なつめぐ

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3/22/2026, 9:57:22 AM

『巡る地獄』


「その組織を抜けろ。お前はそこにいていい人間じゃない」

目の前にいる少年は俯いている。
何度、この光景を見ただろうか。この後この言葉を否定され戦いになり、そして俺は……。
そう今までの軌跡を頭の中で辿っていると、少年が頭を上げた。

「いいですよ」

「……は?」

思わず目を見開く。
否定しない……?なんでだ?こんなパターン初めてだ。
そう考え込んでいると、いつの間にか目の前に来てた少年に手を握られた。

「その代わり、先生が一緒にいてくれるんですよね?」

可愛く首を傾げ、さも当然のように言う少年。意味がわからずに何も言えないでいる俺と対象に少年は楽しそうに話しだした。

「いやぁ、良かった!"今回"はなかなか先生来ないからヒヤヒヤしちゃったよー!まぁ、オレが迎えに行っても良かったんだけど」

"今回"…?まさか……

「お前、まさか俺と同じ……?」

俺の問いに、目を細めた少年は「That's Right」と言った。

「あれ?先生、まさかループしてるのは自分だけかと思った?」

嫌な気配を感じ手を引き抜こうとしても、力が強くて抜け出さなかった。

「俺も先生と同じになったんだよ」

そう目の前で笑う"守りたかったはず"の少年は悪魔のように見えた。


「俺と一緒に、この地獄を生きましょうね」


【二人ぼっち】

3/21/2026, 5:31:26 AM

『終わりある時間』


「あ……」

「ん?どうした?」

歩みを止めた私に彼が心配そうな顔をする。

「…ううん、なんでもないよ!行こ!」

そう言い彼の手を取ると、彼も安心したように笑い歩き出した。
誰かが"入って"きた。おおかた、あの子だろう。あの子は私の夢を壊さなければいけない。私のこの夢は世界にとって害だから。
この夢を終わらせたくない、終わらせてほしくない。けど、私にはあの子に対抗する力なんてないから……
彼の手を強く握る。


どうか、どうか。夢が醒める瞬間まで、この時間を楽しませて。



【夢が醒める前に】

3/20/2026, 9:31:09 AM

『全部全部、指輪のせい』


目があった瞬間に胸が跳ねたの。
こんな体験初めて!こんなの漫画の中だけかと思ってたけど、本当に現実でも起きるのね!

「……って、思ったんだけどな〜」

口から乾いた笑いが出た。
目の前の彼の手には、私と同じ指輪がついている。私の胸の高鳴りも、この指輪が引き起こしたものなのだろう。

「ははっ……これもある意味、運命ってやつ?」

目の前の彼は戦う気満々みたいで、メガネを外してこちらを睨んでいた。
……そんな顔もかっこいいなんて、ずるいじゃん。

「いーよ、戦おっか」

そう言って、光輝く指輪を掲げた。


【胸が高鳴る】

3/19/2026, 8:31:50 AM

【不条理】

3/18/2026, 7:25:42 AM

『パンジー』


目の前には倒れている彼。と、その傍で心配そうに彼の手を握る男の人。

「大丈夫か…!?おい…!」

その男の人が彼に呼びかける。…もう、意味ないのに。
私は彼の元に歩み寄る。カツンカツンと自分のヒールの音がやけに響いた。
男の人はこんなにも近くにいる私のことに気づいていないみたいだ。…まぁ、そっか。私は"あっち"の人間だから、"こっち"側の人間は認識出来ない。
彼の頬を触る。いつの日にか触った温度が恋しいと思う程に、彼は冷たかった。

「馬鹿…」

そんなことを言っても虚しいだけだ。彼が目を開けることはもうない。

「泣かないよ。泣いてなんか…あげない。」

そう呟き、彼の傍に花を添える。可愛らしい紫の花が小さく揺れた。
立ち上がり、彼に背を向ける。もう、2度と振り返ることはないだろう。

「さようなら、嘘つき」



【泣かないよ】

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