題:美しき、風
真夏の風は生ぬるい。全然気持ちよくない。
いや、風量が足りないのか?とにかくぬるくて不快な気持ちになる。
「ちょっと待って、日傘忘れた!」
「お疲れ」
「ちょっと?」
日傘忘れたんだ。これは確かにお疲れ。
「私の日傘小さいから二人は無理」
「え〜、デイジー、予備ないの?」
「無いわよ」
なんか可哀想になってきた……。でも、かと言って俺も一つしか無いんだなぁ。
涼しい風だったら良かったんだけど……。
「暑〜。日傘無しはキツイわよ〜」
「もしかしたら、リンクが貸してくれるかもよ?」
「え!それは恥ずかしいって!」
「え〜なんで〜?」
小声でなんか相談し始めた?
「……」
どうしよう、貸そうかな……。でもなぁ……。
……。
「良ければ使ってください」
「えっ」
「日傘を忘れたようなので」
「でも……」
「俺はダッシュで帰るので」
ピーチさんに日傘を渡した後、俺はダッシュした。
こうやってダッシュして風を感じるのも悪くないかも……。
その後……。
「良かったわね、ピーチ!」
「ええ、良かった……良かったんだけど……」
「どうかしたの?」
「持ち手の部分にリンクの体温を感じて恥ずかしい……!」
「マジ??」
「マジ……!明日めっちゃ綺麗にして返そ!!」
(……ピーチさん、リンクさんに日傘借りたんだ……。追い付きそうならリンクさん入れてあげたかったな……)
ロゼッタはピーチ達の会話を聞いて、心の中で風を感じて帰るリンクを思い浮かべていた。
お題『風を感じて』
8/9/2025, 11:33:04 AM