NoName

Open App

刹那

その潮を見る為に自ら罠に落ちる
彼女はそんな遠い潮の誘いを聞いた。

激しく早い性急な本性に必死に抗う彼岸の彼女は今その流れの境目で本性の流れに巻き込まれる刹那を目の当たりにする。

渦潮は生まれ、その時彼女の小さな白い身体は渦潮に餐まれる刹那に身を任せ遠くに潮の音と匂いのような祭り囃子の男踊りと女踊りの足音を感じながら静かに眼を閉じ身を任せた。

揺れ動きながら

刹那な潮は彼女の全身を電流のように駆け抜けた。

身悶えするような
刹那な一瞬に酔う

春の渦潮クルージングツアーの船酔い・・・。

2024年4月28日

心幸



4/28/2024, 10:57:38 AM