自分のことが、まるで他人事だった。
どれだけ傷つくことを言われても、
傷に気が付かないようにするための簡単な方法。
知らない間に動けないほどになっていて、
生活もままならない。
どうしたの、と聞かれても、
他人事だから、しらない、分からない。
わからないのに、意志とは別に動かない身体。
まるで幼子のように癇癪を起こす。
そんなイライラした私に、
ずっと寄り添ってくれる彼女。
何で私なんかに、って思ってたし、今も思う。
直ぐに癇癪を起こす、子どもでしかない私には、
分不相応な大人な友人。
とっても優しくしてもらっているのに、
癇癪を起こして当たってしまっているどうしようも
ないやつなのに。
恥ずかしくて、ありがとうも、まともに言えない
子どもにもなれないやつなのに。
きっと直ぐに離れてしまうだろうな、なんて。
まだまだ本人に届かないだろうけど、
いなくなっちゃう前に言えるように。
ありがとうって言う練習をしておく今日このごろ。
お題「my heart」
お題:一筋の光
注意 暗いお話。謎時空。
きっと現代のようで現代でないような、
でもやっぱりあるかもしれないお話。
天使の梯子
なんて、誰が最初に言ったのだろう。
私は唇を噛み締めた。
出会ったとき、自分には無い考えを持つ君には心底驚いた。練習の無い日の過ごし方、嫌味や陰口に対する、黙する以外の対処法や、正解のない術の応用の仕方。君と会わなければ、きっと疲れを取るために外に出かけるなんて選択肢は死ぬまで出てこなかっただろう。
ある時からずっと暗雲立ち込めていた。厚い雲に覆われていた空から、日の光が熱を伝えることは無く、ずっと肌寒かった。雲間からかかる一筋の光はたしかに救いだったはずだった。
「薄明光線って硬いなぁ〜!天使の梯子、なんて呼ばれ方の方がきれいでなんかいいじゃん!」
いつかに君が教えてくれた。
背が日の光に照らされ、暖かくなるのを感じる。
やめてくれ、かからないでくれ。
天使が降りてくるはしごなど要らない。君を連れて言ってしまうなら、尚更。
涙に濡れた君は、微笑んで、
「 」
怨敵は打ち破られた。味方の勝利の咆哮が荒れ果てた地に響く。
私の腕の中は、それはとてもとても静かなものだった。
お題:鏡の中の自分
白磁のような肌、大きなうるうるとした目、ぷっくりした唇に、ふんわりとした眉
完璧だ!
鏡の中の自分に向かって今日もかわいいっ、と笑いかけて、いつも通り学校へ向かう。
今日もいい日になりそうっ!
暖かい。
布団包まれて、隣りにある生き物の暖かさを感じていた。
愛おしい、あの子の温もり。
自分と、愛しい君の匂いを肺いっぱいに吸い込んで、吐き出す。
まだ時間はあるので、二度寝することを決め込んで、君を抱き寄せる。しかし、君は身体を起こし、布団の、私の腕の外にから出ようとする。
(まって、行かないで、まだ、、、)
手を伸ばす。
君は立ち止まって、なんだい、とその手に顔を擦り寄せた。君の頭をワシャワシャと撫ぜると、ふす、と君は鼻で笑い、
ガリっ
痛った!!
私の手を引っ掻いた。
「痛いよ〜まだ10時だよぉ〜?」
「みゃぁ〜」
愛しい君はたいそうお腹が減っているらしく、ご立腹だ。寝室のドアをガリガリと削っている。開けると、隙間からしゅたたっ!と、しなやかな身体を使ってリビングに一目散で駆けていった。
「うーーーん!良い天気だねぇ」
大きな伸びをする。
廊下の窓は、気持ちのいい強い日差しを招き入れていた。ゆっくりだけれど、きっといい休日がスタートした。
「なぁ〜〜ん」
廊下の先で、君が呼んでいる。
「はいはい!まずは朝食だよね!」
「みゃあん!」
今日は君と何をしようかな、なんて考えながら、軽い足取りで君の待つリビングに向かった。
お題:行かないで
進学で一人暮らしをはじめた。
生活費は自分持ちだったので、バイトもはじめた。
最初は、電車で40分の居酒屋。
少し遠いので、土日の片方だけにしようと思った。
生活費にするには足りないので、
近くでもバイトを始めた。
1つ目は、個別指導塾だった。
これも電車で行くことになるが、近く、時給が高かったために決めた。
塾長はいい人だった。生徒にとっても優しくて、遠いところに住む講師は、車で送って下さる方だった。しきりに、大変だろうから、塾だけにしなよ、と体調も心配してくださる方だった。
このときには既に、居酒屋のまかないが美味しくて、どうしてもやめたくなかった。日曜日にフルタイムで入るくらいだった。塾長の優しさを無下にした。
塾長が、講師が少ない、と悩んでいたので、できるだけシフト希望を長い時間でだした。
塾長の生徒への優しさはすごかった。シフト希望のだしてないところにも、入れる?お願いね!とシフトを組み、生徒の希望を通した。私が長い時間働ける曜日には一時間しか入っていなかった。
塾は辞めた。
2つ目はコンビニ。
やはり居酒屋だけでは足りなかったため、今度は近くのコンビニの募集を受けた。
店長もスタッフの方々もとても優しい人だ。色んな話をしてくれたり、話し好きの私の話を聞いてくれたりする。掛け持ちのバイト、夜中なら次の日朝にシフト入るの嫌でしょう、と心配してくれたりもする。変わるよ、とまで行ってくれる方もいる。
居酒屋のバイトでも、人が少なくなったので、土日両方にフルタイムで入るようにした。
シフト調整係さんが、人が少ないので、ご協力お願い致します、と言うので、シフト希望を長く、多く出すようにした。
とえる友人が、大学一年の最初の方のほうがイキイキしてたと言い出した。
別の友人が、疲れてるねぇ、と、よしよし、としてくる。
そんなに疲れている自覚はない。
どうしてそんなことを言うのだろう。