彗星

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7/6/2025, 2:25:44 AM

題:波音に癒されて

 ザザーと、波の音が聞こえる。
 ロゼッタは一人、夕日の光をうけてオレンジ色に輝く海を眺めていた。
 波の音は耳障りが良く、癒される。
 静かで心地よくて。疲れが吹き飛ぶ。
 今ロゼッタがいる所は、オキナワという所の『与那覇前浜ビーチ』。白い砂浜と青い海のコントラストが美しい海だ。
 ーー次はチコ達も連れてこようかしら。
 波音に耳を澄ませながら、ロゼッタはそんな事を考えていた。

お題『波音に耳を澄ませて』

7/4/2025, 11:55:28 AM

題:吹き抜ける風

 気持ちいい風が私の横を通り抜ける。とても暑い今の時期には丁度いい風。
 全く、夏は暑すぎて嫌になる。チコ達も体調を崩しやすくなっているし。夏は大変だ。
 ーーもう少し涼しくなってほしい。
 本音を心の中で漏らす。これは誰もが思っているだろう。
「暑そうね」
「わっ」
 不意に声を掛けられ、肩が跳ねた。後ろを振り返ると、ピーチさんが立っていた。
「日傘の中入る?」
「暑いので、お言葉に甘えて」
 そう言って日傘の中に入れてもらった。日を遮るだけでもさっきよりも全然マシだ。
「あ、ピーチさん、今は王冠付けてないんですね」
「だって太陽の光を集めて熱くなるんだもの。自分の王冠触ってみなさいよ」
「そうですか……熱っ!」
「でしょ?」
 なるほど。一つ知識が増えた。これから活用していこう。
「心地よい風のことを『青い風』って言うみたいよ」
「国語の問題ですか?」
「違うわよ、ただの豆知識」
「へぇ~」
 じゃあ最初に吹き抜けていった風を『青い風』って言うのかな。確かにあれは心地よかった。
「では、天文台も暑いので、これからその『青い風』を天文台中に吹かせましょうか……」
「あら、良いわね。そうなったら遊びにいってもいいかしら」
「もちろん。待っていますよ」
 また、『青い風』が私達の間を吹き抜けていった。

お題『青い風』

7/2/2025, 6:35:38 AM

題:夏を感じる

 海沿いの風光明媚な街。そこは夏になると観光客が押し寄せる有名な街です。
 その美しい海に、地元の魚を使った美味しい料理。夏を快適に過ごすために必要な要素が全て揃っている。
 そんな街に、私も立ち寄っています。
 私が今いる場所は、向日葵の咲き乱れる公園です。
 海の香り、向日葵の香りーー。
 夏の匂い。

お題『夏の匂い』

7/1/2025, 8:15:53 AM

題:溢れる光

 自室のカーテン。そのカーテンは、風で揺れている。宇宙には風は吹かないが、ロゼッタの魔法がそれを可能にしている。
 新しく替えたベージュのカーテンからは、太陽の柔らかな光が溢れている。 
「ママ、綺麗だね!」
「そうね」
 ロゼッタはチコとカーテンから溢れる光を見て笑っていた。
 ーーこんな風に、この子達の未来も光で溢れていますように。
 ロゼッタは、チコの顔を見ながらそう祈った。
「あ、ママ、夜ご飯の時間だよ!」
「あら、そうだったわね。では、行きましょうか」
「うん!」
 光の空間から、二人は下へと向かうため、離れていった。

お題『カーテン』

6/29/2025, 10:39:20 AM

題:群青

「ねぇねぇ、『青く深く』っ言われたら何を思い浮かべる?」
「『青く深く』……ですか?」
「そう!」
「そうですね……。海、でしょうか」
「やっぱり!?」
 ピーチが幼い子供の様にロゼッタに顔を近づける。ロゼッタは、『はい』と言って、話を続ける。
「『青く』とだけ言われれば、空や星が思い浮かびます。でも、『深く』も加われば、深さを思い浮かべるため、海だと思いました」
「結構考えて言ったのね。私は特に考えずに言うわ」
「当たり前でしょう。ところでピーチさんは何を思い浮かべたのですか?『やっぱり』ということは、やはりピーチさんも海でしょうか?」
「ふっふっふっ、私はね……」
 ピーチは不気味に笑いながらニヤつく。
 ロゼッタは、ピーチのその笑い方とニヤつきに、少し引き気味である。
「リンクよ」
「………ふぇ?」
 変な声が出た。
 何故そこでリンクが出てくる?
「ほら、リンクのイメカラ(イメージカラー)って青でしょ?」
「そうですけど、『深く』の理由は?」
 ピーチはまたニヤつく。
 ロゼッタは、ニヤつきが止まらないピーチを本気で心配している。
「ロゼッタに対する『深い』愛よ」
「………ふぇ!?」
 また変な声が出た。顔が真っ赤になる。
 ピーチはそのロゼッタの様子に、少し満足そうに言う。
「だってリンクって、ロゼッタに対してはかなり優しいし、ロゼッタを大切にしてるっていうか……」
「いやいやいや、優しいのは誰に対してもですよ!?私以外のことも大切にしてますよ!?」
「その否定の仕方は、ロゼッタもリンクのことを……?」
「違いますってば!!!!」
 最後は顔を限界まで赤くして、全力で否定する形になった。
 その後、ピーチはロゼッタと別れた。
 帰る途中、ピーチは独り、呟いた。
「わかりやすいのよ、あんたは。リンクのこと好きなの、バレバレよ」
 呟いた後、ピーチは思いっきり伸びをした。
「さーて!恋愛の大先輩として、ロゼッタのことを全力でサポートしなきゃ!付き合うとこまで持ってかなきゃね!」
 濃い群青色の空に向かって、そう宣言する。
(見てなさい、リンク。あんたを『好き』から『愛してる』にしてやるんだから)
 ピーチは誰もいない平原で、拳を突き上げた。

お題『青く深く』 

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