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5/5/2025, 11:03:46 AM

令和7年5月5日

お題「手紙を開くと」

半世紀近く時を遡る、左利きのあなたの手紙を右利きの私は上手く真似できない。白紙の行に涙する。今なら、真似できなくて良いなんて言えるけどね、あの頃は真剣な問題だったよね、今思うと、それが可愛くて眩しい。だから、きっと今の涙や痛みは、また半世紀近く時を進めればキラキラと眩しいのだろう。うん?半世紀経ったら100超えちゃうか?けれど私は手紙を開いて感じたその日の想いを宝物にして逝きますあなたの元へ。

風薫る 手紙を開け 匂い嗅ぐ

            碧海 曽良

令和七年五月五日、左利きの孫の手紙を右利きの私は撫でている、上手く真似出来なかった、白紙の行に涙する。今半世紀の時を超えあなたが蘇った気がして、もう一度その手紙を撫でる。やっと会えたね、「おかえりなさい」だから、きっとあの時の涙や痛みは、この半世紀近く時を進めたキラキラ眩しい君に繋がる。うん?半世紀経ったら50超えた君が手紙を開く? ならば私は手紙を開いて感じた今の想いを宝物にして逝きますあなたの元へ。

こどもの日 手紙開くと 孫笑う 

            碧海 曽良 

後書き

友達とはつくるものでなくできるもの。
不自然に振りかざす友情ほど胡散臭いものはない。「わたしもぉ、わたしもぉ、わたしもぉ」「わたしたち仲良しでぇ、お花畑も手をつないででないと行けないのぉ」「可愛いでしょぉ〜、寄り添ってるでしょう、優しいでしょう」「裏切ったら絶対許さないわよ、みんな同じ服来て、同じバック持って、横一列に並んで歩かなきゃ駄目、許さないから」、、って
「邪魔なんだよ!」「ピーチクパーチクうるせーんだよ」「トイレくらい一人で行きやがれ」女の友情ほど虐め気質で画一的なものはない。やがて「私はぁ、気遣い出来るし、気配り出来るし、繊細だし」と言いながら友達に意見合わせて自分を失くして、失った自分の我に苦しめられて友達悪者🌾🦜🌙 麗しきかな女の友情。ことさら友情友情と言う奴ってだいたいこんな感じで🌾🦜🌙〜ぃ。

それでもやっぱり、グループラインでもSNSでもなくて、便箋に態々向かって肉筆で書かれた手紙を見るとなんだか胸躍るよね、ふふ、友達もいいなと思うよね、友達とはそんな肉筆の手紙のようなものでありたい。何年会わなくても手紙を開くとふっと心に飛び込んで来るような温かさ、それが友情の意味。

5/4/2025, 10:17:55 AM

令和7年5月4日

「すれ違う瞳」

すれ違う 瞳に映る 夏濤揺れ

             碧海 曽良 

5/3/2025, 10:40:08 AM

令和7年5月3日

お題 「青い青い」

鯉のぼり 青い青い日 風立ちぬ 

           碧海 曽良


「まだ見ぬ、波濤」  作 碧海 曽良

1990年平成二年早春

一年が巡った事を鶫之子は遠い海に消える霰を見つめながら想っていた。もう海内と育んだ様々なことが想い出に変わり始めている。三月始め雪の卒業式はもう6年前のことで、一年前のことさえ遠い過去のように感じる。一年は短いようでいて長い本当に来年のことを言ったら鬼が笑うとはよく言ったものだ。

遠い海に消える白い霰は白い波に飲まれて消えた。大は小を飲み込み流す。小さな港街に生まれた初恋のなごり雪は、都会の大海原に消えて流れた。けれどひとつの季節が巡り彼女は少し大人になった。

三月の休日にやっと久しぶりに帰省した。
また、今年のお盆も同窓会はあるからと、桐子から連絡があった。お産を控えた桐子は今度はおたかに幹事を譲ったらしい。また、みんな集まるけど、もう海内は来ないだろう来るとしても彼はやっぱりここにはお客さんなんだと之子は思っていた。之子やおこまは帰省を「帰ると」東京へは「いぬ(行く)」と言うのに対し、海内は終始逆であった。そのことを改めて之子は感じていた。「違ったんよな、始めから」

いつになく強い風に波は大きく打ち返し白い波は、あがった。波濤は白く煌めき霰を吸い込んだ、まだ始まったばかり、まだ、こんな優しい波濤なのだと気づく時がやがて訪れる。まだ見ぬ波濤を想いながら之子は空に両手のひらを広げ降る霰を包み込むように掴み頬に両手をあてた、ヒンヤリと冷たくそして美しい溜め息のような霰の雫は頬に吸い込まれて消えた。

生きてゆく、あなたも生きていてね。昨日に背中を押され今を生きる、今の私は未来の私の背中を押す。


なごり雪も
降る時を知り
ふざけ過ぎた
季節の後で

春が来て君は
綺麗になった
去年よりずっと
綺麗になった…

「なごり雪」 作詞 伊勢正三

ありがとう、昨日のわたし
ありがとう、昨日のあなた

まだ見ぬ波濤に想いを馳せて、之子はペダルを踏み込んだ。

1990年代の幕開けだ。



「まだ見ぬ、波濤 第一章 〜青春篇〜」  

                  完
ご挨拶

「まだ見ぬ、波濤 第一章〜青春篇〜」最後までお付き合いしてくださいました方がおられましたら感謝です。このような駄文に読んだよ印くださる方々にも感謝です。

やっと、第一章が終わりました。約一ヶ月で一章と考えておりましたので、どうにか形にはなりました。後半なんだかお題の方にも背を押して頂いているように勝手に感じながら、お題製作の方々にも感謝したい気持ちです。有り難う御座いました。打ちひしがれること度々で、何十年か時を遡り「耳をすませば」の月島雫になったような気分で御座いました。雫おばあちゃんと言いますか(笑) 

さて実は、この話は、まだ続きます笑笑 

「まだ見ぬ、波濤 第一章〜青春篇〜」は、バブル全盛期が舞台でしたので、次は「まだ見ぬ、波濤 第二章〜堕落篇〜」です。バブル崩壊期を舞台に描きたいなと思っております。ご察しの良い方ならば、どの日に向けて描いているのか、もうお気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが筆力及ぶ限りその日を目指して描き進めたいと思っておりますので、興味のある方暇つぶしにでもどうぞ。

GW家事所用のためしばし「まだ見ぬ、波濤第二章」はお休み頂きます。お題はぼちぼち神出鬼没で。

それでは、皆様良き休日を 
ては、また SeeYou. 

後書き

ううん、揺れへん揺れへん(爆)
青い嘘ってなに笑笑 相手を思ってつく嘘?優しい嘘のつもり?いやいや所詮それ自分がハブになりたくなくて自分が独りになりたくなくて自分が優しい気の利く人に寄り添える人だと思われたくてあざとく口からでる自分本位の言霊やがてその言霊は因果応報で自分を苦しめるんでしょ因果応報嘘は嘘を生む嘘を守るために嘘をつき、やがて青色吐息、覚悟がないから、地獄の閻魔の前でも突き通す。そう、だって始まりが自分が良く思われたくてついた優しくありたい、寄り添ってる人と言われたいあざとい心から出た言霊だからです。

それと、「まだ見ぬ、波濤」をノンフィクションだと思って読んでらっしゃるイタイ方はおられないとは思いますが、そんなリアルですかね?爆笑です🌾🦜🌙 そういうの解離性障害とか言うんじゃない?いらっしゃらないと思いますがお気を付けて。勿論 「まだ見ぬ、波濤」はフィクションです🌾🦜🌙            

5/2/2025, 10:12:51 AM

令和7年5月2日

お題「sweets memories.」

 なにを書いてよろこぶのか♪
 分かった あなたに…
 なにも ありません

甘い想い出たちは 
懐かしい 痛み…

so sweets memories.  

懐かしい痛みだわ
ずっと前に忘れていた
でもあなたを見たとき
時間だけ後戻りしたの

失った夢だけが
美しく見えるのは何故かしら
過ぎ去った優しさも今は
甘い記憶 sweets memories

            作詞 松本隆 


「まだ見ぬ、波濤」  作 碧海 曽良

1989年12月24日バブル絶頂期、日経株価は史上最高値を記録した。

クリスマス・イブ街はイルミネーションと若者たちの摩天楼に登り詰めるような喧騒に溢れた。若い彼氏が彼女のために高級ホテルのスィートを予約してイチゴにドン・ペリニヨンのクリスマスだ!「どこにそんなもんあるのよ」と愚痴りながらバブル絶頂期のクリスマス・イブ之子はデパートのイルミネーションの中で働いていた、それは日曜の夜だった。

仕事が終わると、之子はまたあの映画が観たくなり、一人でぶらりと先日おこまと観た「恋人たちの予感」を観に出掛けた。別に態々この日でなくても良いのに、「あんた、中島みゆきか!」と自分に突っ込み入れてみたりしたが、あれから2回程、留守電に海内からメッセージが入ってどちらも無視して、彼も同じ痛みを少なからず受けているのだと解釈し過ごしていた。それは、まだ互いに火が消えたばかりの予熱であり、私の心がジンジンとするように、彼の心もこの木枯らしと真逆の喧騒に感傷的になるのかも知れない。「恋心って厄介だなぁ笑」そう零しながら都会の月を見上げた。「汚ったねえ、月だなー」そう嘯いて涙が溢れないように上を向いて歩いた。

「悪女になるなら…♪、嗚呼、やめたやめた」

誰も皆人なら何時も心の中には弱い自分と強い自分がいる。そのせめぎ合いの中で、誰しも人は均衡を必死に保ちながら泳いでいる。

「湖面を美しく漂う白鳥の脚でありたい」之子はそう自分に言い聞かせて、恋人たちで賑わう1989年12月24日の渋谷スクランブル交差点を人混みに逆行するように歩き、ひつこいナンパに悪態つき、ポップコーンでビールを流し込みながら「恋人たちの予感」を観て帰った。

「よし、メグ・ライアンになり切りだ!」憧れは安藤優子からメグ・ライアンにあっさり入れ替わる、ナンノコッチャ?な平成元年のクリスマス・イブだった。

そういえば、之子は23才になっていた。

それから、平成元年の年末を之子は休まず走り抜けた、12月の売り上げトップ11月の借りはきっちり返した。

「正月は帰って来ないのか?」と母からの電話に 「今年は帰らない!」と返したら、大晦日母と祖母がお節料理と餅を携えやって来た。東京にも雪が降った、その日かさこ地蔵のように二人は大晦日の夜アパートの前に立っていた。

31日は、出勤者は福袋製作で残業だ、残業を終えて帰宅しのは午後9時年が明けたら還暦を迎える母と、84になる祖母が寒そうに玄関の前に立って之子の帰りを待っていた。


部屋に入り母と祖母の手料理と年越しそばで平成元年を送り平成二年1990年が幕開けした。来年には崩壊し始めるバブルの夢を知る若者はこの時まだ居ない、カウントダウンの華やかな宴がブラウン管に映し出されていた。こうして之子の平成元年は暮れて行った。

翌朝平成二年元旦はデパートは定休日初売りは翌2日から、之子は母と祖母を伴い近くの神社へ初詣に向う。在り来りな正月だが東京を三人で歩くのは、これが最初で最後となった。

平成二年一月二日

戦争のようなバブル絶頂期一瞬の打ち上げ花火の只中に之子はいた。DCブランド全盛期の福袋商戦はまさに熾烈を極めた。そんな中で並んで買う客方ではなく、舞台に立ち売る方であることに誇りを持つ之子であった。

そしてまた、平成二年の暮れには年をひとつ取る数え年24才平成二年、年女の之子はデパートで行列を誘導していた。


クタクタになり、アパートに帰ると、母と祖母は帰郷していた。二人の温もりが残る部屋でお節料理を一人食べる。冷蔵庫には作り置かれた惣菜がタッパに入れられ綺麗に並べられていた。何気なく扉を閉めた、これが本当に凄いことだと本心から気づくのに、之子はまだ数年かかる。

「来月には、帰ろうかなぁ」今の之子には、母と祖母が残した冷蔵庫の惣菜への想いはこの程度であった。

年を重ねることは豊かになることである。

つづく 

「まだ見ぬ、波濤 〜青春篇〜」 
 
 次回最終回です✨️🚴🌬️💦







5/1/2025, 10:54:15 AM

令和7年5月1日

お題「風と」

早苗揺れ 風で風邪との 知らせあり 

           作 皐月 さなえ  



「まだ見ぬ、波濤」   作 碧海 曽良 

 タモリさんが「また来週〜」と言った、そう今日は週末金曜日、タモリさんまの「笑っていいとも」は金曜日いつも録画して深夜にビール片手に観ていたが、今日はリアタイで観た。

まだ、お昼過ぎだ寝込んでいた数日分の留守電を整理今夜、おこまに電話してみようかと考えていたところに、インターホンが鳴った、こんな時間に約束もなくインターホンを鳴らす奴なんてろくなもんじゃないと無視を決め込もうとしていたところに、「ねえ、おるー?」と、おこまの声が響いて、慌ててドアを開けた「なによ、ビックリした」と、おこまに言うと「こっちこそ、なんべん電話してもでんし死んでのかって心配したよ」おこまは海内からの電話で粗方のことを知り、海内の伝言を持ってお節介やきに来たのだ。「ちょっと、面倒くさいかなぁ」と内心呟きながら、おこまを通す前におこまは入っていた。

「コーヒーでええ?」
「有り難う、そんなことより体もうええん?」
「うん、もう快復したで」
「地獄よりの帰還お疲れでした、ちょっと痩せたんちゃう?食べれてるん」
「食べてる食べてる、お昼にカツ丼食べたで」
「なら、良かった、、海内から電話有って売り場行ったら無断欠勤で知らんかって逆に聞かれるし心配したで」
「有り難う、心配かけてごめんや〜」
「元気なら良かったわ、海内もだいぶ心配してたよ」
「雨ん中、追いかけても来んとかいな笑えるやちゃなぁ、相変わらず」
「そんなけ毒吐けたら大丈夫やな」おこまは笑った。
「今さっき、卒業写真を押し入れの奥の異次元空間にある五番街に閉じ込めて鍵を掛けました」
「燃やしては捨てれやんのかいな」
「今は、まだ、、、」
之子は俯いて笑った。
「嫌いには、絶対なりたくないんや」
「嫌いになれたら楽やのになあ」おこまが呟いた。おこまの聞いた話では、海内は随分と仕事で悩んでいたらしい、元々群れるのが苦手なスプリンターグランドを一人走っている姿が印象的な海内だった、それが先輩同僚締め切り前には編集室に泊まり込みで、その頃流行り出した写真週刊誌の編集部は、地獄の体育会ノリ、軽薄な学生生活の延長ではない。そんな野次馬達の好奇心を満たすプロが写真週刊誌記者だ、軽薄で格好だけの正義感なんぞ捻り潰されるそんな世界だ。それでも何故その世界に身を投じるのか?勿論入社1年目の海内には解らず、それを聞き解しまた仕事に向かわせるそんな堪忍袋の紐は年上の女の方が1枚も2枚も上手であった。海内は気づけば、元彼女であり先輩でもあった女性記者と縒りを戻してしまった。彼女は人妻で子供も居たらしいので、とんだ間男の若い燕よろしくの話だ、それ以上之子は聴く気がせず、おこまのお喋りを遮った。

「もう、ええわ。やめて、それ以上、嫌いになりたくないねん、アイツのこと」

「あ、ごめんや分かった」

流石に、お喋りなお節介おこまも黙り、いきなり「なあ、体もうええんやろ?映画でも見に行かへん」「ええ、職場の人に会ったらマズイし、明日から仕事やし」「ええやん、見つからへんて、銀座くらいまで行きゃあ、東京はそんなに狭ないで、ドラマみたいに(笑)」「なに観るん」とりあえず行ってみようやという話になって、之子は新しい革のジャケットにツイードスカートに着替えた。ラッシュ時間にはまだ早い午後3時少しヒヤヒヤしながら銀座へ出た。

観る映画を探して之子とおこまはぶらぶらと歩いた。途中、学生と思しきナンパに二組ほど会い、之子は忘れられない映画に出逢う「男女間に友情は成立するか?」「彼が彼女を見つけたのは?」チャーミングでウィットに富んだ会話劇「恋人たちの予感」1989年の映画。
之子はメグ・ライアンの虜になった。

ラブストーリーが大好きな之子に対してアクション映画派の、おこまだがこの日は之子に合わせてくれた。「失恋した後でラブストーリー観れるその精神的強さ尊敬するわ」とおこまに言われても臆することなく、メグ・ライアンが子供の台詞「家族が見えた〜」に涙する姿に涙する之子であった。

二人は映画の後で、これも来る前におこまが予約を入れていてくれた少し高めのフレンチレストランで夕食をした。それから、クリスマスのイルミネーションの中早めに帰った。

「来月は誕生日やん、クリスマスもどうすんの?」
「今年は、年末まで仕事!走りますやん笑笑」之子は迷いなく答えた。

「おこま、今日は本当に有り難う感謝よ」と之子が手を合わすと「おおっ」と、おこまは胸を張って見せて笑った。

平成元年11月も終わろうとしていた、冷たい風がイルミネーションを揺らしていた。

つづく





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