バスクララ

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10/25/2024, 1:33:17 PM

友達だからあなたの助けになりたい。
いつだったか忘れたがそれをあの子から言われた時、背筋がゾッとしたのを覚えている。
かつて友達だったあの子。今は顔も名前も思い出したくない。
昔は仲良しだった。それこそ学校の先生からもニコイチだと認識されるぐらいには。
いつから歯車が狂ってしまったのだろうか。いやそもそも歯車など噛み合ってなかったのかもしれない。
でもきっかけは覚えている。
例のウイルスが大流行して、緊急事態宣言が出るか出ないかの瀬戸際だった頃。
兄が結婚することをあの子にメッセージアプリで伝えたら
“へえ、こんな時に”
と返ってきた。
私の一番欲しい言葉のおめでとうは言ってくれなかった。
友達だからこそ言ってほしかったのに。
だから本当に、ショックだった。
それから色々あって縁を切り、あの子と関わりのない人生が続いていく。
だけど、友達といえばあの子を思い出してしまう。
一緒にいて楽しかった。それは嘘じゃない。
確かに私とあの子は友達だった。

10/24/2024, 1:54:39 PM

友達が家に来た。
一緒にご飯を食べて、ゲームして、そろそろお開きという時間になった頃、奴が現れた。
黒光りするGから始まる虫が……! しかも二匹!
私も友達も悲鳴をあげ、逃げ惑う。
あろうことか友達は帰ると言い出し、私は縋り付いて懇願する。
一泊していこ? 一緒にゴ〇ジェット買いに行こ? ホイホイでもいいよ?
だからさ、行かないで帰らないで一人にしないで!
一人で頑張れってそんなこと言わないで!
行かないで! いやほんとマジで! 行かないで!!
……そんなすったもんだの末、友達は私の渾身の懇願にほだされ……ることなく、帰って行った。

後日、激闘を制した私に友達が詫び料として超お高いケーキとチョコ、それとバル〇ンをプレゼントしてくれた。
……バル〇ンの結果を見る時は友達も連れてこよう。今度は絶対に帰らせないんだから。

10/23/2024, 12:33:43 PM

飼ってた鳥が逃げ出して何日か経った。
一瞬だった。
鳥かごのドアを開けたらバッと飛び出し、ピューッと窓から飛んでった。
あまりの速さに思わずあんぐりと口が開き、逃げられた悔しさや悲しさよりも、鳥の判断力と行動力の高さに感心してしまった。
鳥かごから見えた空はあいつにとって自由そのものだったのだろうか。
まあ……空は人類にとっても自由の象徴でもある。
空に恋焦がれる歌とか物語とかそういうのは世の中に星の数ほどある……はず。
今頃大空で自由を謳歌してるんだろうな、とどこまでも続く青い空を眺めていると……

あっ!?

……つがいになって戻ってきた……

10/22/2024, 1:56:27 PM

季節が進み、気温がこれまでと変わっていく度に衣替えというワードがもやもやと頭にちらつく。
……やらないと季節外れの服しか出せないということは自分がよーくわかっている。
でも、めんどくさい。
ただ行李から服を出して、入れて、防虫剤をちょっと入れるだけなのに。
それがめんどくさい。
親が来ていい感じにやってくんないかなあ、と都合の良いことを考えてしまうけど、そんな夢みたいなことは起こり得ない。
……はあ。やろうか。めんどくさいけど。
衣替えは年に二回しかない。そう思ったらすこーしだけは頑張れそうだ。

10/21/2024, 2:21:14 PM

叫べ。叫べ。
思いの丈を叫べ。
心に溜め込んでいた思いを、感情を。
大切な人ほどいなくなる。そう思い込ませてしまったのは私のせいだ。
だから彼女は時々仲間たちに辛くあたったり、不自然に距離をとるなど素っ気ないこともした。
仲間たちを大切な人たちだと認めたくなかったから。
認めてしまったら失ってしまうかもしれないと思い込んでいたから。本当は大切な人たちだと心の奥底では認めているのに。
あるきっかけから彼女の思いを知った仲間たちは彼女にまっすぐぶつかってきた。
もう大切な人を失うことはない。自分たちは決していなくなったりしないと……。
その真摯な思いと言葉は少しずつ彼女の思い込みを溶かし、彼女は仲間たちを本当の意味で受け入れた。

声が枯れるまで泣き叫べ。
彼らは私の分まで、いいえそれ以上にあなたを幸せにしてくれるから。

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