題:貴方の瞳に映った景色
貴方の瞳には、一体どれだけ美しい景色が映っているのでしょうか。
美しい貴方には、やはり星空のように輝かしい景色が映っているのかしら。
知りたいけれど、直接見ることは出来ない。
なぜなら、貴方に映る景色に邪魔なものが映ってはいけないと思うから。
「とても綺麗ですね、ロゼッタさん」
「……そうですね」
私には、ただ海にオレンジ色の道を作る夕日にしか見えない。
けれど貴方には、その海の道も、夕日も、とても美しく映っているのでしょうね。
「でも、ロゼッタさんの方が綺麗です」
「……っ…」
貴方には、こんな私でも、夕日よりも、そして星空よりも、美しく映っているのね。
ーー貴方の方が、どんな星空よりも美しいわ。
お題『君がみた景色』
題:愛の記憶
ーー俺、ミファーのこと……好きなんだ。
ーー……私も、好きだよ。
あの時のことを忘れるはずがない。人生で一番ときめいて、幸せな時だったから。
こんなに幸せに彩られた記憶を、私は知らなかった。
赤の花火が上がる寸前に言った、あの言葉。リンクの顔が紅くなっていたのは花火のせいなのか、分からなかった。
リンクとはあれ以来、たまに会っては外出をしている。所謂【デート】というものだ。
リンクといると、心が弾む。楽しいのだろう。リンクといる時は何もかもが楽しい。どれも大切な時だ。
今日もデートをするから、その待ち合わせに書いています。
「お待たせ、ミファー!何か書いてるの?」
「まあ、当たりっちゃ当たり」
「えー何それ?」
適当に誤魔化して、出発しようと思います。
それでは、また。
行ってきます。
お題『真夏の記憶』
題:ガラス
“優しさ”ってさ、簡単だからこそ、“偽りの優しさ”があるんですよ。
あの時もそうだった。
幼い頃にママを亡くした私に優しくしてくれた子。
例えば、背中をさすって慰めてくれたり、一緒に帰ってくれたり。
でもその子が何か優しくしている時、いつも瞳の中は私を小馬鹿にした様な感じだった。
そして後々分かったことなのですが、その子は憐れな私の様子を楽しんでいたようなのです。
ーー許さない。
そう思いました。多分あの子は、似たような子を見つける度に、同じようなことをするのでしょう。
それ以来、私に優しく接する人達を警戒するようになりました。
でも、唯一“本当の優しさ”を私にしてくれていた子がいました。
ピーチさん。
あの人は、優しくしてくれる時、いつも瞳は温かさを帯びているのです。
本当の優しさはこれなのだと、直感しました。
その方とは、今も仲良くしています。
優しさなんて無くなれば良いと思っていた私を、温かくしてくれたのです。
優しさはガラス、偽りの優しさは鋼。
すぐ無くなる本当の優しさと、中々無くならない偽りの優しさ。
でも、偽りの優しさを受けた後は必ず、本当の優しさをしてくれる人がいるのです。
一人で悩まず、本当の優しさを貴方にしてくれる人に相談してみては、いかがでしょうか。
お題『やさしさなんて』
題:美しき、風
真夏の風は生ぬるい。全然気持ちよくない。
いや、風量が足りないのか?とにかくぬるくて不快な気持ちになる。
「ちょっと待って、日傘忘れた!」
「お疲れ」
「ちょっと?」
日傘忘れたんだ。これは確かにお疲れ。
「私の日傘小さいから二人は無理」
「え〜、デイジー、予備ないの?」
「無いわよ」
なんか可哀想になってきた……。でも、かと言って俺も一つしか無いんだなぁ。
涼しい風だったら良かったんだけど……。
「暑〜。日傘無しはキツイわよ〜」
「もしかしたら、リンクが貸してくれるかもよ?」
「え!それは恥ずかしいって!」
「え〜なんで〜?」
小声でなんか相談し始めた?
「……」
どうしよう、貸そうかな……。でもなぁ……。
……。
「良ければ使ってください」
「えっ」
「日傘を忘れたようなので」
「でも……」
「俺はダッシュで帰るので」
ピーチさんに日傘を渡した後、俺はダッシュした。
こうやってダッシュして風を感じるのも悪くないかも……。
その後……。
「良かったわね、ピーチ!」
「ええ、良かった……良かったんだけど……」
「どうかしたの?」
「持ち手の部分にリンクの体温を感じて恥ずかしい……!」
「マジ??」
「マジ……!明日めっちゃ綺麗にして返そ!!」
(……ピーチさん、リンクさんに日傘借りたんだ……。追い付きそうならリンクさん入れてあげたかったな……)
ロゼッタはピーチ達の会話を聞いて、心の中で風を感じて帰るリンクを思い浮かべていた。
お題『風を感じて』
題:進むべき方向
『心の羅針盤』。それは、一朝一夕で出来るものではない。日々の生活の中で、自分の心に耳を傾け、自分にとって本当に大切なものは何かを考え続けることで、少しずつ形作られていくもの。
人生の進むべき方向を示す指針という、とても重要な羅針盤。
何かに囚われることなく決められるとは、何とも便利な……。
……便利なのか……?
少なくとも私は心の羅針盤を感じたことはない。感じる人は特別な人なんだろうなぁ。
ま、私は特別じゃないってことでいいかな。心の羅針盤なんてどうでもいい。
人生、心の羅針盤通りに行くとも限らないし。
お題『心の羅針盤』