るに

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3/29/2025, 3:48:20 PM

勝手についてくる猫。
まとわりついてきて
邪魔で仕方なくて
追い払ってもまたついてくる。
いい加減何処へでも行けばいいのに。
なんて、
本当は嬉しい。
後ろを向けば綺麗な黒猫が
長い足を優雅に出して歩いてるんだもん。
いつしか後ろに猫がいることが
当たり前になってた。
友達や家族には
邪魔、黒猫とか不吉、なんて言ってるけど
人間の中にも素直になれない所じゃない、
口から勝手に嘘が出てくるような
本当のことが全部口に出せないような
私みたいな人がいる。
今逆のことを言ってるんだって
わかってくれる人なんかいない。
だから本当に思ってること、したいこと、
やりたいことは
絶対伝えられない、出来ないに近しい。
ある天気のいい日、
よそ見をしていて
車が来てることに直前まで気づかず
私は間一髪で止まることが出来たが、
私の後ろにいて
私で車が見えず
私を頼りに歩いていた猫は
飛び出して轢かれてしまった。
多分足の骨は折れてる。
脈はまだある。
呼吸は浅い。
ぐったりしてる。
すぐに病院に連れて行かなきゃいけないと
思ったのに、
家族に猫を見せて
病院に行こうって言おうとしたのに
今まで猫を鬱陶しいと思ってると言ってたせいで
言い出しづらかったし、
目を丸くして猫を見てる家族が
なんだか他人に思えてしまって。
泣きそうになったから
家を飛び出した。
"Good Midnight!"
泣き顔なんて醜いもの、
絶対見せないから。
家族や友達や誰の目も汚染しないように
下を向くから。
だから猫を助けてよ。
心の中はいつも正直で
言葉が詰まらずに出るのに。
しょっぱい涙が
私の頬を伝った。

3/28/2025, 5:37:56 PM

小さな幸せは
目の前にあればあるほど
見えないもの。
失ってから大切にしちゃう幸せ。
私はこういうのが大嫌い。
どうしても気づけないから。
でも今、
そこにあって大切にしようと思った
幸せがあった。
狐に似た人がいた。
雨が降ってる中信号を待ってる時だった。
紫陽花を眺めてる目が綺麗な黒で
目元に朱色のメイクがされてた。
惹き込まれていく感覚を初めて味わったんだ。
それからたまに信号待ちで会って、
たまに見つめてた。
軽度のストーカーみたいだなぁと思ってても
やめられなかった。
いつからだっただろう。
信号待ちで会わなくなったのは。
何週間も、何ヶ月も見かけなかった。
"Good Midnight!"
今どこで何をしてるんだろう。
私の事、ジロジロ見てくる変な人としか
思ってなかったんだろうか。
私の真ん中で暴れる狐に似た人への
日々の気持ちは
辛く重く、
それでも捨てられない何かだった。

3/27/2025, 5:27:36 PM

春爛漫の季節を迎え、
ますます気持ちが華やいできますが
師匠はいかがお過ごしでしょうか。
あー、、
やっぱりかしこまった感じは
私たちに似合いませんね。
桜が満開になり
暖かく過ごしやすく
どこか夏っぽさも感じる頃、
師匠は私に押し花の栞をくれましたよね。
あれ、まだ大事に使ってるんです。
前置きが感動モノですね。
さて、
本題に入ります。
師匠は私の他に
もう1人弟子を取っていましたよね。
その人は狐に似ていて、
しなやかだった。
狐に似てる人は2年ほど前に師匠の元を去り
雑貨屋に通うようになりました。
師匠は放っておけと言ってましたけど、
私やっぱり気になって
少し観察してたんです。
そしたら雑貨屋で
羽が生えた店員と話しているところを
見たんです。
絶対あの人はフクロウに似た人です。
合言葉を言えば
ネブラスオオカミの秘密を1つだけ
なんでも教えてくれるという、あの。
師匠はネブラスオオカミのことを
随分お気になさってたので、
今回このようなお手紙を送らせていただきました。
予定が空いてる日があり
申してくだされば、雑貨屋までご案内します。
お身体に気をつけて。
良い返事をお待ちしています。
"Good Midnight!"

3/26/2025, 3:50:19 PM

書いたことが本当になる
七色の魔法のペン。
赤色は恋愛
オレンジ色は趣味
黄色はお金
緑色は地形
青色は水
紫色は人間関係
と、
大まかな種類に分け
それにあった色で
紙に書けば
それが本当になる。
ああ、そうそう。
最後の1色は
他の人は指が氷みたいに動かなくなって
使えない色。
1人しか使えない色。
白色。
1度だけ白色で書いてあるとされてた
紙を見た。
黒い紙に書いたら見えるとか
そういう事じゃなかった。
白色って言ってるのに
まるで透明のような
何も書いてないように見えるのだ。
著者は不明。
何を書いたのか、
何を本当にしたのかわからないまま
展示してあった。
"Good Midnight!"
私の夢はいつか、
その紙に書いた人を見つけて
書いてるところを見て
何を書いたのか聞いて
そうだな、
簡単にまとめると
その人と友達になること。
だから今は
もう少しだけ。
そう思いながら雨を眺めて
ペンの研究を進めようとした。

3/25/2025, 2:22:00 PM

記憶ってのは曖昧で
2週間前のことなんか
ほとんど覚えてなくて
もっと前のことは
いつか改ざんされて、
都合のいいようになっていく。
だからこうやって私みたいな
記憶の写真を撮る写真屋がいるもんで。
この写真屋で記憶の写真を撮るのは
ほとんどが機械。
地球上全ての人間の記憶を
毎秒専用の衛生から撮っている。
もちろん私も記憶を撮っている。
気まぐれで撮るだけだけど。
記憶の写真を見たい人は
写真屋へ足を運び
対象の人の名前を言う。
それを聞いた私はパソコンに名前を打ち込み、
年齢や血液型、利き手や癖などが書かれた
プロフィールを見せ、
この人であっているか聞く。
見たい写真の年と日時を聞いて
現像して渡す。
これが写真屋で行う私の大体の仕事。
お金は写真を渡す前に貰うのだけど
何故かみんな封筒に入れて払ってくる。
1000円だけなのに。
重要な書類をどこに置いたかとか、
形見の指輪を無くしたとかで来る人が多いから
大事にお金を持ってくるのだろうか。
"Good Midnight!"
1日に5、6人来るか来ないかぐらいの量だけど
私はこの仕事が気に入ってるし、
人の記憶っていうのは
暖かくて、冷たくて、
カラフルで、光ってて、
すごく見てて楽しい。

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