「なあ、君。縁起の良い初夢といえば何かね?」
二人しかいない文芸部。一年の集大成に向けての小説を書いているところに先輩がヨガの立ち木のポーズをしながらそう訊いてきた。
ピンと真っ直ぐ伸びてブレない姿勢がまさに先輩を表している気がして、なんだかなあという気持ちになる。
そんなことやっている暇があるなら文芸部らしいことをしてほしいけど、今更そんなこと言っても無駄なので素直に言葉を返す。
「一富士二鷹三茄子……ですか?」
「そうだ。そこに四扇五煙草六座頭と続く。
君はそれらが出てくる初夢を見たことがあるかね?」
「ありませんけど」
私がそう答えると先輩はニヤッと勝ち誇ったような笑みを浮かべて、今度は英雄のポーズⅠをしながらこう言った。
「私は見たことがあるぞ。しかも茄子の夢だ」
「へー」
「もう少し良いリアクションをしてくれても良いのだが?
まあいい。こんな夢を見たんだ。一生懸命茄子の桂むきをして煮物にする夢をな」
「茄子の桂むき……ですか?」
「ああ。前日に茄子は食べてないしどうしてそんな夢を見たのか思い当たることもないのだが、起きた時はハッピーだったぞ。
現実でもやろうとは思ったが、さすがに危なくてやめたな」
「そりゃそうですよ。まあでも、初夢がそれだなんて凄いですね」
「そうだろうそうだろう!
だから富士山と鷹と扇と煙草と座頭の初夢を見てコンプリートしたい! 茄子の夢を見られたのだから他の夢も見られるはずだ!
さあ、君もぜひ応援してくれ」
いったいどう応援すればと思ったけど先輩のキラキラした屈託の無い笑顔を見て、まあちょっと神さまとかに祈るだったらしてもいいか……と思った。
ひょんなことから時を越える手段を手に入れた私たちは様々な時代を巡り、いろんな人と出会った。
中世では呪いにかけられカエルになった剣士、人々を恐怖のどん底に陥れた魔王。
未来では優しい心を持ったロボット。
原始では村の酋長をしていた女傑。
彼らと共に星の存亡に関わる戦いに身を投じ、勝利した。
そしてそれは、彼らとの別れをも意味していた。
彼らの時代は私たちの時代とは遠く離れている。
普通ならもう絶対に会えないのだけど、なんと私たちにはタイムマシーンがある。
とある賢者が遺してくれた時を越える翼……それに乗って私たちは彼らに会いに行こう。
遥かなる時の彼方まで。
§
元ネタはクロノ・トリガーです。
ストーリーや曲が大変素晴らしいので興味がある方は実況動画を見る、もしくは自分でプレイしてみてください。
今日は! 親がいない! しかも明日は日曜日!!
というわけで夜ふかしパーティだッ!
ふっふっふ……こんな時のために取っておいたお菓子とかジュースとか開けてゲーム三昧しちゃお〜。
怒られないってサイコー!
こんな特別な夜、今後絶対ないから噛み締めないといけないね!
……と思ったけど午前1時を過ぎたらめちゃくちゃ眠くなってきた……
ちょっと仮眠しよ……
ハッ! 今何時!?
……7時か。思ったより寝ちゃったな。
よーし、昨日の続きやろーっと。
朝ごはんはお菓子でいっか。まだいっぱいあるし。
親がいたら怒られることも普通にできるなんてやっぱりサイコー!
海の底には何が眠っているでしょう。
大きな船? 金銀財宝? 古代遺跡? それとも海底都市?
どれも合ってるかもしれない。どれも間違ってるかもしれない。
この不確かな状態こそが一番ロマンを感じる瞬間なのだろう。
合ってる合ってないではない。あったらいいなの思いが空想を加速させ、それを原動力として大いなるロマンを追い求めるのでしょう。
海の底、特に深海はまだまだ未知のものでいっぱいなのだから。
僕は君に会いたくてこのゲームを始めたんだ。
最初は実況で見てて、凄い人がいるんだなって思ってた。
いつしかその思いは憧れになって、いつか同じ舞台に立ってみたい、君と戦ってみたいと思いを馳せるようになった。
だから一生懸命頑張ったよ。
……やっと夢が叶った。
けどね、もう一個夢があるんだ。
それは君に勝つこと!
それでは対戦、よろしくお願いします!