るに

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9/13/2025, 4:20:31 PM

真っ白なキャンバスを
一人ひとり違う色で染めていく。
誰しも自分に合った色を持っていて
その色や他の色が混ざった色で
キャンバスに絵が描かれていく。
みんなは自由に筆を動かして
満面の笑みで綺麗な花や
山や海、家まで描いてしまう。
私のキャンバスは空白だった。
ぽっかりと空いた
ドーナツの穴みたいに
色とりどりのキャンバスの中で
私だけ真っ白だった。
そう、私は自分の色が白だった。
何色にでも染まる、
誰にでも頷く、
つまらない人間ってことだ。
正直息苦しかった。
息はクロールや平泳ぎの時よりも
断然吸いやすいはずなのに
鼓動が早くて
吸っても吸っても足りなかった。
ドーナツの穴みたいに
抜け落ちてしまいそうで、
埋もれてしまいそうで、
私は何度も筆を落としてしまった。
その度にため息をつき
急いで筆を拾っていた。
ここじゃあ私はやっていけない。
白では何を描いても残らないし、
簡単に他の色に染まってしまう。
私はやめようと思った。
キャンバスを手放して
みんなと同じ自由になろうと。
そんな時、
フクロウに似た人に出会った。
その人はフクロウみたいなメガネを
くいっと上げて、
私のキャンバスをどうにかするのを
手助けしてくれた。
色んな手放す方法を聞いたけど、
最後に教えてもらったのは
白色でもつまらない人間でも、
見える人にはきっと見える。
君の膨大な努力と諦めない根性が。
ということ。
不思議と心が軽くなって
見えなくてもいいから
描いてみようと思えた。
急いで来た道を戻り、
私は白くて大きいクジラを描いた。
大きなクジラは
少しずつ他の人の色と混ざり合い、
虹色のカラフルなクジラになった。
"Good Midnight!"
今日も真っ白なキャンバスは
一人ひとり違う色で染められていく。

9/12/2025, 3:05:43 PM

台風が過ぎ去って
私の住んでいた街は沈んだ。
私はまだそれが現実だと思えなくて
街の上を呑気に泳いでた。
台風が持ってきた水は
あまりに綺麗すぎて
氾濫した川も池も、
全てが透き通っていて、
街が泳ぎながら良く見えた。
なんだか自分が雲になったみたいで
嬉しくて
くたくたになるまで
ずっと泳いでた。
疲れすぎて
今度はかろうじて残っていた
ビルの屋上で
べちょーっと寝そべった。
台風が嘘かのように
青空と白い雲ばかりで
街は水と空で
青く照らされていた。
雲の影がよく見える。
私はこのまま避難できなくても
いいと思った。
ずっとここで
雲の影を、
青い街を見ていたいと思った。
"Good Midnight!"
暖かい陽の光は
私を包んで
街と一緒に
沈めてくれた。

9/11/2025, 4:03:01 PM

今日もここでひとりきり。
夜が明けないのはさ
きっと私が臆病だから。
外は嫌なものばっかりなんだ。
理不尽と説教が行き交ってる。
私はそこに不適合だった。
ただそれだけの事で
ここにいて、夜が明けない。
私を見兼ねた友達が
迷子列車に乗って
気分転換することを勧めてきた。
迷子列車というのは
「夜の鳥」のことで、
夜更かししたい人を乗せて
夜の街を走る列車。
行き先がわからないので
迷子列車なのだ。
確かに私は昼夜逆転生活を送っていて
寝るのは朝方、
起きるのは夜中だ。
だけど私は夜を楽しみたい人たちの
邪魔をしに行きたくはない。
私はなんとなく
目が覚めたから起きて、
眠くないから怠惰に過ごして
眠くなってきたから寝るだけ。
特別有意義な時間を
過ごしてるわけじゃない。
冷蔵庫にあるミルクティーを取り、
少し星空を見て見た。
ここらへんは明かりが少ないから
よく見える。
でもいつも決まって見えるのは
ぼやけて零れる星、
目から溢れ、
頬を伝う水。
誰が悪いとか
もう少し頑張らなきゃいけないとか
そういうのが原因じゃない。
夜が明けないのは
明日が嫌だから。
"Good Midnight!"
最低なのは私じゃない。
でもきっと世界は最高だから。

9/10/2025, 3:21:40 PM

Red, Green, Blue。
Red、
空を赤く染めたり
人の中を駆け巡ったりする色。
Green、
山の木々を緑に染めたり
目の保養として使われたりする色。
Blue、
海の水を青く染めたり
心情を表してくれたりする色。
どれもなくてはならないもので、
1つも欠けていいものはない。
世界はこの3つからできているんだ。
でも色は
手を伸ばしても掴めないし
直接身体に色がつくというか、
そういうこともない。
なのに3つの色は
私たちの目に驚くほど影響を与える。
感動、幸せ、悲しみ、哀れみ。
朝や夜などにも。
目に映るもの全てに
色がついていて
それは綺麗としか表せない
慣れたらあって当たり前のもの。
"Good Midnight!"
でも世界が色づくまでには
多くの時間がかかってしまう。
だって好きなものを
見つけないといけないから。

9/10/2025, 3:11:51 PM

お気に入りの服を着たら
どこへ行こう。
どこへでも行けてしまうほど
心も身体も軽やかになる。
地図は持たずに
海にでも出てしまおうか。
双眼鏡を持って
山にでも散策しに行ってしまおうか。
頭の中ではたくさんの私が
歩き回り、
はしゃぎ合い、
そして幸せな1日を送っている。
しかし実際の私は
どうも身体が動かない。
怠惰な私を動かせるのは
私しかいないというのに。
また1日を無駄にしてしまう。
そう焦って
また無駄にしていく。
"Good Midnight!"
無駄が多すぎる毎日は
私には少し荷が重すぎる。

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