るに

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小さな幸せは
目の前にあればあるほど
見えないもの。
失ってから大切にしちゃう幸せ。
私はこういうのが大嫌い。
どうしても気づけないから。
でも今、
そこにあって大切にしようと思った
幸せがあった。
狐に似た人がいた。
雨が降ってる中信号を待ってる時だった。
紫陽花を眺めてる目が綺麗な黒で
目元に朱色のメイクがされてた。
惹き込まれていく感覚を初めて味わったんだ。
それからたまに信号待ちで会って、
たまに見つめてた。
軽度のストーカーみたいだなぁと思ってても
やめられなかった。
いつからだっただろう。
信号待ちで会わなくなったのは。
何週間も、何ヶ月も見かけなかった。
"Good Midnight!"
今どこで何をしてるんだろう。
私の事、ジロジロ見てくる変な人としか
思ってなかったんだろうか。
私の真ん中で暴れる狐に似た人への
日々の気持ちは
辛く重く、
それでも捨てられない何かだった。

3/28/2025, 5:37:56 PM