彗星

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11/15/2025, 12:56:38 PM

題:柔らかい光

 木々の葉の間から零れる光が心地良い場所。
 私は、その場所で、ピーチさんとベンチに座って話していました。
「昨日デイジーとしたんだけど……」
「うんうん」
「デイジーったら、紅茶とコーヒーを間違えたのよ!?飲んだら苦っ!ってなって!」
「おっちょこちょいなんですね」
「全く、おっちょこちょいの度が過ぎるわ」
 ピーチさんは怒っているように言いましたが、顔は楽しそう。
 よっぽどお茶会が楽しかったんでしょうね。
「ロゼッタは?お茶したりしないの?」
「うーん……。人を呼ぶ機会がないので……」
「そう?じゃあ、新しく入ってきた子とお茶して、カートのコツとか教えてあげたら?」
「でも、お茶くらいはゆっくりさせてあげたいです」
「優しいのね」
 ピーチさんが驚いた表情をこちらに向けてきましたが、私はそこまで厳しくありませんので。
 真面目では、ありますけどね(自分で言っちゃう)。
 それに、新しい人とは、ほとんど話したことないんですよね……。話す機会ないし。
「…では今度、ピーチさんをお茶会に誘います」
 これしか無いと思った。
 新しく入ってきた人とはお茶をするほど仲はよくない。
 私が一番仲がいい人は……。
「え、私?」
「うん、私」
 ピーチさんしかいない。
 この人といると落ち着く。楽しい。あっという間に時間が過ぎる。
 この人とお茶をすれば、きっと楽しい。
「私で良ければ……」
 恥ずかしそうにモジモジするピーチさんを微笑ましく思います。
 と、ピーチさんがいきなり立ち上がりました。
「もうこんな時間よ!休憩時間あと3分で終わっちゃう!早く戻らなきゃ!」
「え、もうですか!?」
「そうよ!」
 ダッシュで会場へ向かうピーチさんの後を、私も走って追っていく。
 ほら、あっという間に時間が過ぎた。
 絶対、この人とお茶しよう。
 そう思いながら、私は走っていました。
 木漏れ日の跡を、ベンチに残して。

お題『木漏れ日の跡』

11/14/2025, 1:58:43 PM

題:いつかの約束

 ーーあなたが泣き止むのを待っているわ。
 いつだっただろうか、そんな約束をしたのは。
 ーー……。

✧ ✧ ✧

「………夢……」
 朝、ロゼッタは目を覚ました。
 目を覚ましたロゼッタは、涙を流していた。
 昔の夢を見ていたようだ。
「……なんで泣いてるのかしら…」
 自分でも不思議に思っているロゼッタだったが、時計を見て、階下へ降りていった。
 朝はチコ達を起こしたり、朝ごはんを作ったりと、なにかと忙しいのだ。ボーッとしている暇はない。
 ロゼッタはキッチンの前に立つと、星杖を使い、フライパンなどを巧みに操り出した。
 踊るように料理が始まる。
 包丁は食材を切り、フライパンは食材を温め、調味料達はいい具合に味付けする。
 そうして終わった料理を、テーブルに運んでいく。
 集まったチコ達をロゼッタは見回すと、
「いただきます」
 と言った。その後に、チコ達の元気な声が続く。
 いつもの明るい食事が始まる。
 しかしロゼッタは、夢で見たいつかのささやかな約束を思い出していた。
 約束したのは覚えている。けど、いつ約束したのか、なぜ約束したのか分からない。
 あの時交わした約束はーー。


 皆さんこんにちは、彗星です。
 早速ですが、皆さんに朗報です!
 なんと、【ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー】の新たな動画が出ました!しかも、ロゼッタとクッパJr.の声優も公開!
 その動画、絶対見てください。後悔します。マジで。
 ちょっと動画のネタバレになっちゃうんですが、ロゼッタがカッコカワイイです。
 最初家(?)から出てきたときはかわいくて、その後敵が来るんですが、戦闘が始まった瞬間発狂します。
 『なにその技!?』とか、『速っ!』とか言っちゃいます。
 あと、敵を倒した後。これ重要。少し目を伏せて左見て、ちょっと笑うんですよ!ロゼッタなりのドヤ顔なのでしょうか?その顔がとにかくヤバくて!!破壊力がね!!
 絶対見てください!多分皆さんも発狂します。
 それでは、【ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー】の動画、見てくださいね!

お題『ささやかな約束』

11/13/2025, 11:02:27 AM

題:結末

 物語の結末は、いつもハッピーエンド。
 でも、現実は、そうはいかない。

❁ ❁ ❁

 私ーーゼルダは、リンクのことが気になっています。
 ……いや、気になっているというか、もう恋に落ちています。
 つい、隣りに居るリンクを見てしまいます。
 最近は泉に沐浴するはずが、リンクと両想いになれるように祈ってばかりいます。だから封印の力が覚醒しないのでしょうね。
 実は私には、恋のライバルがいます。
 それは、リンクの幼馴染ーーミファー。
 ミファーは、リンクのことを私よりも知っています。
 私は、リンクのことをよく知っていると思っていました。なんせ、リンクは私の護衛ですからね。
 なのに、ミファーはそんな私よりも、もっとリンクのことを知っていた。
 それを思い知らされたときは、とてもショックでした。
 ーー私は、彼に見合わないのかと。
 でも、それが分かった後も、私はリンクを諦めなかった。
 例え彼がミファーのことが好きだとしても。
 私は、彼と両想いになるよう祈り続け。

❁ ❁ ❁

 私の恋の物語の結末は。
 ーーバッドエンド。
 結局、私とリンクは両想いにならなかった。
 祈りの果てがこれなんて……。
 神様は、なんて酷い方なのでしょう。

お題『祈りの果て』

11/10/2025, 12:54:12 PM

題:本当は

「じゃあロゼッタ、また明日!」
「また明日、ピーチさん」
 友達のピーチさんと別れて、自分の部屋に戻る。
 疲れ切っていた体をベッドに沈めると、大分楽になる。
 ピーチさんと別れた後は、周りがしんとしている。それくらい明るい人なのだ。
「はぁ~」
 溜め息をつく。その溜め息は、ベッドに消えていく。
 ピーチさんがいないと、とても寂しい。
 空気が暗いというか、重いというか、そんな感じがする。
「ピーチさんに会いたいな……」
 なんて、言ってしまうこともある。
 ピーチさんとは、たまにパーティーをやる。
 その時のピーチさんは、いつもよりさらに華やかになっていて、目に楽しい。また一つ、ピーチさんのことが知れたような気がして嬉しいのだ。
 長い時間一緒にいるからこそ、いなくなると途端に寂しくなる。
 私にとって、大事な大事な友達なのだ。
 ……でも、やっぱり寂しくて。
 ピーチさんに会いたくなる。
 人とこんなに仲良くしたことは無かった。人と仲良くなりたいと思ったことも無かった。
 けれど、そんなキッカケをくれたのも、ピーチさん。
 寂しくて。恋しくて。
 だから、会いたい。

お題『寂しくて』

11/9/2025, 12:59:36 AM

題:ありもしない(ワルロゼ恋愛)

 一度だけ、空を飛んだことがある。
 ……ように思っただけ。
 本当は、ありもしない翼を広げて落ちただけなんだけれど。
 その時、私の体を受け止てくれた人がいた。
 それが、紫の彼ーーワルイージさん。
 受け止められたその瞬間、心臓がトクンと音を鳴らした。
 そして紫の彼は、
『大丈夫か?姫さん』
 と言った。
 さらに心臓は煩くなってーー。
 自分が恋をしていることに気づいたのは、天文台に着いた頃だった。体中が、熱かった。
 後でバトラーに相談したら、ニヤニヤされた。
 それからはちゃんと空を飛べるように、飛行魔法の精度を上げた。
 でも時々、こんなことを思う。
 ーーまた、受け止めてほしいな。
 と。
 でもそれは仕方のないことなのだと思う。
 恋をした瞬間、今まで味わったことのない感情が押し寄せてくる。
 なぜかドキドキする。
 最初はわからなくとも、後で理解し、恋だと気付く。
 私はあの時の透明な羽根に感謝している。

お題『透明な羽根』

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