大嫌いな人がいます。その人は高校の時友達という関係でした。
いつも人のグチばかりで自ら何も行動しない人で、人の悪いところを見るのが得意。そのくせ自分のやることなすことに関しては甘い人でした。
私は我慢してグチを聞いていました。だけどある日耐えられなくなりました。
最初に嫌だなと思った時に友達をやめれば良かったかもしれません。
でも私にはその人を手放す勇気がありませんでした。
その人の同級生の友達が私しかいないことを知っていたからです。
だけど耐えられなくなって初めて理解しました。
このままでは私が壊れてしまうと。
だから高校を卒業した後手放しました。
今その人が何をどこで何をしているのか、健康なのかそうでないのかは知りません。知りたくもありません。
その人が幸せでも不幸でもどちらでもいいです。
ただ私に関わってこなければ、それでいいです。
真っ暗闇ではなんにも見えない。
何があるのかもわからない。
わたしの足下に何があるのか、わたしの周りに何があるのか、そもそもわたしの姿もわからない。
わたしはどんな姿かたちをしているのだろう?
周りはどんな感じなんだろう?
気になる思いがたくさん重なって、わたしは一念発起した。
わたしの力を放って周りを照らす。
上手くいってもいかなくてもわたしの姿くらいはわかるはず。
さあ光輝け、暗闇で!
そうして煌めく光はわたしの影を作り出して、わたしはようやくわたしの姿かたちを知った。
なるほど、わたしはこういう感じなのか。
光はすぐなくなってしまったけど、わたしはわたしがわかったから満足。
でも時々光を放とうかな。だってわたしがもう一人いるみたいでさみしくないから。
水と並んでなくてはならないもの。それが酸素。
酸素がないと大半の生き物は生きていけない。
水の中で泳いでいる魚も、空を飛ぶ鳥も、酸素を取り込んで生きている。
それと同じように私にはなくてはならない人がいる。
その人は私にとって大切な人だけど、あの人は私のことをそうは思っていない。
私が一方的に想いを抱いているだけだから。
私はあの人に想いを伝えたい。
当たって砕けても酸素がなくなるわけじゃないけど、想いを伝える前に誰かに取られたら酸素は無くなるも同然。
そうなる前に伝えたい。いや、伝える。
あの人のことを大好きでいたいから。
図書館にいる夢を見たことがある。
そこでは幾万もの本が本棚にキッチリ収められていてジャンルもしっかり分けられていた。
夢というものは頭の中にある記憶の海から印象深いものを選んで面白可笑しく繋ぎ合わせている……私じゃない私の遊びであり作品だと思っている。
そう思う理由は、一度自分に都合の良い夢を見たいと心の底から願って寝たら夢に怒られる夢を見たからだ。
何を言われたのかは正直忘れてしまったが、夢は思い通りにならないとか言われたような気がする。
たぶん私は明晰夢を一生見られないだろうが、それでいい。
いろんなものを見たり聞いたり想像したり体験したりして記憶の海をより豊かにしていく。
そうしたらいろんなジャンルの面白可笑しい夢を見られる。知識も増えて一石二鳥だ。
でも怖すぎる夢はマジ勘弁。
君は闇の中から私を助け出してくれた。
君は私に世界のことや人のことを教えてくれた。
君はいつも優しい笑みを私に向けてくれた。
だから私は君のことが大好きになった。
ただ君だけがそばにいてくれる。それだけで私は満たされる。
私は君が大好き。だから君も私が大好き。そう信じていたけど、本当はちょっと違った。
あの日私は見てしまった。君がとびきり優しく慈しむ顔をあの人に向けているのを。
あの人が特別なんだってすぐにわかった。だって私にそんな顔見せたことなかったから。
……ううん。謝らなくていい。
君は君のままでいて。私への態度を変えないで。
だけど待っていて。いつか必ず君を振り向かせてみせるから。
そんなこと出来ないってわかっていても、私に出来ることはそれくらいしかない。
納得できる私になったら君に教える。だからその時はちゃんと返事をして。
どんな言葉でも絶対に受け止めるから。