記憶ってのは曖昧で
2週間前のことなんか
ほとんど覚えてなくて
もっと前のことは
いつか改ざんされて、
都合のいいようになっていく。
だからこうやって私みたいな
記憶の写真を撮る写真屋がいるもんで。
この写真屋で記憶の写真を撮るのは
ほとんどが機械。
地球上全ての人間の記憶を
毎秒専用の衛生から撮っている。
もちろん私も記憶を撮っている。
気まぐれで撮るだけだけど。
記憶の写真を見たい人は
写真屋へ足を運び
対象の人の名前を言う。
それを聞いた私はパソコンに名前を打ち込み、
年齢や血液型、利き手や癖などが書かれた
プロフィールを見せ、
この人であっているか聞く。
見たい写真の年と日時を聞いて
現像して渡す。
これが写真屋で行う私の大体の仕事。
お金は写真を渡す前に貰うのだけど
何故かみんな封筒に入れて払ってくる。
1000円だけなのに。
重要な書類をどこに置いたかとか、
形見の指輪を無くしたとかで来る人が多いから
大事にお金を持ってくるのだろうか。
"Good Midnight!"
1日に5、6人来るか来ないかぐらいの量だけど
私はこの仕事が気に入ってるし、
人の記憶っていうのは
暖かくて、冷たくて、
カラフルで、光ってて、
すごく見てて楽しい。
3/25/2025, 2:22:00 PM