刹那
その潮を見る為に自ら罠に落ちる
彼女はそんな遠い潮の誘いを聞いた。
激しく早い性急な本性に必死に抗う彼岸の彼女は今その流れの境目で本性の流れに巻き込まれる刹那を目の当たりにする。
渦潮は生まれ、その時彼女の小さな白い身体は渦潮に餐まれる刹那に身を任せ遠くに潮の音と匂いのような祭り囃子の男踊りと女踊りの足音を感じながら静かに眼を閉じ身を任せた。
揺れ動きながら
刹那な潮は彼女の全身を電流のように駆け抜けた。
身悶えするような
刹那な一瞬に酔う
春の渦潮クルージングツアーの船酔い・・・。
2024年4月28日
心幸
生きる意味
生きることに意味などあるのか
生きたことに意味があるのではないのか。
生きる前から
生きる意味など考えるから
生きることが辛くなるのではないのか
生きる前から
生きることに意味など探すな
生きるために生きろ 必死に生きろ
必ず死ぬから
必死に生きろ
必ず死ぬなら
必死に生きろ
生きることに意味などない
生きたことに意味がある
だから もしも
生きる意味が知りたいならば
生きろ
必死に生きろ
生きたことが生きる意味だからだ!
2024年4月27日
心幸
善悪
「Passion」
そりゃあ悪魔は醜く汚れていて不遠慮で下品で粗雑で薄汚れた身なりをしていたなら分かりやすくて良いだろう。
悪魔は美しく清らかで遠慮がちで上品に丁寧な仕草や口調で近づくものなのだろう。
悪魔は神よりも優しくて上品で丁寧で整えられた身なりをしていなければならないでなきゃ騙せないでしょう。
正直者の詐欺師そんなもの商売あがったりです。詐欺師は優しくて寄り添い上手の聞き上手でなければなりません。
善悪もきっと同じ
善は悪よりもきっと汚れていて悪は善よりもきっと無垢なはずです。
天使も子供も残酷で悪魔は優しくて甘美だから騙されてしまう。
善行を積むには
騙されて汚れて悪のナニかを知っていなければならない。
優しく愛情深い人はより傷つきより汚れていて美しい。
正義の味方の手は誰よりも血で汚れていなければならない。
イエス・キリストは私たちの汚れた罪を背負って十字架にかけられました。
自分のかけられる十字架を背負い弱く愚かな私たちの脇を通り過ぎてゆく私たちの罪を背負って汚れず綺麗なままのものに善行は決して出来ない。
悪を知り善を知るのだろう。
2024年4月26日
心幸
流れ星に願いを
星に願いを
月には呪いを
だいたい、古今東西今昔
狼男も吸血鬼も悪魔も
丑の刻参りも
陰陽師の悪霊祓いも
満月の夜
流れ星に願いを
その流れ星が消えるまでに
込める
そんな清い乙女は
月に祈らない
蒼白い月光は
罪を隠すのに丁度良い
夜ごと姿を変える
その月は嘘をつくのに丁度良い
包帯のような嘘を
蒼白い月光は
柔らかく包む
孤独の光
流れ星に願いを
その流れ星が消えるまでに
込める
そんな乙女が
眠りにつく満月の夜
孤独な狼の遠吠えは聞こえる
乙女の耳には届かない
乙女は満月の夜の謝肉祭を知らなくて良い
清らかな乙女は知らなくていいコト
流れ星に願いを
その流れ星が消えるまでに
込める
乙女の清らかな白き手を見つめて
ただ、おもふ。
2024年4月25日
心幸
ルール
「世情」
世の中はいつも 変わっているから
頑固者だけが 悲しい思いをする
変わらないものを 何かにたとえて
その度壊れちゃ そいつのせいにする
シュプレヒコールの波 通り過ぎてゆく
変わらないものを 流れに求めて
時の流れを止めて 変わらない夢を
見たがるものたちと 戦うため
世の中はいつも 臆病な猫だから
他愛のない嘘を いつもついている
包帯のような嘘を 見破ることで
学者は世間を 見たような気になる…
「彼らは未熟だから間違うんです」
「間違ったら、何度でも教えてやるのが私たち教師の仕事です」
いつから、子供は未熟だからと大目に見て間違うものだと、だから教えてやると大きな腕を広げる教師は居なくなったのだろう? 子供は間違えられなくなり、大人は教師は両手を広げることもなくなり、それどころか簡単に子供に謝る大人や教師は増えた、その方が楽だものね子供を寛容出来る許せる大人でなくて良い、子供は間違わず常に正しいから、大人が教師が謝る許される為に謝るその方が楽だから。結果子供は間違えられなくなり許されることがないから許し方も覚えられないから、他罰的で私刑や批判を死物狂いでする。
包帯のような嘘を 見破ることで
世間を見たような気になる。
人間あちこちぶつけていたら、そこから膿が出て腐り出すことだってある。けれど人間性根から腐ることはなかなか難しく、かりに性根まで腐れる外道がいたならなんと生きづらい人生を生きているのかと見てやることだって出来る。
それと、罪を裁かないということは別の話だ。
罪はルールに従い裁く立場の人間が裁くだろう
。
裁く立場にない無関係なものが
包帯のような嘘を 見破って
世間を見た気で
ルールを語ることを
私は好まない。
それが私のルールだ。
2024年4月24日
心幸