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9/20/2024, 2:19:11 PM

わたしのもろく弱い部分 誰も好きでいてくれないけどわたしはそれを大事にしたい

9/20/2024, 1:23:59 AM

何かミスをおかして、呆れたようにため息をつかれたり、それでなくとも失望されたと確信した瞬間、もうここで時間が止まればいいのにと思う。自分の人生まるごと否定されたわけではないのに、死にたくなる。死にたくないから、そういう時は、今すぐ時間が止まって、しかし自分だけはその時間の中で動けるようになればいいと思う。

それで、私は時々考える。私だけ動いている世界は、どんな世界なのだろう。枯葉も噴水も犬も猫も鳥も、そしてもちろん人も、石のように固まったまま動かない。草原に行っても、草が風に吹かれて気持ちよさそうにそよぐこともない。時間が止まっているのだから。
ひとりきりの世界では、誰も私が泣くことを責めない。私がひとりで泣くことは、許されている。
人々の真ん中で、人目もはばからず自分のために思い切り泣いてから、そして涙をふいて、戻りたいと願う。
石でぎゅうぎゅうになった世界で、ひとりだけ生きるのに、きっと私は耐えられない。ひどくさみしくて苦しくて、元に戻りたいと願う気がする。

初めから終わりまで身勝手だ。全部勝手な言い分だ。相手の言うことに聞く耳を持たず、勝手にひとりで自分を傷つけて被害者面をしている。傷ついた心を休む場所が欲しいだとか、ひとりでいたいだとか。相手の傷には目を向けようとしない。
それでも、どんな理由であっても私が泣くことを許してくれるところに行きたいと思う。自分の傷を舐めおわって、やっと顔を上げて外の世界を見ることができると思う。

9/18/2024, 3:07:31 AM

目を開けた瞬間から、これは夢だとわかった。見たこともないような花が咲きみだれる、一面の花畑が広がっていたから。
見上げると、頭上には漆黒の夜空に星々が輝いている。月は見えない。
しかし、花畑自体が薄らと発光しているかのように輝いているから、視界は昼間とあまり変わらない程度には良好だった。
ほんのりと自ら光る不思議な花たちは、わたしが知っているものではなかった。
例えばあそこの木に巻きついてラッパ型の花を咲かせている蔓植物は、見た目はノウゼンカズラに似ていたけれど、ノウゼンカズラというには大きかった。何しろわたしの顔くらいの大きさなのだ。色も、元気なオレンジではなくて、月光を浴びる笹の葉のようなたおやかな色をしていた。
どこを見渡してもそんなふうで、わたしは不思議な気分になりながら、花畑を見渡した。夢に理由を求めるのは詮無い事だとわかってはいるけれど、どうしてこんな夢を見ているのかしら。花についてあまり詳しくないし、花畑に行きたい欲求もないのに。しばらく風に吹かれてぼーっと空を眺めていた。

不意に、あなたに送る花束を作ったらどうかと思いついた。
これは夢なのだから、あなたは、わたしが作った花束を受け取ることはないけれど、今作っておいたら、夢から覚めた後にあなたにこんな花束を作ったのよと言える。そうしたら、あなたは花束を貰ったのと同じことになるはずだ。
すてきな思いつきにうきうきとして、わたしは早速手近な花をつむべく、地面にしゃがみこんだ。
たんぽぽに似た花、薔薇に似た花、すみれに似た花、チューリップに似た花、マーガレットに似た花…。季節の関係で、本来同じ場所に生育するはずのない花同士が隣に咲いていたりする。
わたしはたんぽぽに似た花(普通のたんぽぽよりも花びらがまるっこく、金色がかった抹茶色をしていた。葉がギザギザではなく、やなぎのような流線型をしていた)をつんで、束ねる。
自分の好きな花を選んで、その束に加えて行った。花畑を歩き回るのは楽しくて、つい夢中でつんでいると、手の中の花束はどんどんどんどん大きくなっていった。
しばらく夢中になっていて、つむ手が追いつかないくらいだった。
突然、鋭い風が吹き抜けて、我に返った。北の山脈のてっぺんから迷い込んできたかのような、鋭くてつめたい風がわたしをのみこんで、そして通り過ぎていった。花びらが大量に風に乗っていった。
そっと腕の中を見ると、わたしの腕にかかえきれないくらい大きな花束が出来上がっていた。
そして、その時になって、わたしはようやく気がついた。
わたしは、あなたの好きな花も知らない。
あなたのことを何も知らないのだと。
毎日会って、話しているのに、何をすればあなたが笑ってくれるかも知らないでいるのだと。
わたしはとても悲しくなった。涙が出てきて止まらなくなって、そうしたら腕の中の花束がバラバラに風に乗って舞い上がって、わたしはそれらと一緒に風に乗って空に浮かんで、どこまでも流されていった。空から見て気づいたけれど、そこは月面だった。月にも花畑があるのか。孤独に空に浮かぶ月にも、こんなに賑やかしいところがある。
無性にあなたに会いたくなった。

明日になればまた会えるのに、わざわざレターセットを引っ張り出してきて、あなたに手紙を書いているのは、こういう訳です。よかったら、今度花畑に行きましょう。

9/16/2024, 4:00:02 PM

泣かないでと言われたかった
泣いてもいいよと言われたかった
同じことだ 泣かないでという声も、泣いていいよという声も、相手の幸を願うなら、同じ源から湧き出た水だ。
ただし、泣かないで が詰問口調なら、話は変わってくる。それは、泣くことが相手の救いであるとは微塵も思っていない。
わたしの場合は、自分が、もっと、透明で、尊いものでありたいのに、嫌になるほどきたなく、卑しく、それだから苦しいのだ。他人を踏みつけにする、自分が第一で、好きかって振る舞うのが、当然だと、思っているのだ。それが卑しさだ。
そんなこと思いたくなくて、もっと、尊い人格でありたいよ。

なお、この文の後半5行と同じような内容が、これよりも清明に太宰治の女生徒に書いてあるので、おすすめです 青空文庫でよめる

9/16/2024, 4:47:30 AM

楽しくなくても正しくなくても傾聴

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