あの子も嫌だし、
あっちの子も話したことないけど
雰囲気が嫌い。
ずっとずーっと
人を嫌って妬んで嫉妬してる人生な気がする。
やめたいのに
全員に嫌悪を抱いてしまう。
嗚呼。
なんだか呪いみたい。
くそくそくそ。
耳を塞いでも聞こえてくる。
親友の声。
あの日からだったかな。
親友が会って2日の私の友達に
私も教えてもらってないこと、
言わば秘密のようなものを教えたと言った。
考えたら何を教えたか分かるよと
言われたけど
考えてもわからなくて
それを伝えると、
じゃあ知らない。教えないからね?と言われた。
ずっと一緒にいて
悩みも打ち明けあった私じゃなくて
会って2日の私の友達に言うんだね。
流石にそれは言わなかったけど
頭の中で話は進んでいた。
毎晩親友が頭のどこかにいて、
私が
もう私は必要ない?って聞くと
うん。必要ない。
最初から居ないで欲しかった。って返ってくる。
それが繰り返し再生された。
実際は親友は気にする素振りも無しに
私と普通に喋っていた。
でもだんだん頭の中と現実がごっちゃになって
やめてよ!って突然言っちゃったら、
嫌われちゃったら嫌だったから
距離を置いて今がある。
人に嫌われるのは嫌なくせに
自分は人を嫌う。
私は最低かもしれない。
いなかった方がよかったかもしれない。
言い表せないほど辛い
自分の妄想との戦いだった。
"Good Midnight!"
ネガティブな自分も愛してあげようなんて
誰かが言ってたけど
それが出来てたら
ネガティブになんかなってないって。
無くなりやすくて、
無くしやすくて、
手が届いたと思うと消えて、
手が届かないと分かったら諦める。
そういう
ちょっとレアな秘密の場所。
じゃあどうやって行くんだって話だけど、
行き方なんてない。
ふとした時に行けて
ただ花が綺麗で
そよ風が気持ちよくて
たまに黒猫がいるだけ。
行きたい時に行けなくて
忘れた頃に行けちゃう。
それって結構すごいよなぁ。
フクロウに似た店員さんに
今日もその場所の特徴を話す。
どこにあるかも
誰が猫に餌をやってるかも
全然わからないから、
私はこうやって
信頼できる人に話していっている。
狐に似たあの人なら、知ってるんじゃないですか?
フクロウに似た店員さんにそう言われて、
そういえば話していないことを思い出した。
早足でお店を出て
狐に似た人に会いに行った。
そんな急いでどないしはったん?
向こうから来てくれるとは。
狐に似た人は
にこにこしながら私の後ろに立っていた。
千年は生きてるこの人なら
知ってるかもしれないという期待が
私の喋る速度を早くした。
んー、私そないな所聞いたことないかもやわ。
…って、あからさまにガッカリした顔せんといてや〜。
冗談やよ。私そこ知っとる。
連れてったろうか?
首が取れるくらい縦に振り
初めて行きたい時に秘密の場所に行けた。
"Good Midnight!"
狐に似た人にお礼を言い、
行き方も教えてもらった。
どこかの誰かさんにも教えてあげようか
迷ったけど、
今日はもう眠たいから。
小梅。
酸っぱいのは苦手なのに
飴が食べたくて買った。
最初食べた時は酸っぱくて
最後まで食べられそうに無かったけど
だんだん甘くなってきて
美味しくて好きになった。
2個だけ入ってる大玉は
とびきり酸っぱくて
とびきり甘かった。
何かを忘れたい時、
空を飛びたい時、
ちょっと疲れた時、
お酒やタバコより吹っ飛ばせる
合法の飴。
食べすぎると気持ち悪くなるところは
お酒とタバコと変わらないけど。
自分の中でトクベツを作ると
大玉を食べるために頑張れる。
トクベツっていうのは例えば、
ちょっとだけ頑張った時とか
死にたいと思いながら生きてる時とか。
今日はトクベツだったから
大玉を口に入れて
下手っぴな歌を歌った。
ララライ、ララライ
誰も知らない
名も無い今を駆けてゆくの
あの三日月へ手を伸ばして。
叶うのなら
私もUのセカイに行きたいなーって。
そんな言葉をポロッと零すと
小さくなっていく小梅が
叶うわけないって
現実逃避なんかするなって言ってる気がして、
今までずっと味方でいてくれた小梅が
急に私を突き放したみたいで。
"Good Midnight!"
ああ、
前が見えなくたって
小梅を信じていたかったのになぁ。
小梅は私じゃだめなのかなぁ。
ひゅーっと通り抜ける春の風。
まだ肌寒くて
冬の感じが残っているけれど、
それでも薄着をして
風に当たりたくて。
風に吹いて欲しくて。
今日、
絵を描いたんだ。
ショウジョウトキっていう
フラミンゴみたいな赤色で、
くちばしが細長くて
羽の先が黒い鳥。
目立つ色をしてて
見つけやすいと思う。
見たことはないけど
多分風に乗るのが上手い。
風に話しかけてもらってるみたいに
高く飛ぶと思う。
トンビもびっくりするほど。
風が運ぶものは
いつだって鳥とか葉っぱとか
私に足りてないもので
見る度に
ああ、そうだった。って気付かされる。
どう思ったって変わらない未来と過去が
私を縛ってきて
ちぎれそうになるけど
風は風邪も持ってきてくれるみたいで。
熱が40度になった時は
暑すぎて倒れるかと思った。
"Good Midnight!"
だから何でもかんでも受け取らずに
花びらとか
綺麗な葉っぱとか
そういう小さな幸せが飛んできた時
受け取れたらいいなぁって。
question one。
生まれながら持つと言われる人それぞれの能力は
本当に持っているのでしょうか。
みんな同じように出来てしまうのではないでしょうか。
question two。
人は物をすり抜けられないものなのでしょうか。
出来ないと思ってしまうから
出来ないのではないでしょうか。
question three。
夢とは本当に寝ている間に
自分が作り出した世界なのでしょうか。
思い出したら辛くなる
楽しい思い出なのではないでしょうか。
大体こんなことが書かれたメモ。
古そうな紙に書かれていて
読むのも一苦労だった。
このメモは私も一部共感するところがあったので
捨てる気になれなかった。
上手くいかないこと続きで
もみじの葉を見たいような日だったので
お守り代わりにでも持っておこうかと。
手に取る本は
どれも面白そうな表紙ばかりで
内容を覚えていても
読み始めて、読み終えて、
また読み始めてしまう。
それを世界と言うんだね。
本の中にはその言葉も
似た言葉も出てこないのに
内容にぴったりな言葉。
なぜか
メモもこの本にぴったりな気がして。
"Good Midnight!"
夕焼けに手を伸ばして
メモと本を見比べる。
空を落ちて、君と出会う。
キャッチコピーにも惹かれてしまって。