『巡る地獄』
「その組織を抜けろ。お前はそこにいていい人間じゃない」
目の前にいる少年は俯いている。
何度、この光景を見ただろうか。この後この言葉を否定され戦いになり、そして俺は……。
そう今までの軌跡を頭の中で辿っていると、少年が頭を上げた。
「いいですよ」
「……は?」
思わず目を見開く。
否定しない……?なんでだ?こんなパターン初めてだ。
そう考え込んでいると、いつの間にか目の前に来てた少年に手を握られた。
「その代わり、先生が一緒にいてくれるんですよね?」
可愛く首を傾げ、さも当然のように言う少年。意味がわからずに何も言えないでいる俺と対象に少年は楽しそうに話しだした。
「いやぁ、良かった!"今回"はなかなか先生来ないからヒヤヒヤしちゃったよー!まぁ、オレが迎えに行っても良かったんだけど」
"今回"…?まさか……
「お前、まさか俺と同じ……?」
俺の問いに、目を細めた少年は「That's Right」と言った。
「あれ?先生、まさかループしてるのは自分だけかと思った?」
嫌な気配を感じ手を引き抜こうとしても、力が強くて抜け出さなかった。
「俺も先生と同じになったんだよ」
そう目の前で笑う"守りたかったはず"の少年は悪魔のように見えた。
「俺と一緒に、この地獄を生きましょうね」
【二人ぼっち】
3/22/2026, 9:57:22 AM