余・白

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7/13/2025, 11:31:18 PM

隠したくもなるよね、真実はもっと痛いんだから。

わかるかな、貴方が好きなんだよ。
一緒にいると傷つくとわかっていても、
貴方が好きなんだよ。


すり減る私はいつかあなたの隣から消えるんだろうな。
きらきら光って、消えるんだろうな。

貴方は誰が好き?
私の事、気に入ってたみたい。
ちゃんと好きだった?わからなかったよ

何が好き?
どんな時間が好きなの?


愛を与え続けられる私だったら良かった
すり減っても永遠に愛せる私だったら良かったのに

私は愛されたいと望んでしまうみたい
ごめんね、私は私のために生きてしまうみたい

わかるかな、貴方が好きなんだよ

苦しくても辛くても
虚しくても寂しくても
貴方が好きなんだよ


私に微笑むあの人は、私を割れ物みたいに扱うの
特別だと口に出してそう言うの

どんな私でもいいかってそう思える人なの
安心するの
貴方といる時の私とは
何もかもが違うのよ

貴方はなにがすき?

わかるかな、貴方を愛しているんだよ
愛しているから辛いんだよ




貴方は私が好き?

ごめんね、わからなかったよ

6/27/2025, 6:57:49 AM

最後の声は、もう覚えていない。
研ぎ澄ますほどの感覚の繊細さもないけれど、僕の持つ五感全てを研ぎ澄ませ、遠い記憶を手繰り寄せてみても尚思い出せずにいた。

ただ、あの時初めて観た君の泣き顔だけが、九年経とうとしている今でも脳裏から離れない。

よく笑う人やつだと思っていた。
屈託のない笑顔に白い歯が眩しくて、どこにいたってよく目立つ君はなぜこんな僕に構うのかと不思議でしょうかなかった。
頭の回転が早くIQも高いのにそれを鼻にかけたりせず、誰にでも尻尾を振るわけではないが偏見や差別を持たないあまりにも真っ当なやつ。
そんなお前が好きだったのに。

真剣になると黙る癖も、辛いものが苦手なのに人に合わせて言えない所も、思考するのが好きすぎて謎解きばかりにハマるところも知っているのに、何か足りない。あと互いのなにを知れば、僕ら二人は完結できたのだろう。未完成のままの物語を未だ閉じることができない僕は、過去形で君の全てを語ることができずに情緒を不安定にさせていく。それでも時も環境もいつしか流れて変わりゆき、君とは遠くの幸せをたくさん腕に抱える様になった。

僕らは何処まで行くのだろうか、互いを縛り合わずには生きられない。そんな呪縛からはいつしか解放されようと、次会った時に言ってみようかと考える。

青に浸って沈んで死んでいくこの気持ちが更なる呪いとなりません様にと、夏の空の下でそう願った。

4/1/2025, 12:52:56 PM

貴方の涙や言葉を

呪いでなく愛と受け止めるから

貴方の中で私が失ったものではなく

綺麗な思い出となりますように

3/31/2025, 1:19:49 PM

短編「蝶を握る」
作 余白

登場人物
❀日野 雷花(ヒノ ライカ)‥紘の初恋の相手
❀砂川 紘(スナカワ ヒロ)‥雷花が心を許す後輩

「またね、紘くん」

まつ毛の先に見えた蝶は幻覚であった。
が、僕にはそれが本物にしか見えず、指先で掴もうと手を伸ばした。

「紘くん」

揺れる声で意識が戻る。
僕の指先は彼女のまつ毛に触れ、涙が溢れ出していた。
どうしても届かない、この人の奥底にはどうしても触れられないのだと理解する。
深い深い悲しみに、僕は溺れていった。

「ふふっ。またね!」

彼女は僕の全てだった。溶かしていった心をどうにもしてくれないまま、僕の元を去った。
桜がひらひら舞う春のあの日、彼女を生涯恨むことになるとそう感じた。

𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄

「結婚しよう」

「え?」

「結婚しようよ、紘くん」

大きな目に吸い込まれた僕は、
彼女以外のなにも目のうちに入れることができない。
彼女が好きだと言った色の絵の具で、今日も絵を描いている。

「だって相性いいと思うの、私たち。
ほら、掃除が苦手なのが一緒でしょ?
結婚したって喧嘩にならないじゃないの」

訳の分からない彼女の言葉を解読したくないと思った。その純度のまま脳から全身に送り込み、血液にしてしまおうと思った。これが証明、僕が彼女を好きであることの証明だ。
僕の飲んでいたオレンジジュースを手早く奪うと、全て飲み干して彼女が笑いかけてきた。

「きめた、紘くんは私が好き。
ね、好きでしょう?」

𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄

''好きな人がいるの、だから帰るんだ東京に。''

どうやら僕は彼女と結ばれることは永久にないらしかった。蹴り飛ばそうとした石ころを拾い上げて思いきり投げると、ゴツん、とどこかの家の窓にぶつかった。その音が妙に不快で、僕の心は混乱した。
一体僕は、何に苛ついているのだろう。

「嫌いです、先輩のこと」

僕の蝶は、僕の成長を待ってはくれない。

「‥そう、そっか。

私はふられちゃったみたいだね」

えへへ、と笑う彼女に僕は冷たい眼差しを向ける。
なんというずるい蝶、僕は二度と恋なんてするものかとそう思った。
やけに大事そうに見えた薬指のリングは、彼にもらったものなのだろうか。所詮僕は蝶に踊らされる子供でしかないみたいだった。
そうか、僕は悲しかったんだ。彼女が僕を好きにならないという事実だけが、永遠に僕を蝕んでいく。

青い空にひらひら舞う蝶々をみつめながら、伸ばした指先で握りつぶしてしまいたいとそう思った。



𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄


こんばんは‥☪︎ 余白です。

今日は月曜日、週初めですね。
皆様お仕事、学校、お疲れ様です。

疲れましたね、ゆっくり休んで癒してください。

悲しさややるせなさは、ときどき夜に突然やってきて覆い被さってきたりします
重いよ〜といっても、なかなかどいてくれなかったり


そんな夜はちょこっと悲しみに浸ってみるのも悪くないかなと最近思います


皆様の一週間が素敵なものになりますように‥*̣̩⋆̩
頑張りすぎず、時には休みながらゆっくり行きましょうね


それでは、また*★¨̮

3/29/2025, 2:07:02 PM

短編 「涙をみたことがない」

作  余白

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
※登場人物

⚪︎私(物語の語り手)
⚪︎彼(私の最も好きだった元恋人)
⚪︎その人(私の現在の恋人)


「本当に、はーちゃんは泣かないよね」

ふと彼の言葉が頭をよぎる。
今頃、どこで何をしているのだろうか。
記憶の中の黒髪が揺れ、夏の夜の香りと湿度が肌に張り付く。あの夏の夜以降、彼にまつわる一切は遠く離れて私の元から消えた。

私は、弱さを見せるのが極端に苦手であった。
それが彼をひどく不安定にさせた。

「結局はーちゃんにとって、僕はその程度なんでしょう?」

私を責める刃だと思っていたあの言葉も、今思えば彼の必死の歩み寄りの一つだったと考えられる。
「弱さを見せて」という、彼の本心にたどり着くまでには長い長い時間が必要だった。
幼く、若く、快活であった私は、思慮深く、控えめで依存心の高い彼の良き理解者にはなれなかった。

誰に見せるわけでもない私の涙は出るところを忘れ、いつしか枯れていった。
努力も虚しく、彼の前で崩れることは二度となかった。立ち上がれなくなり、ドロドロに溶け、あなたに救われてしまいたかったのに。
それができない弱さに、浅い笑みを浮かべて絶望した。私はいつ、誰になら涙を見せられるのだろう。


𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄

「僕の精神の安定している時でお願いします」


その人は実直な言葉だけを発する人であった。
口から出る言葉に装飾はなく、それは時に距離や痛い事実を含んでいた。やけに楽で心地がよい、自然体とはこの事かと私は初めて他人に気を許した。
自らの欠点を進んで開示する程に、その人にに対する自己開示に躊躇がなかった。


布団の中で足を擦る。冷えた足は二度と体温を取り戻さない。私はいつか、涙を見せられるのだろうか。
私の愛するその人に、涙を見せることができるのだろうか。崩れ落ち溶けていき、そこから救い出してもらうことに戸惑うことなくありがとうを言えるだろうか。

体温を分けてもらったおかげで少しだけ温まった足先に愛情を感じながら、この夜が長く続けばいいとそう思った。


- - - - - - - - - - - 𖤘 - - - - - - - - - - -

みなさんこんばんは、余白です。
今日はやけに冷え込んでいますね‥
お身体お変わりないでしょうか?

もう週末なのですね‥!なんだか日々があっという間で、、驚いています。
それに2025年が始まってもう三ヶ月が過ぎたなんて‥!
気づいたら半年が経過してしまいそう。

素敵な夜をお過ごしくださいませ。
それでは、また☽⁺。゚

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