NoName

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11/10/2025, 5:15:50 PM

ぬいぐるみを抱き締めながら眠りにつく
黙ったまま、文句も言わず、身動ぎもせず、おとなしく抱きしめられているだけの綿の固まり
それでも心は少しだけ救われる

『寂しくて』

11/9/2025, 3:24:30 PM

「嫌」は「嫌」って意味しか持たないし
「無理」は「無理」って意味しか持たない
「やめて」も「やめて」って意味しか持たない
なのになぜか勘違いして
『実はこういう気持ちが隠されているんじゃ!?』
って勘違いのまま突っ込んでくる人もいる

それはあなたの心であって、私の心じゃありません
あなたの心を私の心にすり替えないで

『心の境界線』

11/8/2025, 2:19:55 PM

誰の背中にも羽根は生えている。
ただ、透明で見えないだけ。
見えないから、自分の羽根の大きさや柔らかさを誰も気にしない。
誰も気にしないから、どんなに傷ついても無頓着。
無頓着だから、多くの背中からは羽根が抜け落ちている。
たまに見える人がいて、その人たちだけが丁寧に扱おうとしている。

「せめて本人だけには自分の羽根が見えればいいのに。そうすればもっと大切に扱うはずなんだ」

『透明な羽根』

11/7/2025, 2:02:14 PM

ぱちはちと木が爆ぜる、心地よい音。
オレンジ色に照らされ、柔らかい表情をする君。
自宅じゃ味わえない開放感。

「準備してるときは大丈夫かなって心配だったけど…来てよかった」

温かな炎を見つめながら君が言う。
つられて僕も笑う。

「ね、なに話す? やっぱり恋バナとか? 古いかな?」
「なんで恋人といるのに恋バナするのさ…」
「普段とは違う雰囲気の中で、本音を伺おうかと思いまして」
「だからってわざわざ…」
「ほらほら、マシュマロ準備して。あっ、ココアも淹れてよ、やっぱ甘い物が無いとさぁ…」

なぜか張り切りだす君に、はいはいと苦笑する。
夜はこれから。
二人きりでどんな話をしようか。

『灯火を囲んで』

11/6/2025, 3:02:56 PM

ふかふかになった犬の毛。
暖を求めてレースカーテンの間に入る犬。
そして暑くなって出てきたときのハカハカした顔。
頭に触ると、お日さまの熱を吸収してじんわり暖かい。
ストーブを点けると、自力で布団を引っ張り出して絶対に動かない。

そしてなにより、

ヒーターと炬燵を繋いでいたはずのホースを勝手に移動させている、
なんともふてぶてしい姿。
どうりで炬燵の中が冷え冷えなわけだ!
温風を全身で受け止めている!
おかげで人間は寒くてたまらん!

…なんて、冬支度の度に蘇る記憶。

『冬支度』

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