何かミスをおかして、呆れたようにため息をつかれたり、それでなくとも失望されたと確信した瞬間、もうここで時間が止まればいいのにと思う。自分の人生まるごと否定されたわけではないのに、死にたくなる。死にたくないから、そういう時は、今すぐ時間が止まって、しかし自分だけはその時間の中で動けるようになればいいと思う。
それで、私は時々考える。私だけ動いている世界は、どんな世界なのだろう。枯葉も噴水も犬も猫も鳥も、そしてもちろん人も、石のように固まったまま動かない。草原に行っても、草が風に吹かれて気持ちよさそうにそよぐこともない。時間が止まっているのだから。
ひとりきりの世界では、誰も私が泣くことを責めない。私がひとりで泣くことは、許されている。
人々の真ん中で、人目もはばからず自分のために思い切り泣いてから、そして涙をふいて、戻りたいと願う。
石でぎゅうぎゅうになった世界で、ひとりだけ生きるのに、きっと私は耐えられない。ひどくさみしくて苦しくて、元に戻りたいと願う気がする。
初めから終わりまで身勝手だ。全部勝手な言い分だ。相手の言うことに聞く耳を持たず、勝手にひとりで自分を傷つけて被害者面をしている。傷ついた心を休む場所が欲しいだとか、ひとりでいたいだとか。相手の傷には目を向けようとしない。
それでも、どんな理由であっても私が泣くことを許してくれるところに行きたいと思う。自分の傷を舐めおわって、やっと顔を上げて外の世界を見ることができると思う。
9/20/2024, 1:23:59 AM