暗がりの中で息を潜める。鬼に見つからないように。
……足音が聞こえる。近くにいるのか探している声だって聞こえる。
……大丈夫。ここは絶対に見つからない。だって私のとっておきの隠れ場所なんだから。
そう思っていてもやっぱりちょっと不安だからさっきよりももっと身を縮こませる。
足音が遠ざかっていって、私はホッと息を吐く。
隠れるのはあまり好きじゃない。ドキドキするから。
それに絶対に音を立てないと思えば思うほど笑いが込み上げてきちゃう。
だけどダメダメ。我慢我慢!
……でもどうしても我慢できなくて、うふふと声が出てしまった。
すると案外近くにいたのか、ふすまがゆっくりと開き鬼がひょこっと顔を出して、にっこりと声をあげた。
「お姉ちゃんみーつけた!」
ま、たまには妹とかくれんぼも悪くないわね。
10/28/2024, 11:33:08 AM