「綺麗な月やなぁ」
隣で歩く彼が呟く。
「今日三日月なんだ。俺は満月の方が好きやな。」
正直、月なんか気にしたこともない。常に下を向いているからか、、?
「ほぉ?満月の方が好きなんやな」
彼か俺の顔をのぞき込む。
「なんだよ、、。おかしいか?」
「いや、なんでもない」
はぁ?と若干キレつつも、そのまま下を向く。
彼はまた月に顔を向けていた。
暗闇の中に1人月に照らされて綺麗だった。
「僕は三日月の方が好きやなぁ。」
「なんで?」
彼のことはよく分からない。だから、知りたい。
そんな思いだけでただ聞き返した。
「んー、、。なんでやろなぁ?」
「は、、?」
「でも三日月って欠けてても綺麗やん、狡いわ。」
彼にとっては些細な事かもしれないが、その言葉は俺の心にささる。
「そっか、、。いいと思う、、。うん」
「若干引いてない?」
「確かに綺麗やな、、。」
「やろ?」
彼がこちらを向いて微笑む。
「じゃあお前は満月だな。欠けてないし綺麗やし。」
少しいじけたように言う。すると彼は
「ふは、何それ。僕のこと大好き?」
「なっ!、、そう思っとけば良いじゃん、、。バカ」
彼から返された言葉は、期待していたようで、でも
返す言葉は見当たらなくて。
「僕も大好きやで。」
雲に隠れた月が俺たちを照らした。
#三日月
長いです!長いのにちとよく分からんです!ごめんなさい!
今日も雪が降る。
涙が零れるように、静かに、静かに、雪は重力に逆らわず、降っていた。
彼との別れも今日みたいな雪が降り続けていた。
彼は僕の前から急に居なくなった。
雪の降る冬の寒い日の事だった。
彼は人知れず雪の中で項垂れていた。
どうして、とか、早く行けばよかった、とかじゃなくて
ただ、何も考えられなかった。
言葉が詰まって出てこなかった。
後悔もクソもない。流した涙は雪の中に消えていった。
それからもう何日か、雪が降ると思い出す。
このまま死んでしまいたい。
毎日そう思っては、勇気が無くて死ねなくて、
あっちの世界で彼はどうしているんだろう。
僕なんかよりも、ずっと可愛い子と遊んで暮らして、美味しいもん食べて、ゆっくり寝て、そんな生活してんのかな。
そしたら、僕のことも、忘れてんのかな。
拳を強く握る。
「それじゃ、アイツに会いに地獄行く意味無いよな、」
白い息を吐く。少し前を向こう。
まだ、その時じゃない。
彼がどうして死んだのかとか、彼の地獄での生活とか、
そんなんどうでもいい。
「地獄で待ってろ」
アイツの分だけ生きてやる。
白い雪の中に消えていく。彼の背中を探して。
#雪
後半わけわかめですね!!スランプです!!
いつもならみんな寝てる、そんな時間。
新年まであと5分。俺は足を動かす。
いつかの約束を忘れる前に。
「ほんとに引っ越すの?」
「うん、、。ごめん。」
「そっか、会えなくなるね。」
「いつかまた会えるよ!10年後の1月1日に、またここで会おうよ!」
「そうなの?信じていい?それ。」
「うん、絶対帰ってくる。1番にお前の顔見る!」
「そっか。約束ね。」
今日が10年後の約束の日。
まだ溶けきっていない雪の上を走る。
彼はいるのだろうか。ちゃんと約束を守ってくれるか。
10年も経ったんだ。覚えていないことだってある。
長年運動せず、パソコンと向き合っていたせいか、少し走っただけで息切れが酷い。
「まだ、、あと1分、、。」
約束の場所には彼はたっているのだろうか。
いや、そんなのどうでもいい。
俺は多分ずっと待ち続けてしまう。
「っっ、、頑張れ、、!俺!」
力をふりしぼりながら走る。あと少し、あと少し。
新年の鐘の音が聞こえた。
「久しぶり!!」
#新年
改めてあけましておめでとうございます!
これからもよろしくお願いいたします!
月日が経つ毎に、思い出とか、大事なものとか、どんどん記憶が薄れてしまう。こんなに大切にしていたのに、いつの間にか消えてしまう。
「さみぃなぁ。」
隣にいる、彼だって。いつか僕を忘れてしまうかもしれない。
「明日どっか初詣いくか?良いとこ知ってるぜ。」
「いや、寒いからいいや。お前と一緒居たい。」
「ふは、なんだよそれ。」
こうやって笑い会うことも、全部、全部。
「なぁ、」
「ん?」
「来年も、ずっと、ずっと一緒にいたい。」
「え」
「お前が良いならずっと一緒がいい。お前が拒んでも多分僕会いに行っちゃうと思うけど。」
彼は優しく頷きながら僕の話を聞く。
「お前が離れちゃうのが怖い。やだ。一緒にいたい」
柄にもない。こんな年になってまで駄々をこねるとは。
ふと顔を上げると彼は微笑みながら僕の顔に手を添えた。
「当たり前だ。絶対離さねぇ。」
その言葉だけで良かった。
「ありがとう、、。」
彼の背中に手を回すと彼もゆっくりと、優しく、僕を抱きしめた。
「すげぇ、、大好きだ、、。」
「何分かりきったこと言ってんだ、、馬鹿、、大好き」
これからも僕たちはずっと一緒に歩いていく。
どっちがが死んでしまっても、多分どちらも後を追う。
ずっとずっと、隣で。
「何年経っても、一緒に居よう」
君に捧ぐ言葉。
「何年先も、ずっと」
#良いお年を
お題フル無視です、、。
少し早いけどHappyNewYear!!
もう、今年もこれで終わり。
読んでいた本を閉じ、寝室へと向かう。
ベッドの上には静かに寝息を立てている彼がいた。
「相変わらずだな、、。子供みたいだ。」
彼の頭に手を乗せて、そっと撫でると、少し体を揺らして、声にならない文字を発していた。
「今日、頑張ってたもんな、おつかれさん。」
聞こえていないことを願って少し呟く。
気のせいか、彼の顔は優しく笑っているように見えた。
彼と出会ってほぼ3年がたった。
最初は戸惑いも悩みも怒りも悲しみも、色んなことがあった。でも彼がそれを全て笑顔に変えてくれた。
閉じ込めていた気持ちも全部彼が救い出してくれた。
だから、俺はこの人と今、共にいる。
その事実に涙がでる程に、嬉しかった。
ただ、その言葉だけだった。
「おやすみ。」
また、明日になったら明日の彼が明日の俺にしか見せない顔をする。その事実に変に嫉妬する自分もいる。
それだけ好きなんだ。
「来年も、よろしく。」
次も、次も次も、その時が来るまで俺はこの人と歩き続ける。
戸惑いも悩みも怒りも悲しみも全てを笑顔にする。
来年も、また、隣で。
#1年間を振り返る
セリフ少ないので少し読みにくいかもしれません、、。
あと少しで2023!!2022、最後まで駆け抜けます!!