘したら激昂したため揉み合った末の事故だった。
たまたまいた探偵によって犯人も動機も明らかになったため、これにて事件解決。お疲れ様でした。

最後まで探偵は知らなかった。
執事に娘がいたことを。

最後まで主人は知らなかった。
執事の娘が自分に深い恨みを抱いてることを。

最後まで執事は知らなかった。
娘がとんでもない演技派で、自分の利益の為ならばどんな嘘でも平気でつくことを。
そして、心身掌握に長けていることを。

私だけが知っているもう一つの物語。
語られる日は永遠にやって来ない。

10/28/2024, 11:33:08 AM

暗がりの中で息を潜める。鬼に見つからないように。
……足音が聞こえる。近くにいるのか探している声だって聞こえる。
……大丈夫。ここは絶対に見つからない。だって私のとっておきの隠れ場所なんだから。
そう思っていてもやっぱりちょっと不安だからさっきよりももっと身を縮こませる。
足音が遠ざかっていって、私はホッと息を吐く。
隠れるのはあまり好きじゃない。ドキドキするから。
それに絶対に音を立てないと思えば思うほど笑いが込み上げてきちゃう。
だけどダメダメ。我慢我慢!
……でもどうしても我慢できなくて、うふふと声が出てしまった。
すると案外近くにいたのか、ふすまがゆっくりと開き鬼がひょこっと顔を出して、にっこりと声をあげた。
「お姉ちゃんみーつけた!」

ま、たまには妹とかくれんぼも悪くないわね。

10/27/2024, 11:44:31 AM

コポコポと熱湯をティーポッドに注ぐ。紅茶の鮮やかな色と香りがじんわりと濃くなっていく。
後は蓋をして蒸らせば美味しい紅茶ができるとかなんとか。
正直うろ覚え知識だから合ってるのかすらわからない。紅茶好きな人には悪いけど、そもそも紅茶にそこまで詳しくなりたいとは思ってない。紅茶も特に好物でもないからね。
そんな僕がなぜこんなことをしているのかというと、ひとえに彼女のため。
彼女が昔からハマっている刑事ドラマ。それに出てくる特命係の警部さんが紅茶好きらしい。
先日、作中に出てくるティーセットを彼女が購入し、あなたの淹れた紅茶が飲みたいなとお願いされて今に至る。
……よし、そろそろいいだろう。注ぐ時は徐々に高くっと……
正直、こんな位置から淹れるのは間違っているんじゃないかなと思うけど彼女がそう淹れてほしい、と頼み込んできたからきっと正しい方法なんだろう。たぶん。
……でもかなり飛び散っちゃった。これ本当に合ってるのかなあ……?
そう首を捻っていると彼女が嬉しそうに駆け寄ってきて一口飲み、満面の笑みを浮かべる。
……まあ、こんなに喜んでくれるのならこれでいっか。
ふわりと漂う紅茶の良い香りと相まって今日は優雅な一日になりそうだ。

10/26/2024, 11:15:14 AM

愛を囁いて。私の耳元で。
あなたが照れてもまだ足りない。
あなたから貰った愛は私の生きる原動力となるから。
私もあなたにたくさんの愛をあげる。
だから思いつく限りの世界の言葉で愛を語って。
愛は人生を豊かにしてくれる。彩りを与えてくれる。
愛がなくても生きていける。だけどきっとそれはつまらない。
あなたの愛。あなたの思い。
いつかあなたの命の灯火が消えても私はあなたを覚えている。
あなたの愛を抱いて生きていく。いつかもう一度あなたと巡り会うために。
そうしてあなたに貰った愛をあなたに返すの。
私とあなたの愛言葉を。

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