ある所に
大切な鈴を
誰にも見せずに
隠している少女がいました。
その行動が気にかかった先生は
なぜ鈴がお気に入りなことを
他の子に言わないのか尋ねました。
すると少女は
だってこれが大切な物言うて見せたら
いいなぁ思た子が盗ってきたり、
交換持ちかけられたり
するかもしれへんやろ?
だから大切な物は
見せずに閉まって誰にも言わへん。
でも先生、
なんで鈴がお気に入りってわかったん?
と言いました。
確かにプリンを食べられたなどは事故ですが、
泥棒猫なんて言葉がある以上、
少女の警戒と防御はいいものです。
しかし先生は困ります。
少女には疑うことを知らず
ピュアにでも育って欲しいと思っていたからです。
それはここの教育方針でもありました。
疑心暗鬼で溢れかえる世の中に
少しでも使える人間を。ということです。
なのに疑心暗鬼の鏡のような少女には
別の先生も頭を抱えます。
そこで
お偉いさんと先生は
少女を育てないことにしました。
教育を放棄したのです。
"Good Midnight!"
この話はこれで終わり、
また初まる。
それは少女の話。
フクロウに似た人に拾われ、育てられ、
鈴が今でも大切な少女の。
きらきら光る
お空の星よ。
細々とした声で歌うきらきら星は
真夜中には最高に染みた。
弱虫でも心は捨てるもんか。って
どこかで聞いた言葉。
きらきら星に似合ってる気がする。
流れ星は
誰かが捨てちゃった心だったりして?
宇宙から流れてくるものは
不思議な物ばかりだなぁ。
人が死ぬことでいなくなるんじゃなくて
もう少し違うことで死ぬことと一緒の意味で
いなくなる世界の話の本。
鳥とかも絶滅してて見れない本。
鳥と神を間違える人がいる本。
私はその本が大好き。
きらきら星と同じくらい。
心をまだ捨てないでいてあげようかなって
諦めないであげようかなって
そう思っちゃうんだ。
この2つを見たり聞いてると。
"Good Midnight!"
寒くて凍えそうな日でも
暑くて溶けそうな日でも
どうかまだ私は
絶滅しないでいて。
人生とは階段のようなものである。
そう誰かから聞いた日から
私は階段を上ってるんだと思うようにした。
座ってみたり、
1段飛ばしで上ってみたり、
時々足が引っかかって転けて
3段くらい落ちたけど
他はなんとも。
って。
そんな困ったことは滅多に起きず、
平凡に暮らしてますよって言いたかった。
本当は後悔ばかり積み重なっていった。
階段を上る度に降りたくなって
下を見ちゃう理由、
わかってたんだ。
でも目を逸らしていたかった。
そしたら少しは
自分を好きになれる気がしたから。
流星群を見たのは数年ぶりだった。
前もお願いごとをした。
願いが1つ叶うならば
草原で花を育てて
秘密の花園を作って
少し遠くに家を1件…。
楽園みたいな所での生活を望んだ。
ゆっくりな流れ星たちだったから
3回唱えることができた。
"Good Midnight!"
いつか叶う日を夢見て
また階段を上ろうかと思ったけど
星任せだと
星も荷が重くて流れられないだろうし、
私も少しは頑張ろうかと。
あの子も嫌だし、
あっちの子も話したことないけど
雰囲気が嫌い。
ずっとずーっと
人を嫌って妬んで嫉妬してる人生な気がする。
やめたいのに
全員に嫌悪を抱いてしまう。
嗚呼。
なんだか呪いみたい。
くそくそくそ。
耳を塞いでも聞こえてくる。
親友の声。
あの日からだったかな。
親友が会って2日の私の友達に
私も教えてもらってないこと、
言わば秘密のようなものを教えたと言った。
考えたら何を教えたか分かるよと
言われたけど
考えてもわからなくて
それを伝えると、
じゃあ知らない。教えないからね?と言われた。
ずっと一緒にいて
悩みも打ち明けあった私じゃなくて
会って2日の私の友達に言うんだね。
流石にそれは言わなかったけど
頭の中で話は進んでいた。
毎晩親友が頭のどこかにいて、
私が
もう私は必要ない?って聞くと
うん。必要ない。
最初から居ないで欲しかった。って返ってくる。
それが繰り返し再生された。
実際は親友は気にする素振りも無しに
私と普通に喋っていた。
でもだんだん頭の中と現実がごっちゃになって
やめてよ!って突然言っちゃったら、
嫌われちゃったら嫌だったから
距離を置いて今がある。
人に嫌われるのは嫌なくせに
自分は人を嫌う。
私は最低かもしれない。
いなかった方がよかったかもしれない。
言い表せないほど辛い
自分の妄想との戦いだった。
"Good Midnight!"
ネガティブな自分も愛してあげようなんて
誰かが言ってたけど
それが出来てたら
ネガティブになんかなってないって。
無くなりやすくて、
無くしやすくて、
手が届いたと思うと消えて、
手が届かないと分かったら諦める。
そういう
ちょっとレアな秘密の場所。
じゃあどうやって行くんだって話だけど、
行き方なんてない。
ふとした時に行けて
ただ花が綺麗で
そよ風が気持ちよくて
たまに黒猫がいるだけ。
行きたい時に行けなくて
忘れた頃に行けちゃう。
それって結構すごいよなぁ。
フクロウに似た店員さんに
今日もその場所の特徴を話す。
どこにあるかも
誰が猫に餌をやってるかも
全然わからないから、
私はこうやって
信頼できる人に話していっている。
狐に似たあの人なら、知ってるんじゃないですか?
フクロウに似た店員さんにそう言われて、
そういえば話していないことを思い出した。
早足でお店を出て
狐に似た人に会いに行った。
そんな急いでどないしはったん?
向こうから来てくれるとは。
狐に似た人は
にこにこしながら私の後ろに立っていた。
千年は生きてるこの人なら
知ってるかもしれないという期待が
私の喋る速度を早くした。
んー、私そないな所聞いたことないかもやわ。
…って、あからさまにガッカリした顔せんといてや〜。
冗談やよ。私そこ知っとる。
連れてったろうか?
首が取れるくらい縦に振り
初めて行きたい時に秘密の場所に行けた。
"Good Midnight!"
狐に似た人にお礼を言い、
行き方も教えてもらった。
どこかの誰かさんにも教えてあげようか
迷ったけど、
今日はもう眠たいから。