るに

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4/1/2025, 4:08:38 PM

はじめまして。
実は無くし物をしまして、
記憶の写真をいただけませんか?
私は今日
物を無くした。
内容も登場人物も大好きな本。
本なんて大きいから
すぐ見つかると思ってたのに、
まるで世界から消えたように
全然見つからなかった。
すごく大切な本だったので、
仕方なく記憶の写真屋に行って
最後に本を置いた場所を探ろうとした。
少女とも女性とも言えない
丁度真ん中ぐらいの女の子が担当してくれた。
風の噂でこの女の子に
お金を封筒に入れて払うと、
写真の現像を早めてもらえると聞いた。
運良く女の子に当たったので
そうしてみた。
3日後に写真を見せてもらった。
電話中に肘が当たって
普段開けることは少ないけど、
開けたら開けっ放しの
引き出しの中に入っていった。
女の子にお礼を言い、
無事本が見つかった。
"Good Midnight!"
夏が似合うこの本を呼んで
今のうちに世界を見る目を
少しだけ変えようかと
1ページ目をめくる。

3/31/2025, 4:23:19 PM

関わる人は
変わっていくもの。
たまに固定されるのは一部の、
親友や家族という配置に置かれてる人だけ。
でももちろん
いつかは変わる。
いつまでも固定されない。
ずっと一緒に居てくれる
いつまでも固定される人が欲しかった。
私には親友がいる。
気も趣味も合う子。
ずっと一緒に居た。
沢山遊んで、笑い合った。
固定されたらいいなと思った。
でも親友は余命宣告を受けた。
あと半年。
それを聞いた時、ふと、
私はこの子のあと半年を奪っていいのだろうか。
そう思ってしまった。
向こうからも特に遊びの誘いも
話題も降られなかったので、
少し距離を取った。
本当は半年間いつも通りに
話したりしたかった。
けどあの子のことだから
きっと家族とか他の友達とも過ごしたいはず。
私には親友の他にいなかった
固定される一部の人。
いいなぁ。あの子には沢山いて。
遠目に親友を見守ってるうちに
余命はあと1週間となっていた。
病室の窓から外を覗いていたその子は
前から私と距離を取りたくなかったと、
家族とも他の友達とも何か違う
私と居たかったのだと言った。
涙は溢れるばかりで引っ込んでくれない。
強く抱き締めて、
離れていた時間を埋めるように
私とその子は夕方まで話した。
帰り際、
バイバイじゃなくてまたね!
またいつかね!
と言ってくれた。
また涙が零れそうになったけど
今度は腕で拭い、何とか耐えた。
その2日後に親友と空を飛んだ。
"Good Midnight!"
親友の病室には
綺麗な向日葵が2輪飾られていた。

3/30/2025, 12:13:27 PM

ピーーッ。
戦闘終了。
目標数、5。
取得数、5。
目標数到達達成。
試合開始3時間前から、
待機していたことがよかったと見られます。
春風とともにやってきた戦い。
よく勝ち抜きました。
冬頃の戦いには2つ足りずで
目標数到達不可となりましたが、
それはまだ練習訓練のようなもの。
本番の今日を勝ち抜けて
本当に素晴らしい結果だと思います。
今日は推しのバースデーグッズ販売の日だった。
通販だからすぐ無くなるだろうと身構えまくり
睡魔にも負けず
発売時間から4分も経った頃には
もう欲しかったものを買っていた。
買った直後サイトを見ると、
私が買った中の1つが売り切れ。
他の物は残っていたけど
14分後にはまた1つ売り切れた。
脳内では
機械の声がする映像と私で
今回の祝賀会が行われていた。
実におめでたいです。
せっかく買ったんですから、
ちゃんと祭壇で飾る場所を用意しておくんですよ?
ふふん。
そう言われると思って
昨日のうちに片付けておいたよ。
珍しいですね、前もってやっておくなんて。
って無理ですからね?
片付けてませんよね?
ひっ…。すみません……。
全く…。
しかしよくあの睡魔に勝てましたね。
正直キツかったよ。
アニメ見て誤魔化してたけど
内容全然入ってこなかった。
改めておめでとうございます。
これにて祝賀会終了。
3秒後には明日の準備を開始してください。
ふぅ。
今週1週間頑張れる気しかしない。
嫌なこと沢山あった時、
推しのグッズ見ればどうとでもなるわ。
こんな昂ってる時は
私の大好きな漫画の一言でも言ってみようかな。
"Good Midnight!"
どれだけ後悔しても
前に寝た過去は変わらない。
でも今日は夜更かしするしかない!

3/29/2025, 3:48:20 PM

勝手についてくる猫。
まとわりついてきて
邪魔で仕方なくて
追い払ってもまたついてくる。
いい加減何処へでも行けばいいのに。
なんて、
本当は嬉しい。
後ろを向けば綺麗な黒猫が
長い足を優雅に出して歩いてるんだもん。
いつしか後ろに猫がいることが
当たり前になってた。
友達や家族には
邪魔、黒猫とか不吉、なんて言ってるけど
人間の中にも素直になれない所じゃない、
口から勝手に嘘が出てくるような
本当のことが全部口に出せないような
私みたいな人がいる。
今逆のことを言ってるんだって
わかってくれる人なんかいない。
だから本当に思ってること、したいこと、
やりたいことは
絶対伝えられない、出来ないに近しい。
ある天気のいい日、
よそ見をしていて
車が来てることに直前まで気づかず
私は間一髪で止まることが出来たが、
私の後ろにいて
私で車が見えず
私を頼りに歩いていた猫は
飛び出して轢かれてしまった。
多分足の骨は折れてる。
脈はまだある。
呼吸は浅い。
ぐったりしてる。
すぐに病院に連れて行かなきゃいけないと
思ったのに、
家族に猫を見せて
病院に行こうって言おうとしたのに
今まで猫を鬱陶しいと思ってると言ってたせいで
言い出しづらかったし、
目を丸くして猫を見てる家族が
なんだか他人に思えてしまって。
泣きそうになったから
家を飛び出した。
"Good Midnight!"
泣き顔なんて醜いもの、
絶対見せないから。
家族や友達や誰の目も汚染しないように
下を向くから。
だから猫を助けてよ。
心の中はいつも正直で
言葉が詰まらずに出るのに。
しょっぱい涙が
私の頬を伝った。

3/28/2025, 5:37:56 PM

小さな幸せは
目の前にあればあるほど
見えないもの。
失ってから大切にしちゃう幸せ。
私はこういうのが大嫌い。
どうしても気づけないから。
でも今、
そこにあって大切にしようと思った
幸せがあった。
狐に似た人がいた。
雨が降ってる中信号を待ってる時だった。
紫陽花を眺めてる目が綺麗な黒で
目元に朱色のメイクがされてた。
惹き込まれていく感覚を初めて味わったんだ。
それからたまに信号待ちで会って、
たまに見つめてた。
軽度のストーカーみたいだなぁと思ってても
やめられなかった。
いつからだっただろう。
信号待ちで会わなくなったのは。
何週間も、何ヶ月も見かけなかった。
"Good Midnight!"
今どこで何をしてるんだろう。
私の事、ジロジロ見てくる変な人としか
思ってなかったんだろうか。
私の真ん中で暴れる狐に似た人への
日々の気持ちは
辛く重く、
それでも捨てられない何かだった。

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